「El mentiroso」Mikel Santiago

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
数日の記憶を失ってた庭師のAlexは、記憶をとりもどすために自分の足取りを辿り始める。

金曜日の夜からの記憶のないAlexだが、わずかな記憶の中で隣で見知らぬ男が死んでいたことを覚えていた。自分の足取りを辿ると、記憶通りの使われなくなった工場があり、そこでは記憶と同じ男の遺体があった。そして、その男は著名な作家Félixという男であることを知る。自分が殺したかもしれないという不安のなか記憶の回復に努めるAlexは、少しずつその作家Félixが、地元の地域の秘密を小説として暴露しようとしていたことを知るのである。

記憶喪失モノというと宮部みゆきの「レベル7」や真保裕一の「奇跡の人」、最近だと「Project Hail Mary」など、小説では使い古された題材ではあるが、ハズレの少ない題材だけに、本作品も程よく楽しませてもらった。ただ、学びは残念ながらほとんどない。

スペイン語新表現
contra las cuerdas 窮地に立たされて、絶体絶命で、追い詰められて
tomar a pecho 深刻に受け止める、気に病む
morder el polvo (戦いなどで)敗れる、打ち負かされる、屈辱を味わう
de segunda fila 二流の、目立たない
bala perdida 厄介者、無責任なやつ、問題児、ろくでなし
hablar por los codos べらべらとしゃべる、とめどなく話し続ける

「東大卒キックコーチが教える本当に正しいキックの蹴り方」田所剛之

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
サッカーにおける正しいキックの蹴り方を、科学的に分析して説明する。

すでにサッカー歴を超えて長くプレーしているスカッシュで、最近理想に近いスイングに近づいたと感じている際、著者の登場しているYouTubeにたまたま出会い、改めてサッカーにおいてももっと効率の良い蹴り方があったのではないかと思い、将来の指導目的もふまえ本書にたどり着いた。

なかなか言葉だけで理論的に理解するのは難しいし、理論的に理解できたからといって即実践できるとは限らない。ただ、結局のところすべての野球のバッティング、サッカーのキック、ラケットスポーツのスイング等おいて必要なのは次の3点の考え方だろう。

  • 自然な振り子運動とムチのような動き
  • 回転と狙った方向を実現するための打点
  • 打点の重さ(本書では重さとしているが、実際には「硬さ」のほうがしっくりくる)
  • 空気抵抗によるマグヌス効果

印象的だったのは、スパイクの傾向なども考慮した利用的なインサイドキックの蹴り方である。スパイクに遊びがあるインサイドよりも踵よりで蹴った方が、足が硬いため、正確なインサイドキックが蹴れるというのである。

子供がサッカーをはじめたら、戦術だけでなく蹴り方も含めて、もう一度サッカーを理論的にやり直してみたいと思った。現在サッカーをしている人にもなにかしら一方上に進むためのヒントがあるかもしれない。

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「ユーモアは最強の武器である」ジェニファー・アーカー/ナオミ・バグドナス

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
ユーモアの重要性とさまざまな実験の結果や事例とともに説明する。

序盤はユーモアの有効性、特にビジネスシーンにおける必要性を語りながら、人々がユーモアを発揮にくくさせている4つの思い込みについて触れている。

  • 1.ビジネスは真面目であるべきという思い込み
  • 2.うけないという思い込み
  • 3.面白くなくちゃいけないという思い込み
  • 4.生まれつきの才能という思い込み

面白いのは、ユーモアを試みるだけでも、つまりつまらないユーモアだったとしても職場の雰囲気は大きく変わるということである。

中盤ではさまざまな有名企業でのユーモアの事例を挙げている。本書ではグーグルやピクサーの例を紹介しており、リーダーや会社のトップがどのようにユーモアを使い、社員のユーモアにどのように反応するかが、組織におけるユーモアの文化を決めていくのだということがわかる。

特に印象的だったのが、立場において使えるユーモアが変化するという考えである。立場が低い人は、自虐ネタよりも上司をいじるユーモアが有効な一方、上司は自虐ネタの方が安全なのである。言われてみれば納得であるが、ユーモアを効果的に使えるように気をつけたいと思った。

さっそく、生活の中で使うユーモアの量を少しずつ増やしていきたいと思った。

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「マインクラフト 革命的ゲームの真実」ダニエル・ゴールドベリ/リーナス・ラーション

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
現在では子供から大人まで多くの人に愛されているゲーム、マインクラフトをつくったマルクス・パーションの生活とマインクラフト立ち上げまでをの様子を語る。

