「世界で一番いのちの短い国」山本敏晴

オススメ度 ★★★☆☆ 4/5
アフリカのシエラレオネで、国境なき医師団の一員として働く著者がその日々の生活の様子を語る。
シエラレオネとはどんな国なのか。日本人にとっては、エジプトと南アフリカ以外のアフリカの国はどこも貧しいというイメージで同じなのかもしれない。しかし、本書によると、そのタイトルにもあるように、平均寿命最短、乳児死亡率最悪、妊産婦死亡率最悪など世界一悪い医療統計記録を多数保持しているという。
そんな貧しい国で、毎日人々を救っていると聞くと、ものすごくかっこいい話のようにも聞こえるが、本書で描かれる著者の日常の様子は本当に命がけである。HIV感染者や多くの伝染病が蔓延しているにも関わらず、手を洗うための水さえ手に入れることが難しいのである。
中途半端な気持ちで、「いつか発展途上国で医者として活躍したい」などと思っている人は、実際に行動を起こす前に本書を読んで観た方がいいかもしれない。
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