「Como agua para chocolate」Laura Esquivel

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
生まれた時から料理が大好きだったTitaだったが、末っ子だったため一生母親の面倒を見ることを運命づけられていた。そんな慣習の中で料理に情熱を注ぐTitaの人生を描く。

末っ子は母親の面倒を一生見なければならない、という古い伝統に縛られた家庭を、末っ子のTitaと母Mamá Elenaを中心に描く。そんななかTitaに恋をしたPedroは、Titaが結婚を許されていないことを知り、それでもTitaの近くにいるために、Titaの姉のRosauraと結婚することを選ぶのである。この決断によって複雑な関係が始まっていくのである。

そんな複雑な人間関係のなかで一生懸命生きるTitaやその姉妹とともに、調理の描写が細かいのが印象的である。本書を読むとメキシコの古いしきたりだけでなく、料理についても触れることができる。

スペインのスペイン語に慣れていると、メキシコのスペイン語を読むのが大変であるが、それに加えて調理方法や調理器具などに関する言葉が多くて読むのに苦労させられた。本書は「赤い薔薇ソースの伝説」「Like Water for Chocolate」として、映画化されて映画も高い評価を得ているようなので、機会があったら見てみたいと思った。

スペイン語新表現
pedir la mano de … 〜にプロポーズする、〜に結婚を申し込む
conciliar el sueño 眠りに落ちる
en balde 無駄に
por doquier どこでも、至る所に

和訳版はこちら

「営業の神様ヤマナシさんが教えてくれたこと」早崎郁之

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
不動産会社の営業として成績がふるわない早崎(はやさき)はある日、ヤマナシさんと出会い、営業に対する考えを変えていく。

売るために物件のスペックばかりを説明していた早崎(はやさき)がヤマナシさんの助言によって、少しずつお客の本当に実現したいことは何かに耳を傾けるようになっていく。

その後は早崎(はやさき)がさまざまなお客に対して同様の考えをすることで、営業の成績をあげていく。結局本書で重要なのは次のことである。

その人がその商品やサービスを通じて得たいと思っているもの。誰かに愛されること、受け入れられること、認められること。これこそが真の欲望、『スーパーウォンツ』なんだよ

営業だけでなくさまざまなサービスにおいてもよく聞く話ではある。ブランドのひけつについて書いた「Building a storybrand」にも、サービスをスターウォーズにたとえて、私たちはヨーダになるべきでルークルカイウォーカーになってはならない。という言葉があった。結局、成功するサービスは常にお客様が主人公であることを意識しているのである。

そしてそれを常に実行するために、本書の「スーパーウォンツ」ように、共通の言葉を与えているのは有益だろう。

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「日本一わかりやすい ひとり社長の節税 〜税理士YouTuberが“本音”で教える〜」田淵宏明

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
個人で仕事をしている人向けの節税方法について語る。

確定申告でかなりの税金をとられることから、他にも節税方法がないかと思っていたところで知人に本書を勧められた。

独立後の働き方としては、個人事業主として働くか、法人化するかという二つの選択肢があり、本書は基本的に法人化を進めており、全体的にも法人化したのちの節税方法について書いている。

大きな学びは、よく言われる年収1,000万円付近が法人化の目安、というのは特に信憑性がなく、年収500万円程度でも法人化した方が節税になるということである。

とはいえ、法人化した後の節税方法を知れば知るほど、考えなければいけないことが複雑になっていくという点が非常に悩ましい。法人としての税金計算に加え、個人としての計算も必要になり、単純に考えても計算にかかる手間が二倍以上になる。また、それを税理士に依頼するとさらに複雑になり、法人化すると税務調査が入る可能性も大きく高まるという。

漠然と法人化したのちのイメージはついたが、なかなか手間を考えると簡単には決断できないと感じた。人生の豊かさは持っているお金だけでなく、どれだけ生活を単純化するかにも大きく依存すると感じているので、節税のためとはいえむやみに人生を複雑にすべきではないだろう。