マインクラフトというゲーム自体は名前は聞いたことあるものの実際にプレイしたことはなかった。以前プレイしたバーチャルワールドであるセカンドライフのようなものという印象を何となく持っていた。子供が幼稚園生になって園児のなかにもマインクラフトを日常的にプレイしている子が多々いるということで、改めてマインクラフトについて知りたくなった。

本書を読むとマインクラフトというゲームが、ただ単に開発者であるマルクスの試行錯誤だけでなく、さまざまな過去のゲーム開発者たちの考え方を結集してたどり着いた結果であることがわかる。漫画であればスラムダンクが大きくその後の漫画を変えたように、電話であればiPhoneが革命を起こしたように、マインクラフトもゲーム史の大きな革命を起こしたのだと感じる。

また、本書からはマルクスがお金儲けよりも自分の地位よりも、ただ純粋にゲームをプレイすることやゲームを作ることを楽しんでいる様子が伝わってくる。「Tomorrow and Tomorrow and Tomorrow」でも感じたことだが、本書のマルクスのように、ゲームが生活の一部になっている人たちの話に触れると、ゲームをプレイしない自分は人生をかなり損しているのではないかと感じてしまう。映画や漫画や小説と同じように、きっとゲームも楽しいことだろう。さっそくマインクラフトをインストールして触ってみたいと思った。

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「記憶に残る人になる トップ営業がやっている本物の信頼を得る12のルール」福島靖

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
リッツ・カールトン、アメリカン・エキスプレスを経て営業コンサルティングとなた著者が良い営業になるための秘訣を語る。

著者自身の営業としての哲学は一貫して、得るものやサービスを語るよりも、信頼できる人間になるということである。そして、同時にタイトルにあるように記憶に残る人になるということである。そのための方法として著者が実践していることを本書では解説しているが、なかでも印象に残ったのは「感謝」の方法を決めないの章である。

僕自身謝罪を感謝に置き換えられるなら可能な限り感謝の言葉を伝えたい、という考えではあるが、感謝を伝えようとすると、どうしても言葉で「ありがとう」と伝える以外の方法が思いつかず、その形の制約から伝えられる相手や状況が限られてしまっていた。だからこそ本書の

感謝の方法や対象にこだわってはいけない

は非常に印象的でぜひとも取り入れたい考え方である。実際、本書では名刺に感謝のメッセージを書いて渡したり、ゴミ箱に清掃員への感謝のメモを貼ったりするシーンが描かれていて、決して難しい行動ではないと感じた。

著者は次のようにも語っている。

  • 感謝されるようなことをするよりも、小さな感謝を伝えることで人の心は動く…
  • 「すべての人」に、感謝を伝えているだろうか?

もちろん人は感謝されるために行動しているわけではない。だからといって感謝を伝えない理由はない。ぜひ実践していきたいと思った。

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「蹴球学 名称だけが実践している8つの真理」Leo the football

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
著者がさまざまなサッカーを研究し、また自分のチームで実践する中で身につけた理論を説明する。

本書は8つの真理としてサッカーにおいて意識すべき次の内容を説明する。

  • 正対理論
  • ポイント論
  • サイドバックは低い位置で張ってはいけない
  • アピアリング
  • ファジーゾーン
  • トゥヘルシステム
  • プレパレーションパス
  • 同サイド圧縮

いずれも自分が現役のときに知りたかった内容ばかりである。今できることとして、息子がサッカーを始めた際には伝えたいと思った。こうやって日本のサッカーがレベルアップしていくのだ感じ、実際に日本のサッカーが国際舞台で結果を出していくのを目の当たりにすると、このような書籍の貢献度の大きさを感じる。

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「El jardín de las mujeres Verelli」Carla Montero

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
祖母のNonnaが亡くなったことで、バルセロナの祖母のレストランを片付けていたとGiannaとCarlosの兄妹はイタリアにも家があることを知る。それをきっかけに、祖母Aniceの人生に興味を持ち始める。

物語は現代のGiannaとCarlosが、店主を失ったレストランの片付けをするなかで見つけた遺品からイタリアの田舎町の風車小屋の鍵と古い日記を見つけたことで、自分の祖先である曽祖母Aniceの過去に興味を持ち始める。

一方、日記からは第一次世界大戦前の祖父母の生き方が少しずつ明らかになっていく。物語はそんなふうに現代と戦時の二つの時代を行き来しながら、また地理的にもバルセロナとイタリア北部の田舎町をを行き来しながら展開していく。

Giannaは交際していた結婚している男性との間に子供ができてしまったことで、建築家としてのキャリアを諦めるべきか子供を中絶すべきか悩むこととなる。そんななか少しずつ明らかになっていくAniceの生き方がGiannaに大きな刺激となるのである。

