
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
第150回(2013年下半期)直木賞受賞作品。滋賀県に生まれた声の小さな女の子の柏木イクが、高度経済成長期で大きく発展を遂げる昭和を、さまざまな犬と関わりながら生きる様子を描く。
少し難しい家庭の父と母の下で育ったイクが、どちらかというと冴えない女の子である点が面白い。
さまざまな犬を描いているだけでなく、大きく変貌を遂げる日本のなかで、少しずつ文化や習慣が変わっていく様子も伝わってくる。
昭和という時代も、イクの生き方も、どちらも少し変わっているので共感するのは難しいかもしれない。それでも昭和という時代が令和とは少しずつ異なることが十分に伝わってくる。どの家にもテレビがついていたな、とか、放し飼いの犬がうろちょろしていたな、とか、昭和を知っている世代には懐かしく感じるだろう。