「Malibu Rising」Taylor Jenkins Reid

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
カリフォルニアの海辺の街Malibuでレストランを経営しながら生活するNina, Jay, Kitの4人の兄弟を描く。4人は恒例行事となったパーティの準備を進めることとする。

著名なサーファーでかつプロテニス選手との結婚していたNinaは、夫との破局直後だったため、パーティで人に顔を合わせるのが憂鬱な状態であった。そんなNinaを気遣って弟たちJay, Hud, Kitはパーティの準備を手伝いつつ、Ninaを外に連れ出そうとする。

パーティの準備が進む中で、少しずつ4人の兄弟の置かれた状況が明らかになっていく。彼らの父親は著名なアーティストですでに何年も前に家を出てって帰ってきていないこと。Hudは実は同じ母の子ではなく父親が別の女性と作った子であること。また、数年前に母が突然亡くなって、それ以来、長女のNinaが学業などあらゆることを我慢して3人の兄弟の面倒をみているということである。

特にNinaの生き方が印象的である。Ninaは弟たちの学費や、家事のために自分の学業を諦め、また必要なお金を稼ぐために世の男性の下心ある視線にさらされることを知りながらも自分の写真を世に出すことを決意したのである。

そんななかパーティが始まり、著名人たちがあつまってくるのである。さまざまなことが同時に起こる中で疲れ切っているNinaに友人のTarineがぶつける言葉が印象的である。

I suspect you have not lived a single day for yourself.
あなたは一日たりとも自分のために生きたことがないんじゃない?

そして、パーティにはやがて、長く帰ってこなかった父親までもが姿を見せる。4人は父の正直な思いを前に、長く抱えてきた思いをぶつけるのである。自分は父親にはなれなかったと語る父にぶつけるNinaの言葉が強烈である。

I didn't feel capable of any of that! But did that matter? Of course not. So I've gotten up every single day since Mom dies and I have done what needed to be done. Capable is a question I never had the luxury of asking.
私は自分ができるなんて思わなかった。でもそれが重要?もちろん重要じゃないわ。だからママが死んでから毎日起きてやるべきことをやった。私は「できるか?向いているか?」なんて自分に問いかける贅沢すら与えられなかった。

自らを犠牲にして誰かを支える生き方は、尊い生き方ではあるが、本人が幸せかどうかは別問題である。本人も周囲の人間も何が本当に最適な生き方なのかしっかり考えなければならないだろう。

やがてNinaもあるべき自分の生き方を悟っていく。

And Nina understood maybe for the first time, that letting people love you and care for you is part of how you love and care for them.
そしてNinaはおそらく初めて悟った。愛してもらったり世話してもらったりすることは、誰かを愛して世話することの一部でもあるということを。

良好な人間関係に必要なのは、自立や強さだけではないということである。

あまり出会ったことのない種類の物語で新鮮である。家族の愛の物語ではあるが、Nina目線だと自己犠牲側面も強くあり、考えさせられる。

英語新表現
with abandon 後先考えずに
stave off 食い止める、しのぐ
fend for ourselves 自力で切り抜ける
be in someone's hair 〜を煩わせる、〜にまとわるつく
be out on bond 保釈中である

「The Seven Husbands of Evelyn Hugo」Taylor Jenkins Reid

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
その人生のなかで7回の結婚をしたことで知られる大女優Evelyn Hugoに、伝記を書くように名指しで指名されたMoniqueはその理由に不信を抱きながらもその仕事を請けることとなる。そして、伝記を書くためのインタビュー取材を通じて少しずつEvelyn Hugoの人生が明らかになっていく。

もちろんフィクションではあるが、Evelyn Hugoの語るその人生を通じて、結婚や離婚が有名になるための一つの手段でしかないことを思い知らされる。また、映画のチケット販売を伸ばすために情報をコントロールすることを日常的にやっているんだろうと改めて思った。

やがて、取材からEvelyn Hugoが人生を通じて本当に愛していた人間が明らかになっていく。また、取材を通じてMonique自身にもその心や振る舞いに変化が生じていく。自らも夫と別居状態のMoniqueは自分自身の結婚生活にも区切りをつける決意をする。そして、最後には、なぜ、Moniqueをその担当者として指名したのかも明らかになるのである。

女性がこの著者を勧めることが多いので、本書も、ひょっとしたら女性の方がもっと感じる部分が多いのではないだろうか。特にEvelyn Hugoがスターとして活躍した60年代、70年代は、今以上に人種間差別は根強かっただろうし、またLGBTに対する理解も進んでいなかったことだろう。そんななか自らの本来の姿と、キャリアとの間で悩み生きていく女性の様子は、ひょっとしたら現代にも通じる部分があり、多くの女性の心を打つのかもしれない。

Taylor Jenkins Reidの本は本作が2作目である。前回読んだ「After I do」は比較的軽い印象を受けたので、本作とはかなり雰囲気が異なるのを感じた。他の有名作品もぜひ読んでみたいと感じた。

「After I Do」Taylor Jenkins Reid

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
学生時代に出会いそのまま結婚し数年が経ったLaurenとRyanは結婚生活がうまくいかないことに気づき1年間別々に過ごすことを決意する。

LaurenにはRachelという妹とCharlieという弟がおり、Laurenの良き家族として、その結婚生活を修復しようと努めるのである。やがて、LaurenはRyanのいない寂しさを乗り越え、新たな生き方を初めていく。そして、そんななか、自分たちは本当に結婚生活を続ける意味があるのか考え始めるのである。

そしてそんななか、弟のCharlieなどLaurenの家族にも大きな変化が訪れる。すでに夫を失って長いLaurenの祖母が語る言葉が重い。

Just because you can live without someone doesn't mean you want to.
誰かがいなくても生きられるからといって、一人で生きたいわけではないのよ。

最初は軽いラブコメディかと思ったが、読み進めるうちに人間関係を続ける上での学びが詰まっていることに気づかされる。

Why is it only the verge of losing something that we se how much we need it?
どうして失う間際まで私たちは大切なものの重要性に気づかないのだろう?
It's OK to hurt my feelings. It's OK to embarrass me. As long as you do it from love.
僕を傷つけても大丈夫。僕を辱めても大丈夫。それが愛からくるものであれば。
All the matters in this life is that you try. All that matters is that you open your heart, give everything you have, and keep trying.
人生に大事なのは挑戦すること。心を開いて、全力で努力し続けること。

著者の有名な本は他にもたくさんあるようなのでぜひ読んでみたい。

英語の難易度としてはかなり簡単な域に入ると思う。結婚式の表現(best manやbaby shower)など、知らなかった表現をいくつか学ぶことができた。