世の中の男女の不平等に触れながらも、女性らしい強い生き方を描く。

スペイン語新表現
la boca muere el pez 口は災いの元
estar patas arriba はめちゃくちゃである(足が上である)
patear las calles 徹底的に街を歩き探す
sin rodeos 単刀直入に
dar rienda suelta a 〜を思う存分発揮する(〜に自由な手綱を与える)

「Nightcrawling」Leila Mottley

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
父が亡くなり、母もいなくなった家庭で、兄のMarcusと生活をする17歳のKiaraの様子を描く。

Kiaraは兄のMarcusとともに生活していたが、家賃の値上げをきっかけに、アルバイトを探し始める。兄のMarcusは音楽家になる夢を捨てられずに仕事が続かないことから、やがてKiaraは自分の体を売ることとなる。そして少しずつ、大きな売春へと関わることとなっていく。

これまであまり黒人女性を描いた物語に触れたことがなかったので新鮮だった。Kiaraが自分や友人のために少しずつ体を売る生活をせざるを得なくなる点が印象的で、映画などで見る白人の豊かな生活はアメリカ社会の一部でしかないのだと感じた。あまり描かれることのないアメリカの貧困層の生活を知ることができるだろう。

英語新表現
neighborhood staple 近所になくてはならない存在
zip-tie 結束バンドで結ぶ
take a beat 一拍置く、少し間を置く
tug-of-war 綱引き

「THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法」ダニエル・コイル

★★★★☆ 4/5
優れたパフォーマンスを発揮するチームを作る方法をさまざまな実例とともに説明する。

昨今は心理的安全性などが多くの組織で語られるように、単純に優れた人間を集めただけでは組織は最高のパフォーマンスを発揮できないことはわかっているだろう。しかし、実際にそのような組織を作るのは簡単ではない。著者ダニエル・コイルは才能を育てることをテーマにした「The Talent Code」が印象的だったので、本書も組織作りに関しての新たな視点をもたらしてくれることを期待して手に取った。

本書は3つの章から成る。

  • 安全な環境をつくる
  • 弱さを共有する
  • 共通の目標を見る

一部の人間には「弱さを共有する」というのは新鮮かもしれないが、自分にとってはむしろこの言葉がこれまであまり語られてこなかったのが不思議なくらいである。本書ではチームのパフォーマンスは次の5つの要素の影響を受けるとしている。

  • 1.チームの全員が話、話す量もほぼ同じで、それぞれの1回の発言は短い
  • 2.メンバー間のアイコンタクトが盛んで、会話や伝え方にエネルギーが感じられる
  • 3.リーダーだけに話すのではなく、メンバー同士で直接コミュニケーションを取る
  • 4.メンバー間で個人的な雑談がある
  • 5.メンバーが定期的にチームを離れ、外の環境に触れ、戻ってきた時に新しい情報を他のメンバーと共有する

全体的に違和感ないが、それぞれ1回の発言の短さの重要性に触れている点が印象的である。つまり、中心人物が長々と演説をしているようではチームは育たないということだ。

最後の共通の目標を見るの章では、ジョンソン&ジョンソン、ピクサー、チャータースクールKIPPなどのさまざまなエピソードと共に、組織内で優先することを言葉として繰り返すことの重要性を伝えている。どんな組織でも使えそうな印象的な言葉がたくさんあったので、ここに挙げておきたい。

  • 問題を愛する
  • 門番ではなく使者になれ
  • 自分より賢い人を雇う
  • すべての人のアイデアを聞く

期待した通りいろいろな気づきを与えてくれる作品。会社だけでなく家庭でも今日から実践できることばかりである。一方で、リモートワークが普及する中で、これをオンラインで実現するにはどんな方法があるか、まだまだ試行錯誤が必要だと感じた。

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「THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す」アダム・グラント

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
考え直すこと、つまり既存の考えを見つめ直すことの重要性とその方法を語る。

著者アダム・グラントは「GIVE & TAKE」が有名な著者である。いつも刺激的な視点をもたらしてくれるので本書も同様に新たな考えを風をもたらしてくれることを期待して手に取った。

本書では、知的柔軟性の重要性をテーマに、新たな考えを受け入れること、周りの人に再考を促す方法、学び続ける組織を創る方法について順を追って説明している。

知的柔軟性を妨げているのは自分の予期するものを見る確証バイアスと、自分の見たいものを見る望ましさバイアスであり悪い流れと良い流れを過信サイクル再考サイクルとして次のように説明している

