「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」辻村深月

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
母親を殺して行方をくらました幼馴染、チエコを探すライターのみずほ。チエコとの共通の知人や同僚を訪ねて情報を集めていく。何故彼女は母親を殺したのか、そしてどこにいるのか。
みずほがいろんな女性からチエコについての話を聞いていく過程のなかで、30歳という節目の年齢に差し掛かった女性の本音が見えてくる。友達との付き合いのこと。合コンでの振るまいでのこと。結婚のこと。例によってそんな読んでいる読者まで目をそむけたくなるような本音の描写が魅力といえるだろう。

あの頃の遊び仲間全員に共通していた。本当にためになること、言わなきゃならないことは絶対に言わない。無条件に相手の望む言葉をかける。

物語が進むにしたがって、何故みずほがそこまでチエミを見つけることに執着するのか、その理由が明らかになっていく。

どうして、お母さんを殺したの。何故それは私の家ではなく、あなたの家だったのだ。娘に殺されて死んだのは、何故、私の母ではなく、あなたの母なのだ。

悪くはないが、残念ながら辻村深月作品は、ある程度の長さと登場人物の多さあってこそ魅力的な作品に仕上がる傾向があるように感じた。
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