本書はすでに法人化を決断した人が読むと、使える情報にたくさん出会えるかも知れない。

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「The Perks of Being a Wallflower」Stephen Chbosky

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
高校生のCharlieが日常の出来事を日記に綴っていく。兄や姉や家族の話や、高校の友人たちの話を語る。

前半は、本当に普通の高校生が日常を綴っているという印象である。基本的には仲のよいPatrickと大好きなSamを描くことが多い。他にもさまざまな高校の友人たちが描かれ、Charlieが描く友人たちが、みんな非常に優しい人たちなのが伝わってくる。ただ、高校生活の些細な出来事が多く、なかなか物語が大きく動かないので若干飽きてしまうかもしれない。

しかし、中盤以降、少しずつCharlieが、普通の高校生とは少し違った感覚の持ち主で、過去の出来事によって心に大きな傷を抱えていることがわかってくる。そして、Charlieが日記をつけ始めたのは、精神科医に勧められて始めたということである。

やがて、Charlieは周囲の家族や周囲の友人たちの支えもあって、少しずつ自分の人生に向き合うようになっていくのである。

作品としては映画化もされており、大きく評価されてはいる。しかし、読んでみるとそこまで本を読み慣れている人に響く作品には感じられなかった。どちらかというと、その日記というスタイルから、主人公のCharlieと同年代の十代の若者の共感を集めたのだろうと感じる。

一方で高校生であるCharlieが日記をつづる、というスタイルの物語なので、時々出てくる高校生らしいスラング以外は出てくる英単語は非常に簡単である。

英語新表現
somebody's crush 誰かの片思いの人
designated hitter 指名打者
do acid 幻覚剤を摂取する
behind by one run 一点差で負けている
the beer starts to hit him ビールで彼は酔っぱらい始めた
second string 補欠(2番手)選手

「El cuco de cristal」Javier Castillo

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
心臓移植で命を救われたCora Merloは、自分の命を救ってくれたCharlesがどんな人生を送ってきたのかを知るためにCharlesの故郷のミズーリ州Steelvilleを訪れることとなる。しかし、Steelvilleでは未解決の行方不明事件が繰り返し起こっていた。

物語としては、CoraとCharlesの兄のJackが、行方不明の事件の真実に迫っていく様子を描く現在の様子と数年前の様子を交互に描いている。CoraはドナーであるCharlesの生前の様子を知るためにSteevilleに滞在し、そのなかで偶然行方不明のこどもを発見したことから事件に巻き込まれていくこととなる。一方Jackは、CoraのドナーとなったCharlesを弟に持つだけでなく、行方不明者を捜索していた警察官だった父親も失踪しているという過去を持つのである。

現代と並行して描かれる過去の物語では、失踪前のJackの父のEdwinが、子供の頃に行方不明になった姉を探す様子を描く。姉は田舎町の生活に嫌気が出て家族も顧みずに出ていった、と思っていたEdwinだったが、警察官として町の事件の解決に奔走する中で姉と思われる写真を見つけ、姉は実は拉致され殺害されていたのではないかという疑いが濃くなるのである。

Edwinの姉が行方不明になった1980年とEdwinが警察官として行方不明者の捜索に奔走する2000年、そしてCoraとJackがEdの父親Jackを含む行方不明者の謎に迫る2017年と、40年近くを隔てた3つの時代に起こった未解決行方不明事件の謎に迫るという、こんなに風呂敷を広げて大丈夫なんだろうかと思うほど謎満載の物語である。

マラガ生まれの著者のスペイン語の物語であるにもかかわらず舞台はアメリカという点がちょっと残念であるが、物語自体はしっかり楽しませてもらった。

スペイン語新表現
a hurtadillas こっそりと
de costado 脇腹から、横向きに
una camisa a cuadros チェック柄のシャツ
los juegos de mesa ボードゲーム
a merced de … 〜に翻弄されて、〜のなすがままに