過信サイクル
自尊心→確信→確証バイアス&望ましさバイアス→是認
再考サイクル
謙虚さ→懐疑→好奇心→発見

また、学び始め直後に訪れる根拠のない自信をマウント・スチューピッドと表現しているのも面白い。全体的に改めて自分が過信サイクルに陥っていないで学び続けているかを考え直すきっかけとなった。

中盤の周りの人に再考を促す方法の話は、自分にとっては耳が痛い話ばかりである。

「完璧な論理」と「正確なデータ」だけでは人の心は動かない

解決策を言うべきではない、相手に寄り添わなければならない、など言われることは多々あるが実際にどうすればいいかがわからない人は多いのではないだろうか。悪い動機づけとして16項目挙げておりどれも興味深く、自分がやってしまった出来事にかぎらず、他者から受け取った行為も含めると身に覚えのあるものばかりである。

  • 当人のせいにしようとする
  • 説教する
  • 当人の意見を退ける
  • 恥入りさせる
  • 何をすべきか指示する
  • 支援しない
  • 当人の気持ちを気にかけない
  • 受動的攻撃
  • 愛情を示さない
  • 品位を傷つける
  • 当人の主張に耳を貸さない
  • 尊敬を示さない
  • 脅しの作戦をとる
  • 怒鳴る
  • 操作する
  • 小バカにする

本書の中には人に再考させるための多くの助言があるが、簡単な実践例としては、自分の考えを一才語らずに、相手の考えを語らせるということだろう。早速妻や子供相手に実践してみたいと思った。

そして、最後の学び続ける組織を創る方法では、心理的安全性について触れている。心理的安全性について「恐れのない組織 「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす」など、昨今そこらじゅうで語られているので、良い復習の機会となった。

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「エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」」吉田満梨/中村龍太

★★★★☆ 4/5
優れた起業家が実践するとされる手法であるエフェクチュエーションについて語る。

変化の早い現代において、不確実性への対処が必須となっており、世の中の多くの人や組織やそんな不確実性への対処に頭を悩ませている。その手法として一般的なのが、目的の定義と市場の分析から入る手法である。本書ではそのような手法をコーゼーションと呼んでおり、もう一つの選択肢としてエフェクチュエーションを提案するとともに説明していく。

エフェクチュエーションとは簡単に説明すると、自分の持っている資源を活用して小さく始めていく、ということである。本書では5つの原則として、つぎの項目を挙げ、続く章でそれぞれの詳細について説明している。

  • 手中の鳥の原則 「目的主導」ではなく、既存の「手段主導」で何か新しいものを作る
  • 許容可能な損失 機体利益の最大化ではなk、損失(マイナス面)が許容可能化に基づいてコミットする
  • レモネードの原則 予期せぬ事態を避けるのではなく、むしろ偶然をテコとして活用する
  • クレイジーキルトの原則 コミットする意思を持つ全ての関与者と交渉し、パートナーシップを築く
  • 飛行機のパイロットの原則 コントロール可能な活動に集中し、予測ではなくコントロールによって望ましい成果を帰結させる

小さく始めるという点においてはリーンスタートアップなどにも共通しているが、目的や理想に縛られることなく、動きやすい範囲で動いていくというのは、かなり取り組みやすい現実的なアプローチに感じた。注意すべきはコーゼーションのアプローチを否定しているわけではなく、重要なのは使い分けや二つのバランスであるということである。

コーゼーション方向に寄りすぎている考え方の人にとっては大きな気づきとなるだろう。

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「メタバース未来戦略」久保田瞬/石丸尚也

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
メタバースについての現状と起こりうる未来を説明している。

メタバース議論のなかでつねに発生するのが15年以上前に同様の考えで広まったSecondLifeである。僕自身SecondLifeを時間をかけて楽しんだ人間なので、メタバースが実現しようとしている世界だけでなく、その限界も一般の人よりもわかっているつもりではいるが、よりその認識の精度を上げたくて本書を読むに至った。

SecondLifeとの違いとして、技術や通信速度の向上による違いはよく言われることだが、メタバースにおいては、モデリングの技術の発達も大きな成功を予感させる要因だという。つまり現実の世界をスキャンしてメタバース上に複製することが比較的簡単にできるのだという。SecondLifeで人々がやっていたように、世界の有名な場所を一生懸命作り上げる必要はないのである。

本書自体すでに出版から3年経っており、いつのまにかメタバースという言葉が話題に上がることも少なくなってきた。読みながら、本書で触れられているHorizonWorldなどのメタバースアクセスを試みるが限られた地域でしかアクセスできないとのことである。本書の出版からあまりメタバース世界に大きな進歩はないようだ。

