
オススメ度 ★★★★☆ 4/5
考え直すこと、つまり既存の考えを見つめ直すことの重要性とその方法を語る。
著者アダム・グラントは「GIVE & TAKE」が有名な著者である。いつも刺激的な視点をもたらしてくれるので本書も同様に新たな考えを風をもたらしてくれることを期待して手に取った。
本書では、知的柔軟性の重要性をテーマに、新たな考えを受け入れること、周りの人に再考を促す方法、学び続ける組織を創る方法について順を追って説明している。
知的柔軟性を妨げているのは自分の予期するものを見る確証バイアスと、自分の見たいものを見る望ましさバイアスであり悪い流れと良い流れを過信サイクル、再考サイクルとして次のように説明している
過信サイクル 自尊心→確信→確証バイアス&望ましさバイアス→是認 再考サイクル 謙虚さ→懐疑→好奇心→発見
また、学び始め直後に訪れる根拠のない自信をマウント・スチューピッドと表現しているのも面白い。全体的に改めて自分が過信サイクルに陥っていないで学び続けているかを考え直すきっかけとなった。
中盤の周りの人に再考を促す方法の話は、自分にとっては耳が痛い話ばかりである。
「完璧な論理」と「正確なデータ」だけでは人の心は動かない
解決策を言うべきではない、相手に寄り添わなければならない、など言われることは多々あるが実際にどうすればいいかがわからない人は多いのではないだろうか。悪い動機づけとして16項目挙げておりどれも興味深く、自分がやってしまった出来事にかぎらず、他者から受け取った行為も含めると身に覚えのあるものばかりである。
- 当人のせいにしようとする
- 説教する
- 当人の意見を退ける
- 恥入りさせる
- 何をすべきか指示する
- 支援しない
- 当人の気持ちを気にかけない
- 受動的攻撃
- 愛情を示さない
- 品位を傷つける
- 当人の主張に耳を貸さない
- 尊敬を示さない
- 脅しの作戦をとる
- 怒鳴る
- 操作する
- 小バカにする
本書の中には人に再考させるための多くの助言があるが、簡単な実践例としては、自分の考えを一才語らずに、相手の考えを語らせるということだろう。早速妻や子供相手に実践してみたいと思った。
そして、最後の学び続ける組織を創る方法では、心理的安全性について触れている。心理的安全性について「恐れのない組織 「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす」など、昨今そこらじゅうで語られているので、良い復習の機会となった。
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