オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
30歳を過ぎたラリーは、恋人で日本を愛するジェニファーにプロポーズをしようとする。ところが、ジェニファーからプロポーズをする前に日本を見てくるようにお願いされたため、ラリーは休暇を取って日本へ行くことを決める。

日本を訪れたラリーを描いている。東京、京都、大阪と訪れるうちに、少しずつ日本の文化にラリーは魅了されて行くのである。興味深いのはラリーが祖父に育てられたところだろう。ラリーはその訪問の最中たびたび祖父や両親のことを思い返すのだ。特にラリーが、両親に育てられた友人たちと、祖父に育てられた自分を比較して、育て方の違いが現在の自分の性格に影響を与えていると考える部分が印象的である。

父親は息子の失敗をフォローすることができるが、祖父には孫にそうするだけの時間も体力も残されていないから、勇敢であることより堅実であることを求めるのは当然だからだ。

自国の文化を賞賛するだけの物語かと思ったが、最後はちょっと感動できる。

【楽天ブックス】「わが心のジェニファー」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
Tracy Crosswhiteのシリーズ第6弾である。

前作までで、恋人のDanと結婚して妊娠したその後の物語であり、序盤は妊婦という立場でありながらも、仕事との間に揺れ動くTracyの心が描かれている。そんなTracyの心を見透かしたように、子育ての先輩であるパートナーのKinsが語る言葉が今回もっとも印象的だった。

あっという間に、予想よりもずっと早く、子供達を大学に送り出さなくなるし、さよならを言わなければならなくなる。そして自分自身に問いかけるさ。あの数年間はどこへ行ったのだろう、って。写真を見て、いつ子供達が幼かったかすら思い出せなくて・・・。まだ子供達が小さかったらよかったのにって思うさ。あの頃に戻れたら、子供達がまだ家にいたらいいのにって。だから、家にいることを罰だなんて思わないでくれ。そう思っているのなら、いつかきっと後悔するから。

前作がTracyと同じチームの所属するDelが活躍する物語であったが、今回はDelのパートナーであるFazが主役のような活躍をする。妻であるVeraが癌と診断されたことにより動揺しながらも、家で思い悩んで過ごさないように、仕事に集中しようとするFazであったが、パートナーのDelが腰を痛めたことによって、代わりに新人のAndreaとペアを組むこととなる。ところが、そのAndreaが聞き込みの最中に、容疑者を射殺してしまうという事件に発展していくのである。

一方でTracyは行方不明のインド人女性Kavitaの捜査に関わっていく。Kavitaの友人で、同じくインド人女性のAditiの証言からは、インドの文化における女性の地位の低さが、アメリカで過ごす2人を苦しめていることがわかる。

並行して進む2つの事件と、事件の解決を進めながらも私生活に悩むTracyとFazの2人の様子から、人生のおける多くを学ぶことができる。

こんどはぜひKinsを主人公にしてほしいと思った。

オススメ度 ★★★★☆ 4/5

ユーザーインタビューの方法について書いている。本書は

デザインにおけるインタビューの重要性
インタビューのフレームワーク
インタビューの準備
ただ質問するだけでなく
インタビューの段階
どのように質問するか
インタビューをまとめる
インタビューを最適化する
調査結果でインパクトを与える

の9章からなる。特に学びが多かったのが「How to Ask Questions」の章である。

まずは、沈黙の使い方について書いている。インタビュー中はどうしても沈黙を埋めたくなるが、沈黙を埋めたいというプレッシャーを感じるのはユーザーも同じこと。だからこそ、その沈黙をユーザーに破らせてこそ、貴重な情報が得られるのだという。

また、「相手を正さない」というのも非常にインタビューにおいてやってしまいがちな間違いである。相手の助けたいという高からきたとしても、インタビューが終わってから行うべきなのだという。

例えばユーザーが「こんな機能があったらいいのに」と、すでにある機能について言った時、プロダクトに常に関わっているインタビュアーとしては、「その機能は実はここにあります」と言いたくなるが、一度それをやってしまうと、ユーザーは「ではこんな機能ありますか?」「こうやるにはどうしたらいいんですか?」という流れになってしまい、本来ユーザーの状況を理解するためのインタビューが、出張サポートへと変わってしまうからだという。

結局、インタビュアーが教えるのではなく、ユーザーから彼らの状況や考え方を教わるのが、ユーザーインタビューの目的なのである。そのことを常に念頭においておかなければならないのだろう。

「How to Ask Questions」の章は、今後もインタビューのたびに読み直して、インタビューするメンバーがほかにもいるならぜひ共有したいと思った。

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
企業・組織の学習・成長を研究する著者が企業の「学び」について語る。

序盤では、課長という中間管理職の地位の低下について触れ、過去数十年で複雑になってきた中間管理職の業務と求められている高度な能力について説明している。その後中盤からは、どのように組織の進歩を支えていくかについて説明している。

学びというのを考えた時、重要なのは「実践」か「座学」か、で考えがちだが、著者はもっとも大切なのはそのどちらでもなく「内省」だと言う。そして、内省とは別の人間がいて、その人のために自らの行為をアウトプットすることによって効果的に行われるのだと言う。