進歩が滞っている理由はわからないが、一時期の熱が冷めて、世間のメタバースへの見方は冷静になっていくだろう。改めてクリエイターとしてまた一人のユーザーとしてどのような使い道があるのか考えるきっかけとなった。

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「行動経済学が最強の学問である」相良奈美香

オススメ度 ★★★★☆ 3/5
アメリカで行動経済学を専門とする著者が体系的に行動経済学を説明する。

最近の日本の書籍の傾向なのか、内容をわかりやすくするだけではなく、間引いているように見える。本書もその一つで、本書の中でも触れられていて同じく行動経済学を扱った「ファスト&スロー」や「予想通りに不合理」などと比較すると内容が薄いように感じる。

本書で新鮮だったのは、行動経済学という新しい分野を体系化しようと試みている点である。本書では認知のクセ、状況、感情という3つのカテゴリに分けて説明しようとしている。

認知のクセ
・計画の誤謬
・真理の錯誤効果
・快楽適応
・自制バイアス
・システム1vsシステム2
・ホットハンド効果
・身体的認知
・確証バイアス
・概念メタファー
・メンタル・アカウンティング
・解釈レベル理論
・非流暢性
状況
・フレーミング効果
・おとり効果
・ナッジ理論
・アンカリング効果
・プライミング効果
・系列位置効果
・感情移入ギャップ
・単純存在効果
・パワー・オブ・ビコーズ
・情報オーバーロード
感情
・アフェクト
・ポジティブ・アフェクト
・ネガティブ・アフェクト
・心理的コントロール
・拡張-形成理論
・不確実性理論
・心理的所有感
・境界効果
・目標勾配効果
・キャッシュレス・エフェクト

行動経済学関連の書籍を数冊程度読んだことがある読者にとっては、いずれも聞いたことばかりある事柄だろう。しかし、それぞれの事象を命名している点がありがたい。組織のなかに浸透させるためには、いちいち事象を説明するのではなく、簡潔な言葉を共通言語として繰り返し使うに越したことはない。自然と言葉が出てくるようにしたいと思った。

全体的には上に書いたように、体系化と言語化に努めている点のみに新しさを感じた。

昨今「・・が9割」や「・・が最強の・・である」など似たようなタイトルが目立っている。売れるための手法なのかもしれないが、売ることだけを目的とした大層なタイトルは、内容が伴わなければ失望感の方が大きく、結果的に出版社や著者の信用を傷つけることにしかならない。長期的には出版側にとっても読者側にとってもマイナスであることに気づいてほしい。

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「Las herederas de la Singer」Ana Lena Rivera

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
1930年代から2010年代まで、フランコ政権からコロナ禍までのスペインの女性の生き方をAurora, Áqueda, Ana, Albaという四世代の女性を中心に描く。

四世代の女性の視点を何度も行き来しながら物語は進む。1940年代は石炭産業が盛んで、表向きは男性しか炭鉱に入ることを許されないというなか、Auroraは購入したミシンで、徐々に服飾の道で生計を立てていく。

Las herederas de la Singer

娘のÁquedaはAuroraの立ち上げた服飾の業務をさらに発展させていく。1990年代のその娘のAnaは、大企業の息子と結婚したことから、裕福な生活を送ることができたが、姑との関係や拒食症など、貧困とは別の悩みに苦しむこととなる。

21世紀を生きるさらにその娘のAlbaは同性愛者であることで生きにくさを感じながらも、女性や社会のためにできることを模索し続ける。

少しずつ改善してはいるものの、いずれの世代も男性中心の世の中で生きづらさを感じる女性の人生が描かれている。そんななか、Auroraの時代は必死で自分が生き抜くことを考えていたにもかかわらず、Albaの時代は他者への貢献に人生の目的を置いている点が興味深い。

スペイン人にとっては常識となっている大きな出来事が物語中に取り入れられているようだ。日本人にとっての、東日本大震災や地下鉄サリン事件などのようなもので、スペイン人にとってはきっと過去を当時を思い出しながら懐かしさと共に物語を楽しめるのだろう。映画フォレスト・ガンプがアメリカのさまざまな歴史的出来事を取り入れているにもかかわらず日本人には少し分かりにくいように、ひとつひとつの出来事に共感するのは難しいだろう。それでもスペインの歴史に触れたいと思って本書に触れる人にはちょうどいいかもしれない。

