「Nudge: Improving Decisions About Health, Wealth, and Happiness」Richard H. Thaler, Cass R. Sunstein

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
世の中はほんの少しの変更で劇的に変わる。本書はそんな世の中の人々の傾向について語る。このような知識を持って入れば、わずかな変更で世の中を求める方向に導くことができるかもしれない。
保険、住宅ローン、学費ローンなど、しっかり考えれば自らの選択がベストではないことは明らかなのに、複雑かつ多すぎる選択肢のせいで多くの人々は深く考えもせずに選択しており、それによって人々は本来受けるべき幸せを手にすることができていない。なぜなら僕らは忙しいし、考えたり分析をするために大量の時間を費したくなどないからだ。
そんな過剰な選択をせまられてベストな選択をできない人々に、適切な選択をさせるために知っておかなければならない人間の傾向は次のようなものだ。

Anchoring

僕らは知っている情報を元に別の情報を判断しようとする。

Availability

何かが起きる可能性を、どれだけ身近にその事例があるかで判断する傾向がある。例えば近いうちに大きな地震が起きる可能性を考えた時、大きな地震を経験したことがある人とない人ではその想定する可能性に違いがある。

Representatives

AがBに所属するかを判断する際に、AがどれだけBのイメージに近いかで判断する傾向がある。

Optimism and Overconfidence

人々は自分のことを平均以上だとみなす傾向がある。

Gain and losses

同じ物でも、得ることきより失うときのほうがその損失を高く見積もる傾向がある。

Status Quo Bias

人は現在の状況に固執する傾向がある。

Framing

人はどのように表現をするかに影響を受ける。例えば人は「この手術で10人に9人が生き延びる。」の方が「10人に1人が死ぬ」よりも手術を前向きに捉える傾向がある。
後半は上の傾向をどのように実際に生かすかを年配者の薬、臓器提供をどのように増やすかなどについて書いている。それぞれのNudgeを用いた例が細かすぎてあまり読みやすいとは言えない。もっと例を増やしながらも重要なポイントだけ整理したほうがわかりやすく読みやすく仕上がったのではないだろうか。

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