「ファントム・ピークス」北林一光

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
長野県の山中で半年前に行方不明になった女性の頭蓋骨が発見された。夫の三井周平(みついしゅうへい)は妻の原因不明の死の真相を知りたいと願いその後も頻繁に現場に足を運ぶ。そんな中、さらに女性が行方不明になる。
序盤に、一人ずつ女性が行方不明になるシーンは、大自然の中にある非科学的なものの存在を感じさせる。なにか得たいの知れない生き物が潜んでいるのか、本人が自ら行方をくらましたのか、それとも一緒にいた男がその女性を殺害したのか。やがて、その捜査線上には一匹の獣が浮上する。
謎めいた事件が起きて、その原因が明らかになり、人々がその原因に対して挑戦する、と物語の展開としては非常にオーソドックスであるが、オーソドックスであるからこそしっかり読者を引き込む力を備えている。何か書けば即ネタばれになりそうで書けないが、一気読みできる一冊である。
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