「黒牢城」米澤穂信

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
第166回直木賞受賞作品。織田信長に反旗を翻して長岡城に立て篭もる荒木村重(あらきむらしげ)を描く。

時代小説ではあるが、本作品はこれまで出会ってきた時代小説と異なる新鮮な要素がある。まず、興味深いのが謀反を起こして籠城中という設定である。物語全体を通じても、ほとんど戦は起きない。むしろ、焦点となるのは、籠城という先の見えない状態の中で、すこしずつ疲弊していく民や、誰に従うべきかと考え揺れ動く武将たちの心や、自分の大将としての影響力を気に掛ける村重(むらしげ)の葛藤である。

もう一つ興味深いが、小寺官兵衛(こでらかんべえ)という武将の存在である。村重の謀反を思いとどまるように進言しにきた小寺官兵衛(こでらかんべえ)は、その場で村重(むらしげ)に捉えられ牢に入れられたのである。しかし、しだいに大将として籠城を行う長岡城を統べる村重(むらしげ)が、唯一本音で語れる相手となっていくのである。

やがて、村重(むらしげ)は城内で起こっていた不可解な出来事の答えに辿り着くこととなる。そこで村重(むらしげ)はさまざまな考えを知るのである。

犬死をおそれる殿の気持ちも、わからないではございませぬ。…
されどわたくしはーーこの先も苦しみが続くと思いながら迎える死こそが、もっとも残酷と思うております。

著者米澤穂信作品は長く読み続けており、軽い雰囲気のミステリーを描いていた頃から知っているため、一人の作家の成長ぶりも併せて楽しませてもらっている。前回読んだ著者作品「可燃物」が評価の割に登場人物の人間味が薄く期待はずれだったため、本書もそれほど期待値は高くなかったが、同じ著者がここまで異なる雰囲気の作品を描けるのかと驚かされた。

昨今、今村翔吾垣根涼介などによって戦国時代を描いた歴史小説が一気に面白くなったが、本書もまったく引けをとらない。

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「親子で学ぶどうしたらお金持ちになれるの?人生という「リアルなゲーム」の攻略法」」橘玲

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
合理的に生きればお金持ちになれるとして、その方法を子供にもわかりやすく説明する。

全体的にはコスパやタイパ、複利の話などをわかりやすく説明している。常に合理的な考え方をしている人にとってはあまり新しい内容はないだろう。

しかし、本書でも繰り返し語られるように、世の中には不合理な人たちが溢れているのである。宝くじを買ったり、ギャンブルに大金を注ぎ込んだり、わずかなお金を節約するために多くの時間や労力を消費したりする人はたくさんいるのである。

全自動洗濯乾燥機や食洗機があるのに、毎日洗濯や食器洗いに1時間以上かけている人など数えきれないほどいるだろう。そういう人はお金の大小ばかりに目を奪われて、時間という有限の資源の重要性を理解できないのだ。

そういう意味では、本書のような本とともに、子供の頃から、一番大切で取り返しのつかないものは時間である、という考えを育てるのは非常に良いことなのかもしれない。

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「データサイエンス「超」入門 をウソと見抜けなければ、データを扱うのは難しい」松本健太郎

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
いくつかの事例とともにデータの読み方を語る。

最近の新聞記事を題材としてデータの見方を説明する。面白かったのはGDPの章である。GDPは経済成長について語る時によく出てくる言葉ではあるが、どれほどの人がGDPという数字の意味についてわかっているのだろう。本書では名目GDPや実質GDPなどの言葉から、GDPという数値が生まれた経緯も含めて説明している。

他にも失業率や貧困率、地球温暖化などのデータを題材としてその仕組みを説明している。

結局データをみる時に心に留めておくべきことは次の点だろう

聞き方が違うため、同時点のマスコミの各社の世論調査どうして支持率を比較しても意味がありません。マスコミそれぞれの支持率の推移に意味があります。
何ら偏っていない、真の精緻な世論調査はどこにあるのでしょうか?

