「Sleeping Doll」Jeffery Deaver

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
人の心を自在に操るカリスマ的犯罪者Daniel Pellが脱獄した。人間の所作や表情を読み解く「キネシクス」分析の天才でカリォルニア州捜査局捜査官のKathryn Danceがその行方を追う事となる。
Rincoln Rhymeシリーズで何度か登場したKathryn Danceを主人公に据えたシリーズの第一弾。会話する人のわずかな動作からその真偽を見抜く技術に長けているゆえに、聞き込みや取り調べでその技術が発揮される。目の動き、手足の動作など、人の感情は実はかなりの部分が表面に現れているのだ。
そうして次第にDanceはPellを追いつめていくのであるが、同時にDanceの夫を失って1人で2人の子供を育てる姿も描かれており、そんな人間らしさがRincoln Rhymeのシリーズとは違って共感できるかもしれない。
やや結末は予想のついた部分もあったが全体的に無難な出来である。ただ、Danceのもつ技術の特異性で読者を引きつけられるのはおそらく一作目だけで、2作目、3作目と続くなかでどのようにシリーズを魅力的なものにしていくのかというのが、個人的には気になるところである。

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