「塩狩峠」三浦綾子

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
新潮文庫WEB読者アンケート第4位。この言葉に惹かれて購入した。
一人の人間が、キリスト教に惹かれ、そしてその教えにしたがって自らの命を投げ出して多くの人を救う。そんな実際にあった話をもとに作られた物語。
明治初期を舞台にしていること。キリスト教の教えが多く主人公の周囲に取り入れられること、そして、自分の性格とあまりに懸け離れた人物像によってなかなか素直に物語を受け入れずらい。それでもこの本を読む前と後では生き方が少なくからず変わるかもしれない。
こんなふうにひたすら自分以外を思いやって生きれるなら、それもまた素敵な生き方なのかもしれない。しかし僕は「人生は一度きり」という考えの持ち主。したがって、やっぱり人生は自分のために生きることにする。
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「王妃の館」浅田次郎

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
倒産寸前の旅行代理店が「王妃の館」の宿泊ツアーとして、2つのツアーを組んだ。1つは149万8千円のポジツアー、もう一つは19万8千円のネガツアー、しかも客に部屋を共有させるという無謀なツアーである。そんなツアーの様子がコメディタッチで、ルイ14世時代と絡んで展開していく。
正直「中途半端」な印象を受けた。設定的にはかなりコメディタッチで進みながらも、コメディとして読むととてもおもしろいとは言えない。ルイ14世時代の物語も興味を惹かれたが浅い部分までしか掘り下げられていない。この物語全体としてのテーマが感じられなかった。作者もこの作品を実験的に書いたのではないかという印象を受けた。
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「ナイフ」重松清

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
イジメをネタにした短編集である。イジメの当人。イジメの被害者の父親など、いろいろな視点の物語が集まっている。イジメを受ける当人よりも、周囲の人間の反応の描き方がリアルである。周囲の人はみんな、助けが必要だと感じ、それをすることでさらにイジメを増長するのではないか。と何もできない自分に怒りを葛藤するのである。
イジメという問題は、僕にはもう縁がない。そう思っていたが、自分の息子や娘がイジメにあったらどうするか?たぶん何もしないだろう。それが一番いいと思うから、しかしそれでいいのだろうか。残念ながらこの本の中にその答えはない。
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「最後の息子」吉田修一

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
パレードのインパクトから再度、吉田修一の本を手に取った。「最後の息子」「破片」「water」の3編からなる。好きなのは「water」。水泳部で青春のまっただ中にある主人公を描いた作品。夏のこの直にぴったり、学生時代の青春に少しでも自分を呼び戻してくれるような作品でした。残りの2編は僕にはちょっと理解できなくて残念。おそらく著者が訴えたいことは僕の感じたこと意外にあるのだろうと思う。
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「夜の果てまで」盛田隆二

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
人を好きになることがある。しかし見栄やプライドが邪魔してなかなか真直ぐに思いを伝えられない。卒業式などに告白する人が多いのは人間のそういう面を良く表していると言える。
「夜の果てまで」の主人公である俊介も、今までの人生で積み上げて来たモノを捨てるべきか、それとも捨てないでなんとかならないか、そう何度も葛藤しながら好きな女性との愛を貫こうとする。良くあるロマンチックな恋愛小説などではまったくない。すべてを捨てて駆け落ちした以上、その先の生活をするためには汚い生き方もしなければならない。現代において「駆け落ち」というものを実行するにあたって、どのような障害があるかがリアルに表現されている。
それても僕を満足させなかったのは、作者の伝えたいテーマを感じることができなかったからかもしれない。「どんな障害があっても愛を貫こう・・」なんてテーマが言いたかったわけでは決してないはずだ。
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