つまり、データは常に多少の偏りがあり、質問や収集の仕方でいくらでも恣意的に示すことができるということである。

改めて、偏ってないデータなどは存在しいないこと、推移を示した時系列の連続したデータではなはない、一時的な調査結果を示したデータは疑ってかかるべきことを心に留めておきたいと思った。

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「看守眼」横山秀夫

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
警察や司法、報道に関わる人々を描いた6つの物語。

今回も横山秀夫の人間描写力が際立っており、わずか数ページの短編で登場人物の人間味が深く描かれている。物語の面白さというよりも、優れた人間描写術としてみると、本書のような短編集でも十分楽しめるだろう。

個人的に印象的だったのは三篇目の「口癖」である。家庭裁判所の調停委員のゆき江の物語で、調停に訪れた人が知っている人物だった、というものである。調停委員という職業について初めて知ったが、知人への出会いが、結果的にゆき江の娘の過去を明らかにするまでの流れも面白かった。

どの物語も、それほど大きな事件ではなく、原稿が見つからない、とか、ミスをバレないようにしたい、などむしろ世の中の誰にでも起こりうる小さな出来事から始まる。しかし一人ひとりの個人にとっては世間からみたら小さくみえる出来事が、その日の最大の挑戦なのである。そんなそれぞれが感じる緊迫感と共に描かれるから、どの物語からも分厚い人間味が感じられるのだろう。

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「A Dead Draw」Robert Dugoni

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
釈放されたErik Schmidtは、2人の女性を殺害した疑いがあり、Tracyの妹のSarhaを殺害したEdmund Houseと刑務所で親しかったという。出所したSchmidtは少しずつTracyに狙いを定めTracyの家族に接近し始める。

Tracy Crosswhiteシリーズの第11弾で、久しぶりに第一作目の大きな事件、妹のSarahの死や犯人Edmund Houseの話が登場する。

Schmidtに出会ってから過去の悪夢が復活し、射撃の腕にまで影響が出始めたTracyは、釈放されたScmidtから家族を守るために故郷のCeder Groveにしばらく滞在すこととする。また、その間なまった射撃の腕を回復するために、子供時代の射撃の先生であるMasonとその娘のLydiaとともにトレーニングに打ち込むこととなる。

しかし、そんななかSchmidtと思える男性が少しずつ夫のDanや娘の周囲に現れ、やがてTracyはSchmidtと、現在は廃墟と鉱山の町で対決することとなるのである。

久しぶりに犯人との直接対決というわかりやすい展開である。唯一興味深かったのはLydiaが自閉症で様々な能力に長けているにもかかわらず、人とのコミュニケーションを苦手とする点である。

英語新表現
chopped liver 無視される存在、おまけ扱い
horse around 馬鹿騒ぎする
put your asses on the line 命懸けでやる、全力でやる
tucker out 疲れさせる
easy peasy 楽勝
sass you back 反論する
belie the spite 悪意を隠す
refuse to give ground 一歩も引かない
I'm locked and loaded! 準備完了だ、行くぞ!
on the spectrum 自閉スペクトラム症(ASD)である

「信長の原理」垣根涼介

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
織田信長の生涯を描く。

織田信長といえば、戦国武将の中でももっとも有名な武将の一人である。しかし、その生涯を描いた物語にはこれまで漫画や映画も含めほとんど触れてこなかった。以前読んだ垣根涼介の「光秀の定理」が面白かったので、本書も、新しい視点を盛り込んだ歴史小説を期待して読むに至った。

そもそも織田信長という武将については、天下を初めて統一したこと、その後天下を統一した豊富秀吉や徳馬が家康に比べると非常に厳しい人格であること。そして、本能寺の変で明智光秀に裏切られて命を落としたことぐらいしか知らなかったので、細かい出来事はどれも楽しめた。

