「I AM ZLATAN ズラタン・イブラヒモビッチ自伝」ズラタン・イブラヒモビッチ/ダビド・ラーゲルクランツ

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
スウェーデン代表のサッカー選手ズラタン・イブラヒモビッチがそのサッカー人生を語る。

アヤックス、ユベントス、インテル、バルセロナ、ミランなどの強豪チームで活躍し、母国スウェーデンでは英雄といえるほどの地位に上り詰めた著者のこれまでのサッカー人生を描いている。どちらかというと熱い選手なので、嫌いなサッカーファンも多いのではないだろうか。僕自身もどちらかというと冷静にプレーする選手に魅力を感じるほうで、試合中に熱くなりレッドカードをもらうような選手は好きではない。そんな見方もあって、今回こういうタイプの選手はどのように選手人生を歩んでいるんだろう、と興味を持った。

さて、本書ではサッカー選手として頭角を表すまでと、その後いくつかの有名サッカーチームで活躍する様子を描いている。なんといっても興味深いのは、どちらかというと著者にとっては失敗と言える移籍と言えるスペインのFCバルセロナ時代についての話である。監督グアルディオラとは著者をベンチに置いたまま使おうとしないで、しかおその理由を説明しようともしない。そんなグアルディオラに苛立ち、やがてクラブを去るという決断をするまでを著者目線で説明している。

FCバルセロナのしかもグアルディオラの時代はまさに黄金時代だったので、さぞかし選手の心を掴むのがうまい監督なんだと思っていたのだが、1選手からはここまで無能な監督として捕らえられている点が面白かった。

そのほかにもサッカー選手としてだけでなく、妻との出会いなどの人生の大きなイベントについている書いている。全体を通して読んでみると、世の中が思っているほど傲慢で独りよがりな人間ではなく、様々なプレッシャーや葛藤を力に変えて成功した人物だと言うことがわかる。

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