「野性の証明」森村誠一

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
山間の村でハイキングで通りかかった女性、越智美佐子(おちみさこ)を含む住人が殺されると言う事件が起こった。そして、その3日後、唯一の生存者である少女が発見された。
猟奇殺人事件から2年後、被害者となった越智美佐子(おちみさこ)の妹の越智朋子(おちともこ)は生命保険会社で働く、味沢岳志(あじさわたけし)という魅力的だが不思議な男と出会うことから物語は少しずつ動き始める。
この本の初版は昭和53年である。物語の中に、自治体と警察と暴力団の癒着が鍵を握る場面が多々含まれている。今読むと若干違和感を感じるが、25年前とはそういう時代だったのか、それとも現在でも目に見えない場所でこのようなことは平然とまかりとおっているのか。そんなことを考えさせる。
森村誠一作品には毎回のように感じさせられることだが、重要と思われた登場人物があっさり死んでしまったり、正義を行っている人の行為が報われなかったりする。もちろん世に多くある物語のように、正義がいつだって勝つことのほうが現実では少ないのかもしれないが、それでもやはり後味の悪さを感じてしまうのだ。


マリオットの盲点
網膜の視神経系乳頭の部分には視神経細胞が存在しないため、視野のなかでこの部分に相当するところは見えない。この生理的な視野欠損部のことをマリオットの盲点と呼ぶ。

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「「野性の証明」森村誠一」への1件のフィードバック

  1. それを言うならマリオット(Mariotte)盲点ではないでしょうか?

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