基本的には信長の生涯を時代の経過とともに描いているが、面白い試みとして、信長が常に世の中の不思議な法則に注意を向けている点である。5人の人間が集まれば、秀でているものは1人だけで3人は平凡になり1人は怠け者になるという、つまり現代はパレートの法則と呼ばれる法則である。「光秀の定理」ではモンティ・ホール問題が物語の鍵となっていたが、本書ではまさにこのパレートの法則が常に一貫したテーマとなっているのである。

物語は、信長目線だけでなく、のちの秀吉である木下藤吉郎や明智光秀目線でも展開する点も面白い。また、今村翔吾の「じんかん」でも描かれた松永弾正(まつながだんじょう)についても、非常に好意的に描かれているのが印象的であった。

終盤、信長の最期、つまり本能寺の変に近づくにつれて、光秀目線の物語展開が増えてくる。光秀側の正当化された光秀像が見えてくる。

いずれの出来事も、どこまでが歴史的な事実として明らかになっている出来事で、どこからが著者による新たな解釈なのかを知りたくなった。そのためには別の著者の書いた織田信長の物語に触れるしかないのだろう。人間の深みを感じるとともに歴史にも改めて目を向けさせてくれた。

【楽天ブックス】「信長の原理(上)」「信長の原理(下)」
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「人を動かす」D・カーネギー

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
人を動かす方法をさまざまな例とともに説明する。

中盤まで読んだあたりで、タイトルがかなり異なるので気づかなかったが、英語版の「How To Win Friends and Influence People」で読んでいることに気づいた。ただ、このような重要なことは何度読んでも読みすぎるということはないだろう。

それぞれの例や物語を読んだ方がさらに実感をともなって伝わることは間違いないが、重要な項目は目次として抜き出されている。

人を動かす三原則
盗人にも五分の理を認める
重要感を持たせる
人の立場に身を置く
人に好かれる六原則
誠実な関心を寄せる
笑顔を忘れない
名前を覚える
聞き手にまわる
関心のありかを見抜く
心からほめる
人を説得する十二原則
議論を避ける
誤りを指摘しない
誤りを認める
穏やかに話す
”イエス”と答えられる問題を選ぶ
しゃべらせる
思いつかせる
人の身になる
同情を寄せる
美しい心情に呼びかける
演出を考える
対抗意識を刺激する
人を変える九原則
まずほめる
遠まわしに注意する
自分の過ちを話す
命令をしない
顔をつぶさない
わずかなことでもほめる
期待をかける
激励する
喜んで協力させる

どれも新しいことではないが、常にできている人はほとんどいないのではないだろうか。人間関係でうまくいかないとき、この項目を見れば解決策が見つかるかもしれない。

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「Malibu Rising」Taylor Jenkins Reid

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
カリフォルニアの海辺の街Malibuでレストランを経営しながら生活するNina, Jay, Kitの4人の兄弟を描く。4人は恒例行事となったパーティの準備を進めることとする。

著名なサーファーでかつプロテニス選手との結婚していたNinaは、夫との破局直後だったため、パーティで人に顔を合わせるのが憂鬱な状態であった。そんなNinaを気遣って弟たちJay, Hud, Kitはパーティの準備を手伝いつつ、Ninaを外に連れ出そうとする。

パーティの準備が進む中で、少しずつ4人の兄弟の置かれた状況が明らかになっていく。彼らの父親は著名なアーティストですでに何年も前に家を出てって帰ってきていないこと。Hudは実は同じ母の子ではなく父親が別の女性と作った子であること。また、数年前に母が突然亡くなって、それ以来、長女のNinaが学業などあらゆることを我慢して3人の兄弟の面倒をみているということである。

特にNinaの生き方が印象的である。Ninaは弟たちの学費や、家事のために自分の学業を諦め、また必要なお金を稼ぐために世の男性の下心ある視線にさらされることを知りながらも自分の写真を世に出すことを決意したのである。

そんななかパーティが始まり、著名人たちがあつまってくるのである。さまざまなことが同時に起こる中で疲れ切っているNinaに友人のTarineがぶつける言葉が印象的である。

I suspect you have not lived a single day for yourself.
あなたは一日たりとも自分のために生きたことがないんじゃない?

