「ヤバい経済学」スティーブン・D・レヴィット/スティーブン・J・ダブナー

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
1990年代の後半のアメリカ。誰もが犯罪の増加を予想する中、殺人率は5年間で50%以上も減少した。多くの人がその理由を語り始めたという。銃規制、好景気、取り締まりなど、しかしどれも直接的な理由ではない。犯罪が激減した理由はその20年以上前のあるできごとにあったのだ。
わずか数ページで心を引きつけられた。経済学と聞くと、どこか退屈な数学と経済の話のように感じるかもしれないが本書で書かれているのはいずれも身近で興味深い話ばかりである。大相撲の八百長はなぜ起こるのか。なぜギャングは麻薬を売るのか。子供の名前はどうやって決まるのか。こんな興味深い内容を、数値やインセンティブの考え方を用いて、今までになかった視点で説明する。
個人的には冒頭のアメリカの犯罪率の話だけでなく、お金を渡したら献血が減った話や、保育園で迎えにくる母親の遅刻に罰金を与えたらなぜか遅刻が増えた話などが印象的だった。お金を使って物事を重い通りに運びたいならそこで与えるお金の量は常に意識しなければならないのだろう。
なんだか世の中の仕組みが今まで以上に見えてくるような気にさせてくれる一冊。
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