「上海タイフーン」福田靖

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
美鈴は大手アパレルメーカーに勤める28歳。上海出張での苦い経験をきっかけとして会社を辞めて新たなキャリアをスタートさせようとするが、思うように進まない。やがて美鈴は因縁の地、上海での再出発を決断する。
自信過剰で自分は仕事が誰よりもできると疑わない美鈴が、厳しい現実に直面し、人との出会いによって少しずつ成長する様子が描かれている。最初は中国人や中国という国を見下したような態度を取りながらも徐々に変化していく。美鈴(みすず)の上海の生活の中に大きな影響を与える、花屋を営む香(かおる)や中国と日本のハーフである真里(まり)が物語に彩り(いろどり)を添えている。
ただ、残念ながら美鈴(みすず)の成長過程の心情描写が乏しく感情移入しずらいうえ、例えば中国人に対して心を開くシーンなど、心境の変化などに説得力が感じられない、福田靖という作家は本来脚本家ということだが、それゆえに生じる違和感なのかもしれない。とりあえず、現時点では、好きな女優の一人である木村多江が本作品のドラマ化にあたって主演するという点のみが楽しみである。
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