「ドリーム NASAを支えた名もなき計算手たち」マーゴット・リーシェタリー

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
黒人に対する差別が根強く残っていた頃にNASAのために計算手として尽くした黒人女性たちについて語っている。
戦時中にNASAの前身となる組織で戦闘機の開発に貢献した黒人女性たちは、戦争の終了とともに宇宙開発に従事することなり、その貢献はやがてアポロ計画へとつながっていく。
ドキュメンタリー形式で描かれているため、登場人物が多く、なかなか一人一人をしっかり把握はできないが、数学を得意としていた女性たちの活躍は感じられる。また、その一方で、彼女たちの有能さだけでなく当時の黒人に対する差別の大きさも見えてくる。そしてそんな逆境のなか、黒人の評価をあげようと尽くした彼女たちがなんともかっこいいのだ。
女性は数学が苦手などという固定概念は一体誰が生み出したものなのだろう。本書を読めばそんな考えはなんの根拠もないことがわかるだろう。
映画化もされているのでぜひそれも見てみたいと思った。