「ウツボカズラの甘い息」柚木裕子

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
2人の小学生の子供を持つ文絵(ふみえ)はお洒落に気を使う事もなくなっていた。しかしある日中学生時代の同級生加奈子(かなこ)に出会い、化粧品販売の仕事をすることになる。
また、鎌倉の別荘で起きた殺人事件を解決するため、神奈川県警の秦(はた)は若い女性刑事菜月(なつき)とコンビを組んで捜査をする。女性とコンビを組むことに対する秦(はた)の懸念や未だ男性社会である警察組織の描き方が興味深い。菜月(なつき)が能力の高い刑事として描かれているので、このコンビはむしろ別の物語で見てみたいと思った。
殺人現場で目撃されたサングラスの女は、文絵(ふみえ)に化粧品販売の仕事を持ちかけた加奈子(かなこ)と見られ、この女性の足取りを追う事が捜査の方針となる。
最後は予想を裏切る部分はあったものの、それでも全体的には、読み終わったら数日で記憶から消えてしまうようなよくある警察小説の1つに終わってしまっている点が残念である。
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