
オススメ度 ★★★★☆ 4/5
早押しクイズ大会の決勝戦で不可解な解答によって破れたは、クイズ関係者から上がるヤラセ疑惑を解明しようとする。
本書はクイズに人生を賭ける三島玲央(みしまれお)が、タレントである本庄絆(ほんじょうきずな)に早押しクイズ大会の決勝戦で敗れることから始まる。最後の問題は、問題文が読まれる前に本庄絆(ほんじょうきずな)がボタンを押して正解をしたことから、クイズ関係者のなかではタレントを勝たせたいという番組によるヤラセ疑惑が浮上したのである。
そんななか三島玲央(みしまれお)は冷静にその番組を見返してヤラセ以外の説明ができないか分析していく。その過程でクイズの実情が見えてくる。クイズでは、知識の量を競っているわけではなくクイズの強さを競っており、クイズに強い人はそのための技術や駆け引きを常に駆使しているのである。
正直感情移入できるような登場人物は一人もいない。ただクイズを扱った稀有な作品であり、新たな世界に目を向けてくれる点では一読の価値ありである。