「旅のラゴス」筒井康隆

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
旅を続ける男ラゴスを描く。
ラゴスが旅しているのはどこだろう。アジアのどこか、モンゴルや中央アジアのあたりだろうか。しかし、ある民族と行動するラゴスは集団転移を日常的に自然な行動として行うのである。どうやらこれは、僕らがいる世界とは異なる世の中を描いているようだ…。
そんな不思議な世界観を本書を見せてくれる。そして、いくつか非現実的なことが起きながらも、ラゴスの旅は、人と出会い、別れを惜しみながらも再び旅に出る、の繰り返しで、時には恋をしたり、トラブルに巻き込まれたりと、どんな世界にも、時代にも共通する旅の魅力であふれているのだ。
本書でラゴスと旅をする中で、それはいつのまにか、場所を移動する旅と時間を超える人生という旅が重なって感じられるから不思議である。恋愛、労働、教育、学習、子育て、確執、そんな連続で人生は進んで行くのだ。短くもはかない人生の一つ一つの出来事を一生懸命生きるラゴスの姿に、心に染み入るような何かを感じるだろう。
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