正直、物語の展開が4人の女性の視点を行き来するだけでなく、時間としても2000年代に移ったり1930年代に戻ったりするので、物語についていくのが正直つらかった。現代と過去の2つ程度の時間軸までにして、基本的にはそれぞれの時間軸の中で過去から未来へ進んでくれたらずっと読みやすかっただろう。

スペイン語新表現
para sus adentros 心の中で
como reza el dicho よく言われるように、諺にもあるように
antecedente penal 犯罪歴
tener cabida en に居場所を作る、におさまる
por fuera 外見上は

「八本目の槍」今村翔吾

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
16世紀後半、徳川家康が勢力を増すなか、賤ヶ岳の七本槍とよばれた豊臣家に仕える七人の武将が過去の思い出や現在の思いを語る。

賤ヶ岳の七本槍とよばれた武将たちは、羽柴秀吉が少しずつ大名として地位を向上させる過程で家臣を増やす必要があり、そこに集ってきた似た境遇の若者たちである。賤ヶ岳の戦いで7人は一気に名を広めたが、それ以降は順当に地位を上げていくものもいれば、逆に期待された活躍をできなかったものもいる。そんな少しずつ異なる道をいく7人が、豊臣家と7人の仲間であった佐吉(さきち)つまりのちの石田三成について語る、という形で物語が進む。

「八本目の槍」今村翔吾

7人はいずれも、立派な人間になることを目指して豊臣家に仕えることを選んだが、学問に秀でているものもいれば武芸に自信を持つものもいる。いずれの人生にも、佐吉(さきち)の存在が多少なりとも影響を与えており、それぞれの語る言葉からは佐吉(さきち)が、どれほど仲間を想い、どれほど先の未来を見据えていたかが伝わってくる。

最終的に佐吉(さきち)視点で物語が語られることはないが、物語全体から佐吉(さきち)、つまり石田三成に対する憧憬の念が伝わってくる。

僕ら現代の人間が遠い過去の物語に触れる時、どうしても当時の人々を若干下に見がちである。それは現代では当然のこととして知っている技術や自然現象を、当時の人々は知らなかった、など知識や情報不足によるところが大きい。しかし、本書を読むと、いつの時代にも人は、家族や未来を憂い、自分の技術や地位を周囲の人と比べ悩んだりしながら生きているのだと感じた。

今年読んだ中で最高の作品であるし、これまで読んだ江戸時代以前を舞台にした物語の中でももっとも深みを感じた作品。

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「Bringing Down the House: The Inside Story of Six M.I.T. Students Who Took Vegas for Millions」Ben Mezrich

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
MITで将来に悩む学生だったKevinはMITで長きにわたって存在してきたブラックジャックチームに加入することとなり、さまざまなカジノでお金を稼ぐ生活に入り浸っていく。

物語は進路に悩むMITの学生の20歳のKevinが、カードカウンティングチームに勧誘され、カジノで大金を稼ぐ様子が描かれている。

「Bringing Down the House: The Inside Story of Six M.I.T. Students Who Took Vegas for Millions

序盤は、そんなKevinがカードカウンティングの技術を学んで、カジノで仲間と協力して大金を稼ぐ様子が描かれている。

中盤以降は、少しずつカジノ側も対応してきて、次第にMITチームはカジノから出入り禁止や、脅迫を受けることとなる。そんななか、カジノで稼ぐことと自分の辿り着きたい人生とのギャップに苦しむKevinと、カードカウンティングで生きることにこだわる他のメンバーとの意識の差が大きくなっていく。

Was this where he belonged? Was this who he had become?
これが自分がいるべき場所か? これが自分がなりたかった人間か?

カードカウンティングというのは聞いたことがあったが、出たカードを記憶しておくことで、残りのカードを推測することかと思っていたが、実際にはもっと単純なものであることがわかった。

本作品では後半には「マネー・ボール」のBilly Beaneについても触れられているが、数字を重視して、一般的な人が陥りがちな先入観から解放され、ブラックジャックやプロ野球など特定の分野で成功することは、理系の人間には最高に楽しく爽快な瞬間だろうなと感じた。まだ数値的な分析が未開拓な分野を探してみたくなった。

英語新表現
trespass act 不法侵入行為
crash out 眠りにつく
hit the pool プールで泳ぐ、プールに入る
face cards トランプの絵札
break a sweat 汗をかく
raise a sweat 汗をかく
arbitrary point 任意の時点
failure point 限界点、機能停止点
grounded family 地に足の着いた家族、現実的な家族

