
オススメ度 ★★★★☆ 4/5
第169回 (2023年上半期)直木賞受賞作品。足利家に生まれた兄弟、又太郎(またたろう)と次三郎(じさぶろう)が、やがて室町幕府を起こすまでを描く。
本書は足利尊氏とその弟直義(ただよし)や高師直(こうもろなお)中心に室町幕府を起こすまでを描いている。
正直、今まで触れてきた歴史物は、戦国時代から江戸時代のものが多かったし、それ以前の物語だと武蔵坊弁慶や源義経など鎌倉幕府に関わる物が多かったので、この時代についてはほとんど知らなかった。それだけに本書で描かれていた足利尊氏(あしかがたかうじ)の人間性や室町幕府成立に対するる尊氏(たかうじ)の弟直義(なおよし)の貢献さには大きさには驚かされた。
本書では足利尊氏(あしかがたかうじ)は、政治に才能を発揮する弟の、直義(ただよし)や師直(もろなお)に任せきりで、人情味あふれる人間ではあれど、ほとんど政治に興味を示さない野心ない人間として描かれているのである。
後半では、室町幕府が成立して以降の、終盤では、さまざまな内紛の様子が描かれる。それまで一緒に室町幕府を支えていた。直義(ただよし)と師直(もろなお)が、少しずつ疎遠にいく様子からは、当時の遠方との意思疎通の難しさが伝わってくる。
そういう意味では、日本という大きな土地を長く統治することがどれほど難しいかが伝わってくる。一方でそれは、のちに長く全国を平和に統一した徳川家康につても興味を掻き立ててくれる。