「フランス人は10着しか服を持たない」ジェニファー・L・スコット

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
フランスへのホームステイを機に考え方を大きく変えた、カリフォルニア育ちのアメリカ人女性の話である。
昨今「断捨離」や「ミニマリスト」「ミニマリズム」という考え方が浸透してきたが、本書もそんな考えを後押しするもの。つまり、物質主義にお分かれして「自分らしい生き方をしよう」ということである。ホームステイ先の家庭で、それまでのアメリカでの生活とはまったく異なる生活があることを知った著者はすこしずつその生活を取り入れて行くうちに、あるべき姿に気付いて行くのだ。
まず著者は、それまで持っていた大量の服のなかから本当に自分らしい物だけを残して捨てることにするのである。また、毎日化粧に多くの時間を費やすことを辞め、スナック菓子を食べながらテレビを見て過ごす事を辞めたのである。それによって彼女は、本当にいいものだけを持とうとするようになり、読書や散歩や美術鑑賞をすることに時間を費やすようになり、人生が満ち足りて行くのを実感するのである。
本書でもひしひしと伝わってくるが、このような生き方の本質は持ち物をなくすことではなく、本当に必要な物だけを持つ事であり、人生はそれによって豊かになる、ということである。
僕自身の生き方と似ている部分がかなりあったが、身習いたいと感じる部分もたくさんあった。例えば、小さなものでもいいものを持つということ。小さなものだから安いもので間に合わせるのではないのである。また、部屋の中でも常にしっかりとした装いをすることや、家族への料理でさえもしっかりとした盛りつけをするというのも真似したいと思った。どんな服を着るかなど、すべての振る舞いが相手への敬意なのだそうだ。
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