そして、パーティにはやがて、長く帰ってこなかった父親までもが姿を見せる。4人は父の正直な思いを前に、長く抱えてきた思いをぶつけるのである。自分は父親にはなれなかったと語る父にぶつけるNinaの言葉が強烈である。

I didn't feel capable of any of that! But did that matter? Of course not. So I've gotten up every single day since Mom dies and I have done what needed to be done. Capable is a question I never had the luxury of asking.
私は自分ができるなんて思わなかった。でもそれが重要?もちろん重要じゃないわ。だからママが死んでから毎日起きてやるべきことをやった。私は「できるか?向いているか?」なんて自分に問いかける贅沢すら与えられなかった。

自らを犠牲にして誰かを支える生き方は、尊い生き方ではあるが、本人が幸せかどうかは別問題である。本人も周囲の人間も何が本当に最適な生き方なのかしっかり考えなければならないだろう。

やがてNinaもあるべき自分の生き方を悟っていく。

And Nina understood maybe for the first time, that letting people love you and care for you is part of how you love and care for them.
そしてNinaはおそらく初めて悟った。愛してもらったり世話してもらったりすることは、誰かを愛して世話することの一部でもあるということを。

良好な人間関係に必要なのは、自立や強さだけではないということである。

あまり出会ったことのない種類の物語で新鮮である。家族の愛の物語ではあるが、Nina目線だと自己犠牲側面も強くあり、考えさせられる。

英語新表現
with abandon 後先考えずに
stave off 食い止める、しのぐ
fend for ourselves 自力で切り抜ける
be in someone's hair 〜を煩わせる、〜にまとわるつく
be out on bond 保釈中である

「走り革命理論 今まで誰も教えてくれなかった「絶対に足が速くなる」テクニック」和田賢一

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
足の速さは才能ではないとし、ランニングとスプリントの違いとその習得方法を説明する。

僕自身ジョギングを趣味としており、最近では息子の走る練習に付き合ったりしているため、走るという行為をより論理的に理解したいと感じている。そんななか著者のYouTubeチャネルをみて基本的な考えは知っていたのだが、より深く理解したいと思い本書を手に取った。

本書はランニングよりもスプリント、つまり長距離よりも短距離に焦点をあてているが、個人的には効率よく走るための基本的な考えはどちらにも応用できると感じている。足の回転を増やすためにすべきことは、可能な限り地面への設置時間を短くすることであり、それをするためには本書のいう空中スイッチをすることである。

本書では効率の良い空中スイッチを習得するためのさまざまなドリルを説明している。改めて思うのは、新しい技術を身につけるためにはそれを表現する的確な言葉が必要ということである。例えば本書ではスプリントに必要なそれぞれの動きに対して次のような言葉を使用している。

  • アンクルホップ
  • 空中スイッチ
  • ベースポジション
  • 足首ロック

いずれも非常に良い言葉なのでぜひ使わせてもらおうと思った。

なかでも印象的だったのは腕振りの章である。

力んでしまう人への本質的なアドバイスは、「力を抜け!」ではなく、力を入れる”瞬間“のタイミングを明確に伝えることなんです。

ちょうど腕振りの効果を最大限に発揮できていないと感じていた時期だったので、腕振りの考え方は大いに参考になった。また、それぞれの考え方は息子とのかけっこトレーニングや自身のジョギングに取り入れたい。

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「El mentiroso」Mikel Santiago

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
数日の記憶を失ってた庭師のAlexは、記憶をとりもどすために自分の足取りを辿り始める。

