「30キロ過ぎで一番速く走るマラソン サブ4・サブ3を達成する練習法」小出義雄

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
高橋尚子の指導者として有名な著者がその練習法を語る。

最近膝の調子が良く、また定期的にジョギングができるようになったので、そのジョギングの時間の密度を向上したく思い、マラソン関係の本を漁る中で本書にたどりついた。

本書は大きくサブ4向けとサブ3向けの練習メニューや考え方が書かれている。なかでも特徴的なのがすべての練習において後半にペースを上げることを重視している点である。サブ4は足づくりだけで達成できて、「心肺の強化」は必要ないとしている。練習はジョギング 、ビルドアップ、タイムトライアル、長く走るの4つの練習を繰り返し、基本的な考えは次の内容になる。

1.一週間に3日、足や心肺に負荷をかける練習日をつくる。残り4日のうち2日はジョギングで、2日は休み。
2.平日の練習時間はだいたい60分で。うち1日はポイント練習日にする。
3.土日はともにポイント練習日。うち1日は長い距離を走る。
4.3ヶ月のうち、最初の10週を通常練習、最後の3週を調整練習の期間とする。
5.通常練習の10週間は2週ごとに強度を強め、逆に調整練習の3週間は1週ごとに強度を弱める。

一方でサブ3を目標とした場合、インターバル走やペース走を含めた構成としてしており、次のような考え方で練習メニューを組むのを進めている。

1.一週間に3日、足や心肺に負荷をかける練習日をつくる。残り4日のうち3日はジョギングで、1日は休み。
2.平日でも、場合によっては練習時間が2時間ぐらいかかる日がある。
3.土日はともにポイント練習日。うち1日は長い距離を走る。
4.3ヶ月のうち、最初の10週を通常練習、最後の3週を調整練習の期間とする。
5.通常練習の10週間は2週ごとに強度を強め、逆に調整練習の3週間は1週ごとに強度を弱める。

最近いろんなところで議論が起きるLSDについては、著者はLSDという言葉は使っているが、単に長く走ることを指しており、一般的に言われるLSDのようにゆっくり走ることは意図していないようである。

具体的な練習メニューのほかに、オリンピックメダリストの有森裕子や高橋尚子とのエピソード、それ以外にも小出道場の練習生のレース完走記を紹介している点が面白い

【楽天ブックス】「30キロ過ぎで一番速く走るマラソン サブ4・サブ3を達成する練習法」

「マラソンは毎日走っても完走できない 「ゆっくり」「速く」「長く」で目指す42.195キロ」小出義雄

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
高橋尚子をオリンピック金メダルに導いたことで有名な、小出義雄監督が、マラソン初心者がやりがちな間違えや、効果的に記録を伸ばすためのトレーニングを紹介する。

なんといっても本書の帯のコピー「マラソンの練習が分かっていないから30kmあたりで歩いてしまう人が多いんだよね」。この言葉にやられてしまった。実際僕が唯一挑戦したフルマラソンは26km付近で失速。その後は歩いてゴールするのがやっと。毎週のようにスカッシュやサッカーをやっていて体力に自信のある僕のよこを、おそらくマラソン以外のスポーツなど一切していないだろう年配の人たちが最後はどんどん抜いて行くのだ。恐らくマラソンに対する考えを間違えていたのだろう、と漠然と感じさせてくれる経験だった。

さて、本書のなかにはその答えに近いものが書かれている。一度もフルマラソンになど挑戦したことのない人が思い描く「マラソン」とは、せいぜい学生時代の校内マラソンの延長で、5キロかせいぜい10キロ程度なのだろう。そういう人は、肺活量を鍛えるためにひたすら走りがちだが、本書ではむしろ「足をつくる」ということを重視している。

肺活量はたしかに勝負のなかでは疎かにできなものなんだろうが、完走という目標をもっているひとにはたしかに優先度の低いものなのだろう。本書では、「足をつくる」ことを意識しつつ、その目標をハーフマラソン、フルマラソン、と、目標となるレース別にメニューを紹介している。

個人的には、そのトレーニングが、どの筋肉を鍛え、どういう状況で役に立つか、といった内容が書かれていなかったのが残念だが、それでも、読めばいやでもモチベーションがあがってくるに違いない。
【楽天ブックス】「マラソンは毎日走っても完走できない 「ゆっくり」「速く」「長く」で目指す42.195キロ」