「トリガー自分を変えるコーチングの極意」マーシャル・ゴールドスミス

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
大人になると、習慣を変えたりすることは難しくなる。しかし人生は、ほんのわずかな出来事に対してどう振る舞うかで大きく変わったりするもの。同僚との接しかたや、家族との接しかたなど少し改善するだけで人生は大きく変わるのだ。そんな大人のための変わるための方法を語っている。
僕自身は比較的いろんなことを学べる方だと思っているのだが、そのモチベーションの出所がわからず、また、普段から教育について非常に関心があることもあり、本書の内容が教育の分野に活かせるのではないかと思って手に取った。
著者はコーチングの第一人者で、世界的大企業の経営者たちの習慣を変えるための手伝いをすることを仕事としている。冒頭でまず、大人が変われない理由としてよくあるものをいくつか挙げている。どれも怠け癖の付いている人にとっては耳の痛いものだろう。そんななかでもこれが実はもっとも多くもっとも気をつけなければならない気がした。

変わりたいと口では言っても、本心変わろうとしない人がいる。

また、僕の周囲にはこんな状態に陥っている人もよく見かける。

失敗したり、負けたりして落ち込んだとき、わたしたしは「少なくとも・・・よりはマシだ」と自分に言い聞かせる。世界で最低というわけじゃない、と自分を慰める。それはモチベーションと自制心のハードルを下げて、気分を楽人するための言い訳だ。

中盤以降は事例を交えて成功例とその方法を説明してくれてはいる。結局何かを変えようと思った時に一番有効だと思った方法は、著者自身も取り入れているもので、毎日自分自身に質問をするというもの。例えば著者が毎日している質問は次のようなものだ。

今日はどのくらい有意義な日だったか?
今日の体重は?
リダ(著者の妻)に、何か優しいことを言うか、するか、したか?
幸せになろうと最大限努力したか?
人生の意義を見つけようと最大限努力したか?
健康的な食事をしようと最大限努力したか?
よき夫になろうと最大限努力したか?

変わりたいと思った時に意識することは簡単だが、毎日自分の行動を見直して問いかけるということは非常に難しい。常にチェックシートを持っているような感覚で、日常的に目にする場所に置いておくことで少しずつ改善し、やがてはそれが自然の行動として身につくのだろう。
大人になって成長を止めてしまった多くの人に読んだほしいと思った。
【楽天ブックス】「トリガー自分を変えるコーチングの極意」