「ヒトリシズカ」誉田哲也

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
暴力団が殺害された現場で目撃された中学生、伊東静加(いとうしずか)は、その後も家族のもとには戻らずに行方をくらました。
別々の時代の別々の警察関係者から、いくつかの事件が語られる。そんな中で浮上する一人の女性、伊東静加(いとうしずか)。警察や世間の男を忌み嫌う静加(しずか)の目的は何なのか。前後して展開される静加(いとうしずか)の母親の物語から、その過去が次第に明らかになっていく。
孤独に生きている女性を描きながら、常に外からの目線だけで、本人には決してその心情を語らせずに、その人間をより謎めいた雰囲気を演出する作品としては、すでに宮部みゆきの「火車」、東野圭吾の「白夜行」という名作が世に出ている。そのため二番煎じの感は否めないが、それでも全体的にかもし出される雰囲気は独特のものがある。「ジウ」シリーズでもお馴染だが、この暗く切ない雰囲気作りは誉田哲也の得意とするところである。
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