「The Song of Achilles」Madeline Miller

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
Patroclusは親の期待に応えることができず、知り合いの息子を誤って殺害したことで追放され、そこでAchillesと出会うのである。

PatroclusとAchillesが出会い、PatroclusはAchillesの美しさと強さに惹かれていく。やがて、スパルタの王Menelausの妻で絶世の美女であるHelenがトロイの王子パリスに連れ去られたことによりギリシャ軍とトロイ軍の間でトロイア戦争が始まる。AchillesとPatroclusはどちらもAchillesの母Thetisによって、トロイア戦争で自分達が死ぬと知らされながらも、栄誉のために参加を決意するのである。

常に強い存在感を示すのがAchillesの母で神に近い存在のThetisである。人間であるPatroclusを嫌うThetisは一方で息子であるAchillesの人生を常に見守り、その人生を良い方向に導こうとするのである。子離れできない母が神に近い存在だからなんともタチが悪い。

やがて、トロイア戦争はAgamemnonとAchillesの衝突によって、少しずつトロイア軍が優勢になっていく。Patroclusは自らのプライドを優先しようとしないAchillesのせいで多くの戦友が戦死していく様子に苛立ちを感じ始めるのである。

トロイア戦争の流れはの大きな流れは変わらない。しかし、AchillesとPatroclusの心の葛藤を中心に描かれている点が新しい。その一方で、それぞれの重要な戦いはなんともあっさり進む。たとえばAchillesとHectorとの戦いも例外ではない。

トロイア戦争という、神話の中でも有名な出来事で、結末も分かりきっている物語である。それにもかかわらず視点を変えるだけでここまで新鮮に面白く描けることに改めて驚かされた。