「ちょっとピアノ 本気でピアノ 〜ブログでおなじみ、川上昌裕のレベルアップピアノ術〜」川上昌裕

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
ピアノとの付き合い方をさまざまな視点から語る。

僕の場合は必ずしもピアノではなく電子ピアノやキーボードなのだが、ただただ音符を追って好きな曲を弾いているだけだと、いつまで経っても深みを感じられないと思い、新たな視点を得たく本書に辿り着いた。

本書は著者がブログに書いている内容をカテゴリごとにまとめて書籍化したものである。そのため体系的に順番に書かれているわけではなく、その場で思いついたことを羅列している感じではあるが、僕のように特定の目的もなくピアノの上達に関しての刺激や気づきを探している人間にとってはぴったりである。

「ちょっとピアノ 本気でピアノ 〜ブログでおなじみ、川上昌裕のレベルアップピアノ術〜」川上昌裕

結果的にいくつかの気づきが得られた、難しい曲をスムーズに弾くためには、指の筋肉をつけたり、指の感覚を研ぎ澄ます必要があり、そのためにハノンなどの練習にも力を入れるべきと感じた。また美しい音色を出すためには的確なペダリングをマスターすることも必要で、どんな練習があるのか知りたいと思った。

印象的だったのが著者がピアノ演奏のアルバイトの面接での出来事である。それなりにピアノの技術に自信を持っていた著者が、即興演奏ができないこと、同じ志願者のピアニストの即興演奏に驚いたことなどの体験を語っている。その出来事からはジャズピアノとクラシックピアノの考え方の違いの大きさが伝わってくる。今のところなんとなくピアノを練習しているが、上達するとどんなピアノを引きたいかを考えなければいけない時期が来るのだろう。

期待通りの刺激を与えてくれた。ピアノの練習や上達や進路で悩んでいる人にはちょうどいいのではないだろうか。

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「WHYから始めよ!」サイモン・シネック

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
WHYを中心としてWHAT、HOWと外に向かう図をゴールデンサークルと呼び、WHYの重要性を語る。

TEDトークで、WHYの重要性を語る、有名な著者サイモン・シネックのプレゼンテーションを見たことがあったので、そのコンセプト自体は理解しているつもりでいたが、初めて動画を見てから数年経ち、改めてその世界に触れたいと思って書籍を手に取った。

WHYの重要性をさまざまな角度から例を交えて解説している。興味深かったのはのイノベーションの普及を示した図として有名な鐘形曲線で説明している章である。図の右側にいるレイト・レイトマジョリティ(後期多数派)やラガード(出遅れ)は値段、つまりWHATしか気にしないために、この層をターゲットにすると企業として低価格競争に巻き込まれてしまうのだ。つまり図の左側の層の、イノベーター(導入者)、アーリーアダプター(初期採用者)、アーリー・マジョリティ(初期多数派)や忠誠心を抱いてもらうことこそ成功への近道で、そのためにWHATではなくWHYを広めるべきだと語る。

いくつかの企業の例を交えて説明している。サウスウェスト航空、マイクロソフト、ウォルマート、アップル、どれも興味深い話ばかりである。面白いのはWHYは重要だがWHYだけでも組織は動かないとしている点である。例えばアップルは常に企業の成功物語で名前の上がる企業であるが、著者はWHY型のスティーブ・ジョブズと、WHAT型のスティーブ・ウォズニアックの組み合わさったことが成功の大きな要因だとしている。アップルの成功の話を「Quiet」では、外向型人間と内向型人間が組み合わさったことを成功の要因として語っていたので、いろんな見方があるのだと感じた。

全体的に、本書の内容には自分の経験からも思い当たるふしが多々ある。常々多くの企業がWHYを明確にしないことでブランディングに失敗していると感じるし、株主の圧力ゆえにか、売上至上主義のなかでABテストなどでデータを重視しすぎた結果、WHYを見失ったWHAT型になっていると感じる。

例えば、Photoshopなどのクリエイティブツールを生み出したAdobeは、すでに当初の創造力を広める哲学を見失い、現在は詐欺まがいの手法で短期的な売り上げを上げることしか考えていない。iPhone以降10年以上革新的な製品を生み出していないアップルもAdobeほど惨憺とした例ではないが、WHYを失いかけている企業と言えるだろう。

昨今安定した売り上げを目指してサブスクリプション型のサービスを提供する企業が多く見られるが、WHYに共感できない企業のサブスクリプションサービスを利用しても、最終的にお金をむしり取られるだけである。著者が言うように、企業が本当に相手にすべき相手は低価格につられて簡単に動く人間ではなく、WHYを重視している人なのである。

当たり前ではあるが、動画で見ただけではわからない深みとともに著者の言いたいことが理解できた気がする。多くの企業のマーケター、ブランドデザイナーの必読の本とであろう。

