「ゆえに、警官は見護る」日明恩

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
都内で自動車のタイヤの中で死体を焼く事件が連続して起こる。新宿署の留置管理課の武本(たけもと)と、警視庁の潮崎(しおざき)警視はそれぞれの立場から事件解決に関わる。

それでも、警官は微笑う」に始まるシリーズ第四弾である。今回は潮崎警視と武本の直接の絡みは少ない。連続殺人事件の捜査本部に潮崎警視が参加し、その捜査本部のできた新宿署の留置管理課に武本が勤務しており、そのわずかな接点が物語解決の糸口となっていくのである。

潮崎警視の監視役として抜擢された、正木星里花(まさきせりか)巡査と同じく監視役として選ばれた宇佐見(うさみ)巡査部長の存在が物語を面白くしている。警察という指揮系統を重んじる組織の中で自由に行動する潮崎と宇佐見(うさみ)の言動に振り回され辟易しながらも、正義感と事件解決に貢献したいという情熱を持って行動する様子が面白い。

また、武本が終始、留置管理課勤務ということから、留置場の勤務の様子や規則が描かれる。自殺防止の観点から、ふとんのかけかたや使うボールペンまで決められているというのは本書を読んで初めて知った。

潮崎(しおざき)、正木(まさき)、宇佐見(うさみ)が、監視カメラのチェックという退屈な作業に取り組む中で少しずつ真相に近づいていく。そしてその過程で3人の間で繰り返し様々な様々な会話がされる。それぞれの異なる視点からの警察や事件や人生に対する意見が興味深い。もっとも印象的だったのは、潮崎と宇佐見(うさみ)の言葉である。

「武本先輩も宇佐見くんと同じで、物差しが一つなんです。だからぶれない。まあ、二人とも、さぞかし生きづらいなだろうと思いますが」
「同じ物なのに、そのつど違う物差しで測っていたら、正確な長さがわかるはずもない。」

今回も自由な潮崎の自由な発想と、武本(たけもと)の職務に実直な姿勢が詰まっていて、改めてぶれない生き方の格好よさを感じさせてくれる。

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投稿者: masatos7

都内でUI / UXデザイナー。ロゴデザイナーをしています。

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