「シューマンの指」奥泉光

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
指を失ったはずの天才ピアニスト永嶺修人(ながみねまさと)がピアノの演奏を再開したという。彼は確かに指を失ったはずなのに。里橋優(さとはしゆう)は封印していた記憶を辿り始め再び音楽に向き合う決心をする。

物語はミステリーの様相を呈しているが、音楽に傾倒する里橋優(さとはしゆう)と永嶺修人(ながみねまさと)の様子を描いているので、そのなかでシューマンの音楽についての議論が多く展開される。正直、音楽を本格的にやってない人間にとってはほとんど意味がわからないだろう。ただ、音楽は追求すれば奥の深いものだと言うことだけが伝わってくる。

シューマンという作曲家は名前しか知らないが指が不自由だと言うことを本書を読んで初めて知った。

ミステリーとしては一般的な範囲のものだろう。そこで展開される音楽論を好意的に受けるとかどうかで読者の受け取り方はかなり変わるだろう。個人的には、音楽論はほとんど理解できなかったが、それでもここまで音楽を論じることができたら楽しいだろうと感じた。

【楽天ブックス】「シューマンの指」
【amazon】「シューマンの指」

「シューマンの指」奥泉光

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
語り手「私」は、古い友人から指を失ったはずの天才ピアニストの長嶺修人(ながみねまさと)が復活したことを聞く。信じられない思いから、長嶺修人(ながみねまさと)が指を失うまでの出来事を振り返る。
物語は、音楽に青春をかけた3人の男子高校生、語り手である「私」、長嶺修人(ながみねまさと)と鹿内堅一郎(しかうちけんいちろう)を中心に進む。圧倒的に音楽的能力の高い長嶺修人(ながみねまさと)が2人に持論を語るなかで、音楽には僕ら一般の人間が理解できないような、音楽家だけがわかる世界があることが伝わって来る。シューマンを中心に作曲家のことを語るシーンが多く、音楽の知識が少ないことを残念に思う一方で、実際に作曲家やその音楽について知識を持っている人ならどの程度本書で長嶺修人(ながみねまさと)が語っていることに共感するのだろうかと興味を持った。
そして、ある春休みの夜、3人が目撃した殺人事件を機に物語は動き出すこととなる。
音楽という要素を多く含む点は新しく、いろんなクラシック音楽を聴いてみたいと思わせてくれたが、結末はありがちな展開に感じてしまった。
【楽天ブックス】「シューマンの指」