「パレード」吉田修一

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
第15回山本周五郎賞受賞作品。
社会人一年目、僕は会社の寮に入った。3LDKのマンションの一室に同期の人間と一緒に住むのだ。隣の部屋も反対の隣の部屋も、同期や先輩の社員が住んでいた。3ヶ月でイヤになって一人暮らしを始めた。一人暮らしを始めてもう5年。「誰かと一緒に住むのもいいかも」と、この本を読んで思った。
この「パレード」では同じマンションの一室に住む5人の男女をそれぞれの視点から展開していく。同じ部屋で一緒に生活していくためにはそれぞれ「この部屋用の自分」を演じる必要がある。読み進めて行くうちに「共同生活ってそんなにも楽しいモノなのだろうか」という思いと、「そんなにも悲しいモノなのだろうか」という思いが浮かんでくる。そして最後は怖い。
近いウチにまた読み直したい。時間があれば今すぐにでも読み直したい。
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「「パレード」吉田修一」への1件のフィードバック

  1. 面白そうなので読ませていただきました。
    感想は。。。面白かった、笑
    同居人の5人の視点からそれぞれの性格や関係性が次第に明らかになっていくんだけど、最初の良介君、琴美ちゃんの章では正直あまりぴんと来なかった。
    もっと現代の若者の生の肉声が聞こえるかと、現代社会の新しい人間の関係性が浮き彫りにされるかと、ワクワク期待していたんだけど・・・、どうも感性が古く感じる。
    手厳しく言えば、思春期(?)の抱える問題や感性を、だいたいこんなもんだろう、と推定して書いているようにも感じられる。
    んん?? この作者は意外と年ではないか、などと思い、つい年齢を調べたり・・・笑
    でも3章めの未来さんの独白あたりからずしりと胸に迫ってくるものがありました。
    だんだんと空恐ろしくなってきた。
    予想では5章目のサトル君の章が起承転結の転で、事件が勃発、のはずでしたがなにも起こらず肩透かしを食らい、6章めのラストに一気に衝撃が。。。
    恐ろしい。でも単純に面白い。
    久しぶりに面白い小説を読ませていただきましたって感じです。

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