
オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
ロンドンで靴職人として働く斉藤良一(さいとうりょういち)と、日本で靴職人を夢見る榎本智哉(えのもとともや)の二人を描く。
すでにロンドンで靴職人として独り立ちしながらも、さらにそのブランド価値を高めようとする斉藤良一(さいとうりょういち)を描くとともに、日本で、靴の修理という小さな対応を重ねながら、将来を夢見て自らの技術の向上に励む榎本智哉(えのもとともや)を描く。
物語が進むに従って少しずつ二人の過去が明らかになっていく。現在は成功している斉藤良一(さいとうりょういち)だが現在の地位を掴むための苦労が見えてくる。そんな斎藤の過去からは、靴づくりにかける情熱と並行して、狂気のようなものも見えてくる。
一方で、榎本智哉(えのもとともや)の日常からは、斉藤良一(さいとうりょういち)を過剰なまでに意識していることがわかる。そこには父親の最期が大きく関わっていた。
やがて、智哉(ともや)の計画が功を奏して、二人は対決することとなる。
若干物語の展開が少ない。一方で靴職人の靴づくりにかける思いは十分に伝わってきて、ものづくりに没頭することのすばらしさを改めて感じた。
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