「ヨハネス・イッテン 色彩論」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5

僕自身デザイナーとして生きているので、色や形の感覚を深められる練習や知識はは徹底的に取り入れていこうと考えていて、そんななか本書に出会った。

世の中様々な色環が語られているが、本書の12色環は赤、青、黄の純色を基準にして分割していくもので、非常にわかりやすく、再現しやすいものである。また、レッド・オレンジとブルー・グリーンの第3次色をそれぞれ暖色と寒色の頂点とする点もわかりやすい。

7つの色彩対比について扱っている。色の多少の知識がある人なら色の対比が絵画やデザインにおいて重要なことはすでに知っていることだろう。しかし、7つもの対比を挙げることができるだろうか。本書では次の7つの対比について扱っており、それぞれに対して有名なアート作品も紹介している。

  • 色相対比 例)「聖母マリアの戴冠式」アンゲラン・シャロントン
  • 明暗対比 例)「レモン、オレンジとバラ」フランシスコ・デ・スルバラン、「黄金のヘルメットをかぶった人」レンブラント
  • 寒暖対比
  • 補色対比 例)「サン・ヴィクトワール山」ポール・セザンヌ
  • 同時対比 例)「衣服を剥ぎ取られるキリスト」エル・グレコ、「夜のカフェ」ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ
  • 彩度対比 例)「不思議な魚」パウル・クレー
  • 面積対比 例)「イカルスの堕落」ピーターブリューゲルI世

あまりいままで意識してこなかったのは同時対比である。参考に挙げられているアート作品を見て理解し、自分でも同時対比を利用した作品を作ってみにつけようと思った。

また、純度の明るさについての話も印象的だった。明るさを12段階に分けた時、純色の黄色は明るい方から4番目にくるが、青は9段目、赤は8段目にくるという。つまり、青、赤、黄を明るさで揃えるような場合には純色を使うことはできないのである。なんとなく体験から知っていることをこうして明確に言語化してもらうとさらに理解が深まる気がする。また、補食に対する調和のとれる比率についても紹介している。

  • イエローとヴァイオレットは1:3
  • オレンジとブルーは1:2
  • レッドとグリーンは1:1

もちろんこの辺は多少考案者の主観が入っていることは否めないが、スタート地点として知っておくことは役に立つだろう。

すでに出版から50年経っている本だが、いろいろ新たな視点をもたらしてくれた。

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投稿者: masatos7

都内でUI / UXデザイナー。ロゴデザイナーをしています。

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