「Fire Starter」Stephen king

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
実験的投薬によって不思議な力を身につけたAndyとVicky、しかし2人の娘Charlieはさらに強力な力を持つこととなる。それは念じるだけで火をおこすことのできるパイロキネシスだった。AndyとCharlieはその力のために組織Shopから追われることとなる
宮部みゆきのクロスファイアのもととなった物語と聞いて非常に興味を持って手に取った。物語の鍵となるのパイロキネシスという能力を持ちながらもその力をコントロールしきれないゆえに自らの力におびえる7歳の少女Charlieと、その父親で人の心を操作する能力を持つAndyである。
2人はその逃避行のなかでたびたびその力を使わざるを得ない状況に陥るのだが、使い過ぎることによって自らの体力や命さえも脅かすのである。個人的にはCharlieの力が無意識に出てしまうシーンなどが印象的だ。たとえば、泣きわめくCharlieの横で、温度計の目盛りがじわじわ上がっていくのを見て、なんとかCharlieに平静さを取り戻させようと努めるAndyのシーンや、階段を降りようとしてテディベアのぬいぐるみにつまずいた次の瞬間にぬいぐるみが燃え上がるシーンなどがそれである。
さて、超能力者を中心にすえた物語は多々あるが、終わりはだいたいその人が死ぬか能力を失うか、である。Stephen Kingがこの物語をどうやって終わらすか、という点も途中から僕の興味をそそる部分だったのだが、その点も及第点をあげられるだろう。幼い女の子Charlieがその年齢に似合わないたび重なる試練を乗り越えて成長していく物語としてその心の揺れ動くさままでしっかりと描かれている。
ややスピード感に欠けると感じる部分もあるが非常に満足できる内容である。

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