「ローザ・パークス自伝」ローザパークス

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
公民権運動の母と言われるローザ・パークスがその人生を語る。

ローザ・パークスとは、1955年に白人にバスの席を譲ることを拒否して逮捕された黒人女性で、その後大きな公民権運動のきっかけとなった人物である。先日読んだ「Quiet」のなかで、内向的な人が歴史を変えた例としてローザ・パークスの名前が挙がっていたので本書にたどり着いた。

本書では、ローザ・パークスの幼い頃からの家族や親戚との様子を時系列で語っていく。その中で奴隷解放のあとも引き続きたくさんの黒人に対する差別が行われてきたことがわかる。正直、自由の国を謳うアメリカという国でなぜつい最近までこんなことが平然と起こっていたのか不思議である。

やがて、物語は1955年のローザ・パークス逮捕とその後の出来事について語るのである

初めてこの物語を聴いた時、ローザ・パークスのとった行動は、日常の中で一般的な黒人女性に起こったことのように見えた。しかし、実際には彼女の夫は早くから黒人の権利を勝ち取る運動に関わっていて、ローザ・パークス自身にも、公民権に関する強い意志があったのだということを知った。

また、それまでにも白人とのトラブルから大きな運動に発展させられる出来事がないかを、常に黒人の権利を求める行動をしていた人々が探していたことも初めて知った。つまり、素行不良の黒人が白人とトラブルを起こしても大きな運動のきっかけにはならないが、ローザ・パークスのような前科も素行不良もなく真面目な女性であることが多くの人々の心に触れると考えて、黒人の権利を求める人々が利用したのである。

公民権運動を扱った物語に触れると毎回思うことだが、むしろ、自分達の権利のために行動した黒人たちより、そのままの状態のほうが自分達の権利が守られるのに、他の白人たちからの敵意を恐れずに黒人の権利拡大に手を貸した一部の白人たちの行動に心を動かされる。こういう白人たちの行動はそれほど多くは語られないが、本書でも描かれているし、映画にもなった物語「The Help」でも語られている。そのような、自分の利益よりも正しいと感じることに従って生きられる人間でありたいと改めて思った。

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