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「Rejection Proof: How I Beat Fear and Became Invincible Through 100 Days of Rejection」Jia Jiang

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
拒否される恐怖心を克服するために始めた拒否セラピー、それは100日かけて毎日拒否に出会うというもの。

何年か前に著者のTedTalkと拒否セラピーのクリスピークリームの回が印象に残っていた。それは拒否されるためにクリスピークリームで作るのが難しそうなドーナツを注文するにもかかわらず、店員は拒否することもなくそのドーナツを作って出してくれる、というもの。久しぶりにその動画が見たくて検索したところ、書籍化しているということでくその前後の出来事も知りたくなり本書を読むに至った。

驚いたのはクリスピークリームの出来事は拒否セラピーを始めて間もない3回目の出来事だということ。著者にとって拒否セラピーを始めてすぐにこのような印象を変える出来事に出会ったことは幸運だったことだろう。改めて、無茶な依頼にも親切に対応したクリスピークリームの店員Jackieのように、真剣な依頼には真剣に対応する人間でありたいと思った。

僕自身はそれほど他人からの拒否に恐怖心はないが、拒否に恐怖心を抱く人の気持ちが本書を通じてよくわかった。速い話が、拒否されるのが怖い人は、拒否は自分自身の性格や能力の否定と感じるのである。一方で、僕のように拒否に恐怖心のない人は、もともと自信があるせいもあるが、拒否はたまたまタイミングが悪かったり依頼側と回答側の相互利益が成立していないだけだと捉え、自分自身の性格や能力の欠如とはほとんど関連づけないのである。

中盤以降は、拒否セラピーで有名になったせいで、著者にもさまざまな依頼が舞い込む様子が描かれる。そんななか、著者はたびたび断る側にまわることとなる。その過程で拒否される側だけでなく、拒否する側の考え方にも気づいていくのである。

When you deliver a rejection to someone, give the bad news quickly and directly. You can add the reasons afterward, if the other persons wants to listen. No one enjoys rejection, but people particularly hate big setups and "yes-buts." They don't lessen the blow––in fact, the often do quite the opposite.
誰かの依頼を断る時は、簡潔にかつ直接伝えてください。相手が理由を知りたい時に、理由は後から付け加えればいいのです。断られるのが好きな人などいませんが、人は特に、長い前置きや、「はい、でも」のような言葉を嫌います。そんなものは衝撃を和らげるどころか時にはまったく反対に作用します。

終盤では拒否セラピーの最後の挑戦として、著者は、妻の転職の手助けをする。それは妻のもっとも働きたい会社であるGoogleへの転職を成功させることである。

上で書いたように、僕自身は著者ほど拒否されることに抵抗はないが、むしろ本書では拒否する側としての姿勢に学ぶ点が多かった。何かを依頼された時に単純にNOと言って終わりにするのではなく、自分の好みや都合が合わないことを説明することで、依頼側は自分自身の否定と捉えずに済むのである。この点は早速取り入れたい思った。

ぜひ日本語化して日本にも広まってほしい内容である。

英語新表現
cuss out 罵る、罵倒する
psych out 不安にさせる、心理的に見抜く
strike a nerve 神経質になる
conform to the norm 規範に従う
sell a bridge 騙す
stick up for 支持する、応援する
break out in hives じんましんがでる
measure up to 見合う、匹敵する
off the wall 型破りな、突飛な
far cry ほど遠い

「宇宙になぜ我々が存在するのか 最新素粒子論入門」村山斉

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
宇宙の観測の歴史と共に素粒子論について説明する。

ここ最近素粒子論をもう少し理解しようと思っていろんな本を漁っている中で本書に辿り着いた。素粒子論の本の中では珍しく数式がほとんどなく文章を中心とされている。

これまでいくつか素粒子論の本に触れてきて思うのは、素粒子論の理解を難しくしているのは、どこまでが確認された事実で、どこまでが研究者の中で受け入れられている仮説なのかの線引きが曖昧なことだと感じる。それに対して、本書では歴史の流れに沿って、生じた仮説とその後の観測による確認を順を追って説明してくれるので、どのようにして現在の素粒子論に辿り着いたかが比較的わかりやすかった。

相変わらず理解できないことが多いが、発見しにくいニュートリノの存在や性質。電荷に影響を与える6種類のクォーク、重さのきっかけとなるヒッグス粒子など、漠然とであるが粒子の特徴について知識を深めることができた。引き続き本書で軽く触れられていたインフレーション理論、標準理論、核融合反応について知りたいと思った。

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