「特等添乗員αの難事件I」松岡圭祐

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
人とは違った考え方を常にする浅倉綾奈(あさくらあやな)はそれゆえに社会に適応できずにいた。その才能に目をつけた警察キャリア壱条那沖(いちじょうなおき)は、綾奈(あやな)に社会に適応させるべく特別な授業を受けさせることを決める。
松岡圭祐ワールドの新たなヒロインの第一作であるが、本作品には万能鑑定士シリーズの凛田莉子(りんだりこ)もかなり頻繁に登場する。物に対する知識を極限まで蓄えた凛田莉子(りんだりこ)と、物事を人とは別の視点から眺めることに長けた浅倉綾奈(あさくらあやな)が悪事をたくらむ輩と対決する物語である。
第一作ということで、浅倉綾奈(あさくらあやな)の成長の姿が非常に面白い。個人的に印象的だったのは綾奈(あやな)の教育担当である年配の元教師能登(のと)のその考え方である。

ゲームはインベーダーかせいぜいゼビウスまで、最近のものはついていけないと語る中高年は、それゆえ信頼できる存在ですか?AKBのメンバーの顔の区別がつかないとか名前を知らないというのが自慢になりますか?いずれも大きな勘違いといえましょう。いつの世も、どのような分野であれ知識の幅は広ければ広いほどよいのです。

年配はゲームをしないとかマンガを読まないとか、一体誰が決めたのだろう。いつまでも新しい物事に目を向けて生きていたいと思える言葉である。
そして終盤に向かうにつれ立派な一人前の添乗員になっていく綾奈(あやな)。さて、壱条(いちじょう)との恋模様はどうなるのか、家族とはうまくやっていけるのか。続編が楽しみである。
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