金曜日の夜からの記憶のないAlexだが、わずかな記憶の中で隣で見知らぬ男が死んでいたことを覚えていた。自分の足取りを辿ると、記憶通りの使われなくなった工場があり、そこでは記憶と同じ男の遺体があった。そして、その男は著名な作家Félixという男であることを知る。自分が殺したかもしれないという不安のなか記憶の回復に努めるAlexは、少しずつその作家Félixが、地元の地域の秘密を小説として暴露しようとしていたことを知るのである。

記憶喪失モノというと宮部みゆきの「レベル7」や真保裕一の「奇跡の人」、最近だと「Project Hail Mary」など、小説では使い古された題材ではあるが、ハズレの少ない題材だけに、本作品も程よく楽しませてもらった。ただ、学びは残念ながらほとんどない。

スペイン語新表現
contra las cuerdas 窮地に立たされて、絶体絶命で、追い詰められて
tomar a pecho 深刻に受け止める、気に病む
morder el polvo (戦いなどで)敗れる、打ち負かされる、屈辱を味わう
de segunda fila 二流の、目立たない
bala perdida 厄介者、無責任なやつ、問題児、ろくでなし
hablar por los codos べらべらとしゃべる、とめどなく話し続ける

「東大卒キックコーチが教える本当に正しいキックの蹴り方」田所剛之

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
サッカーにおける正しいキックの蹴り方を、科学的に分析して説明する。

すでにサッカー歴を超えて長くプレーしているスカッシュで、最近理想に近いスイングに近づいたと感じている際、著者の登場しているYouTubeにたまたま出会い、改めてサッカーにおいてももっと効率の良い蹴り方があったのではないかと思い、将来の指導目的もふまえ本書にたどり着いた。

なかなか言葉だけで理論的に理解するのは難しいし、理論的に理解できたからといって即実践できるとは限らない。ただ、結局のところすべての野球のバッティング、サッカーのキック、ラケットスポーツのスイング等おいて必要なのは次の3点の考え方だろう。

  • 自然な振り子運動とムチのような動き
  • 回転と狙った方向を実現するための打点
  • 打点の重さ(本書では重さとしているが、実際には「硬さ」のほうがしっくりくる)
  • 空気抵抗によるマグヌス効果

印象的だったのは、スパイクの傾向なども考慮した利用的なインサイドキックの蹴り方である。スパイクに遊びがあるインサイドよりも踵よりで蹴った方が、足が硬いため、正確なインサイドキックが蹴れるというのである。

子供がサッカーをはじめたら、戦術だけでなく蹴り方も含めて、もう一度サッカーを理論的にやり直してみたいと思った。現在サッカーをしている人にもなにかしら一方上に進むためのヒントがあるかもしれない。

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「ユーモアは最強の武器である」ジェニファー・アーカー/ナオミ・バグドナス

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
ユーモアの重要性とさまざまな実験の結果や事例とともに説明する。

序盤はユーモアの有効性、特にビジネスシーンにおける必要性を語りながら、人々がユーモアを発揮にくくさせている4つの思い込みについて触れている。

  • 1.ビジネスは真面目であるべきという思い込み
  • 2.うけないという思い込み
  • 3.面白くなくちゃいけないという思い込み
  • 4.生まれつきの才能という思い込み

面白いのは、ユーモアを試みるだけでも、つまりつまらないユーモアだったとしても職場の雰囲気は大きく変わるということである。

中盤ではさまざまな有名企業でのユーモアの事例を挙げている。本書ではグーグルやピクサーの例を紹介しており、リーダーや会社のトップがどのようにユーモアを使い、社員のユーモアにどのように反応するかが、組織におけるユーモアの文化を決めていくのだということがわかる。

特に印象的だったのが、立場において使えるユーモアが変化するという考えである。立場が低い人は、自虐ネタよりも上司をいじるユーモアが有効な一方、上司は自虐ネタの方が安全なのである。言われてみれば納得であるが、ユーモアを効果的に使えるように気をつけたいと思った。

さっそく、生活の中で使うユーモアの量を少しずつ増やしていきたいと思った。

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「マインクラフト 革命的ゲームの真実」ダニエル・ゴールドベリ/リーナス・ラーション

