「三体」劉慈欣

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
各地で科学者たちの自殺が相次いでいる知った、ナノテク素材の研究者である汪森(ワン・ミャオ)だが、ある日自身も目の前にカウントダウンの数字が見えるようになる。

汪森(ワン・ミャオ)のカウントダウンから逃れようとする現代の様子に先んじて、文化大革命で科学者の父を亡くした葉文潔(イエ・ウェンジエ)が描かれ、時代を超えた大きな陰謀が陰謀が少しずつ形になっていくことを感じさせる。そんななか、汪森(ワン・ミャオ)は「三体」という仮想空間を舞台にしたゲームに魅せられていく。そこでは太陽が3つ存在し、その太陽の動きによって文明は何度も滅亡を繰り返すのである。

やがて、謎のカウントダウンから逃れようと奮闘する汪森(ワン・ミャオ)は、文潔(イエ・ウェンジエ)の存在を知り、そ少しずつ中国の田舎にある秘密の施設で過ごした文潔(ウェンジエ)の日々が明らかになっていく。

印象としては、本作品はまだ序章といった感じで、大きな展開はほとんどない。評価があまりにも高いためにちょっと拍子抜けした感じである。もちろん続編を読まなければ「三体」という作品自体の評価はできないが、長ければ良いと言うものでもなく、どの程度描きどの程度を読者に委ねるかと言うバランスが重要で、もう少しコンパクトに書けるのではないかと感じてしまった。

もし「三体」こそ最高のSFと思っているなら、個人的には鈴木光司の「ループ」をオススメしたい。「リング」「らせん」があまりにもホラーとして一人歩きしてしまったが、その完結編の「ループ」こそ日本の最高のSFである。

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投稿者: masatos7

都内でUI / UXデザイナー。ロゴデザイナーをしています。

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