「鴨川ホルモー」万城目学

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
京都大学に入学した安倍(あべ)は新歓コンパで同じ新入生の女性に惹かれて京大青龍会という怪しいサークルに入会する。2年に1度しか新入生を受け入れないという不思議なサークルの秘密が少しずつ明らかになっていく。

鹿男あをによし」から連続して著者万城目学の世界に浸ることとなった。今回も舞台は関西で京都である。日本の歴史に深く関連づけられた物語のように見えながらも、破天荒な世界に引き摺り込む、というのが万城目学の世界の共通点らしい。

サークルの真実の姿を知った安倍(あべ)はやがて好奇心から鴨川ホルモーへと参加することとなる。新歓コンパで一目惚れした早良京子(さわらきょうこ)との恋愛や、同じ京大青龍会の1年生でありながら中の相容れない芦屋(あしや)との諍いなどもありながら決戦へと向かうのである。

面白くないこともないことはないし、どこかほっこりしたりにやけてしまうというのも否定できない。しかし、僕自身は読書という行為に、物語の面白さだけではなく知的好奇心も期待しているのである。そういう意味では、万城目学作品は日本の歴史に基づいているような気配を漂わせながら実はほとんど関係ない、という展開になることが多いようで、微妙にがっかりさせられるという印象である。

少なくとも万城目学作品は連続して読むものではないなと感じた。

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「鹿男あをによし」万城目学

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
突然奈良の女子校で先生をすることになった小川(おがわ)の不思議な体験を描く。

女子校で期間限定で先生をやるという羨ましいのかつらいの判断し難い設定で物語は始まる。赴任初日から堀田(ほった)という生徒を中心に思春期の女生徒たちに翻弄されるとともに、奈良公園のシカとの不思議な交流によって、小川(おがわ)は人類を救う重要な役目にも関わることになる。

中盤からは、顧問となった剣道部の活動と、大阪と京都にもある姉妹校との対抗戦である大和杯によって、小川(おがわ)がシカから託された使命は少しずつ複雑になっていく。

本書の魅力は、個性豊かな登場人物だろう。特に際立つのは女生徒の堀田(ほった)の存在である。初日に遅刻の言い訳をしたことから小川(おがわ)は常にその動向を意識をしてしまう。

本書はドラマ化されており、多部未華子が堀田(ほった)の役を演じていたが、あらためて原作を読むとハマり役だと感じた。

奈良にはなぜ鹿がたくさん住んでいるのか。また、先生の一人が考古学を趣味としていることから、卑弥呼の墓の話が登場し、卑弥呼とはどこまで存在が確認されているのかなど、日本の神話や歴史にあらためて興味をむけてくれた。また、物語としては何よりもシカが話すという設定が新鮮で、著者の他の作品も何冊が読んでみたいと思った。

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