「記憶の中の殺人」内田康夫

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
大学時代に読み漁った内田康夫の浅見光彦シリーズ。その中でも特に印象に残っていたこの作品を読みなおしてみた。
物語の中で「軽井沢のセンセ」として登場する少し意地悪な小説家、内田康夫の墓前に備えられていた不審な花が発端となり、浅見光彦は今回も事件に深く関わってくこととなる。
そして今回の事件は光彦の少年時代の軽井沢の出来事であり、記憶の欠落した部分に大きく関わることになり、徐々に明らかになるその記憶によって自分自身も事件の大きなカギを握ることを知ることとなる。
光彦は犯罪者が自分の犯罪が露見した先にとる行動について懸念するその言動は。犯罪者の家族には優しく、そして犯罪者自身には厳しい。

なんとかして罪を逃れようと醜くもがく、恥も美意識もありはしない。家族や身内の末端いいたるまで犯罪者の汚名に汚され、没落の憂き目を見るかもしれないのになぜその悲劇から逃れる唯一のチャンスを掴まないのか

内容をある程度覚えていたせいか、残念ながら最初にこの本を読んだ時のような強烈なインパクトは感じなかった。それでもひさしぶりに触れた、光彦の洞察力と優しさには大いに刺激を受けた。
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