「桜風堂ものがたり」村山早紀

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
本を愛する書店員、月原一整(つきはらいっせい)が星野百貨店内の銀河堂書店で仲間たちを務める様子を描く。

一整(いっせい)は無口な書店員でありながらも、銀河堂書店で優しい仲間に囲まれて働く。卯佐美苑絵(うさみそのえ)や三神渚砂(みかみなぎさ)など同年代の書店員また個性があり、書店の仕事という物を身近に感じられるかもしれない。

そんななか、一整(いっせい)の書店員人生は、銀河堂書店で起こった少年の万引き事件により大きく動くことになり、やがて一整(いっせい)はネット上でやりとりしていた桜風堂(おうふうどう)という書店の店主に会いに行くこととなる。

ただ書店に行って本を買うだけではわからない本屋の業務がわかるだろう。例えば、本の棚にはその担当者の個性が現れ、また同じように書店の棚にはその店の個性が出るのだという。書店員同士の横のつながりも新鮮だったし、地域と繋がりのある書店の役割の重要性も本書を読んで初めて知った。

星野百貨店は同じ著者の「百貨の魔法」の舞台となった百貨店であり、「百貨の魔法」との共通の登場人物が出てくるので、そんな視点で楽しむこともできるだろう。本書で描かれているような本屋さんの紙の書籍に対する愛情や、良い本を人々に届けたいという思いはしっかりおきたいと思った。本屋で本を買うことにまた新しい価値観を与えてくれる優しい物語。

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投稿者: masatos7

都内でUI / UXデザイナー。ロゴデザイナーをしています。

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