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
現在では子供から大人まで多くの人に愛されているゲーム、マインクラフトをつくったマルクス・パーションの生活とマインクラフト立ち上げまでをの様子を語る。

マインクラフトというゲーム自体は名前は聞いたことあるものの実際にプレイしたことはなかった。以前プレイしたバーチャルワールドであるセカンドライフのようなものという印象を何となく持っていた。子供が幼稚園生になって園児のなかにもマインクラフトを日常的にプレイしている子が多々いるということで、改めてマインクラフトについて知りたくなった。

本書を読むとマインクラフトというゲームが、ただ単に開発者であるマルクスの試行錯誤だけでなく、さまざまな過去のゲーム開発者たちの考え方を結集してたどり着いた結果であることがわかる。漫画であればスラムダンクが大きくその後の漫画を変えたように、電話であればiPhoneが革命を起こしたように、マインクラフトもゲーム史の大きな革命を起こしたのだと感じる。

また、本書からはマルクスがお金儲けよりも自分の地位よりも、ただ純粋にゲームをプレイすることやゲームを作ることを楽しんでいる様子が伝わってくる。「Tomorrow and Tomorrow and Tomorrow」でも感じたことだが、本書のマルクスのように、ゲームが生活の一部になっている人たちの話に触れると、ゲームをプレイしない自分は人生をかなり損しているのではないかと感じてしまう。映画や漫画や小説と同じように、きっとゲームも楽しいことだろう。さっそくマインクラフトをインストールして触ってみたいと思った。

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「記憶に残る人になる トップ営業がやっている本物の信頼を得る12のルール」福島靖

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
リッツ・カールトン、アメリカン・エキスプレスを経て営業コンサルティングとなた著者が良い営業になるための秘訣を語る。

著者自身の営業としての哲学は一貫して、得るものやサービスを語るよりも、信頼できる人間になるということである。そして、同時にタイトルにあるように記憶に残る人になるということである。そのための方法として著者が実践していることを本書では解説しているが、なかでも印象に残ったのは「感謝」の方法を決めないの章である。

僕自身謝罪を感謝に置き換えられるなら可能な限り感謝の言葉を伝えたい、という考えではあるが、感謝を伝えようとすると、どうしても言葉で「ありがとう」と伝える以外の方法が思いつかず、その形の制約から伝えられる相手や状況が限られてしまっていた。だからこそ本書の

感謝の方法や対象にこだわってはいけない

は非常に印象的でぜひとも取り入れたい考え方である。実際、本書では名刺に感謝のメッセージを書いて渡したり、ゴミ箱に清掃員への感謝のメモを貼ったりするシーンが描かれていて、決して難しい行動ではないと感じた。

著者は次のようにも語っている。

  • 感謝されるようなことをするよりも、小さな感謝を伝えることで人の心は動く…
  • 「すべての人」に、感謝を伝えているだろうか?

もちろん人は感謝されるために行動しているわけではない。だからといって感謝を伝えない理由はない。ぜひ実践していきたいと思った。

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「蹴球学 名称だけが実践している8つの真理」Leo the football

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
著者がさまざまなサッカーを研究し、また自分のチームで実践する中で身につけた理論を説明する。

本書は8つの真理としてサッカーにおいて意識すべき次の内容を説明する。

  • 正対理論
  • ポイント論
  • サイドバックは低い位置で張ってはいけない
  • アピアリング
  • ファジーゾーン
  • トゥヘルシステム
  • プレパレーションパス
  • 同サイド圧縮

いずれも自分が現役のときに知りたかった内容ばかりである。今できることとして、息子がサッカーを始めた際には伝えたいと思った。こうやって日本のサッカーがレベルアップしていくのだ感じ、実際に日本のサッカーが国際舞台で結果を出していくのを目の当たりにすると、このような書籍の貢献度の大きさを感じる。

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