
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
第37回(2024年)山本周五郎賞、第77回(2024年)日本推理作家協会賞受賞作品。勝負ごとに滅法強い女子高生の射守矢真兎(いもりやまと)がさまざまな勝負に挑む様子を描く。
グリコのおまけ、坊主捲り、じゃんけん、だるまさんがころんだ、ポーカーなど、誰もが知っている勝負に、少し異なるルールを加えて勝負する射守矢真兎(いもりやまと)が、最後は想像の一つ上をいく様子を描く。
一見勝負師同士の心理戦のようにも見えるが、勝負のルールも勝負が行われている部屋もすべて著者の都合のいいように作られているので、ミステリーの要素も多い。そういう意味ではこれまでにない斬新な作品と言えるだろう。
特に現実世界に行かせそうな学びは一才ないが、重いテーマの物語を読んだ直後の一服にはちょうどいいかもしれない。