本書の言葉を借りるなら、僕自身はどちらかというと「経験主義」だったわけだが、確かに自身の過去を振り返って見ると、忙殺されていた時代(実践の時代よりも)よりも、程よい忙しさのなかに自身の行為を振り返る時間があったときのほうが成長した気がする。

今後部下を持ったり、社内の学びの強化に関わることも増えてくると思うが、そんな折はしっかりと「内省」という要素について考えたいと思った。

「一斉講義はすべて忘れさられる運命にある」。教える側は、人は、言えば聞き、聞けば理解し、理解すれば納得し、納得すれば行動するものだと思いがちだが、それはまったくの思い込みでしかない。

【楽天ブックス】「リフレクティブ・マネジャー 一流はつねに内省する」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
プロジェクトにおいて不確実性をなくしていくための考え方を書いている。

日々アジャイルをベースとしてプロジェクトに関わる中で、さらにより良いマネジメントの方法はないものかとヒントを探して本書にたどり着いた。

読みにくい本ではあるが、いくつものヒントが散りばめられていた。よくある問題の一つとして作業にかかる時間の見積もりの精度があがっていかないという問題があるが、それについて本書では、2点見積もり、3点見積もりといった多点見積もりを紹介している。将来的に多点見積もりの理解も深めたいと思った。

また、印象深かったのがアジャイルとウォーターフォールの比較の話である。よく議論になる話ではあるが、アジャイルはチームマネジメントもその流れのなかに含んでいるため、アジャイルとウォーターフォールはそもそも範囲が異なるので比較すること自体がおかしいとしている。

後半に出てきた7段階の権限移譲は組織において誤解が発生しやすい部分であるので頭のなかにしっかり刻んでおきたいと思った。

命令する
説得する
相談する
合意する
助言する
尋ねる
委任する

である。

正直、期待したほどのインパクトのある内容ではなかったが、それでも新たな学びはあったと感じる。

【楽天ブックス】「エンジニアリング組織論への招待」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
UX調査について語る。

例えば、定量調査、定性調査について詳しく説明しているだけでなく、どんなときにその調査方法を用いてどんなときにもちいるべきでないのか、等を説明している。また、調査のやり方だけでなく、調査結果からどのように組織を動かしていくかなど、なかなか他のUX関連の書籍では扱っていない点に触れているのも新鮮である。また、たくさんの調査方法を紹介している。それぞれの手法については概要程度の記述しかなかったが、今まで知らなかったいくつかの方法を知ることができた。それぞれの方法については今後さらに深めていきたいと思った。

また、ところどころに実際にUXリサーチャーのインタビューを交えている点が面白い。海外では「UXリサーチャー」という職種がここまで普及していることに驚かされる。

後半では、リクルーティングや調査のファシリテートの仕方について書いている。ユーザーの表情や姿勢でその発言からは見えない心理を読み取る方法などについても描かれており、なかなか一度読んだだけで実現できそうもないが、UXについてたくさん勉強している人に取っても、新しい発見がたくさんあるのではないだろうか。非常に細かい部分にまで触れているため、組織によっては、ここまで調査に時間や人を避けないというところもあるかもしれないが、知識として持っておいたり、「ここにこの情報がある」と知っておくことはいつか役に立つことだろう。

調査の結果の報告のなかでWord Cloudsで表現している場面があり印象に残った。今まで使ったことのない方向9手法だったので、機会があれば使ってみたいと思った。これからUXリサーチをするなかで読み返したいと思えるほど内容の濃い1冊。

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
東大卒のトレーダーとして有名な著者がその投資に対する考え方を語る。

タイトルだけ読むと、株式投資の方法について書かれていそうな印象を受けたが、実際には、時間の使い方や、人間関係の作り方など広い意味での「投資」について書かれている。

やはり特殊な生き方をしている人の考え方は、僕のような一般の考え方(?)を持っている人間からすると斬新である。個人的に印象に残ったのは

友だち5人の平均年収が自分の年収になる

レイヤーの高い人に会いに行こう

である。

どちらも人間関係の考え方であり、人間関係が変わればお金の流れも変わるのは、言われてみれば当たり前ではある。ただ、僕自身あまり普段こういう努力をしていないので、これを期に少し考え方を微調整してみようと思った。

残念ながらそれほどオススメという内容ではないが、保守的な生き方をしている人にとっては、目の覚めるような内容なのかもしれない。

【楽天ブックス】「億を稼ぐ東大卒トレーダーが教えるおひとりさまの「肉食」投資術」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
インドの田舎町で迷子になったサルーが、オーストラリアの夫妻に養子に迎えられてから自分の生まれ育ったインドの街を見つける物語。

「ライオン、25年目の「ただいま」」というタイトルで映画化もされた物語。街の名前と駅の名前、そしてその周囲の景色の記憶を頼りに、グーグルアースを使って生まれ故郷を見つけ出すのは、技術的にはそれほど難しくないように思える。それがここまで注目されるのは、25年という長い月日と、オーストラリアとインドの間の生活水準の差が原因なのではないだろうか。

物語の流れとしてはすでに知っていたのでそれほど大きな驚きはなかった。むしろ印象的だったのは、サルーを養子に迎えたオーストラリア人夫妻の養子に対する考え方と、サルーとブライアリー夫妻の養子縁組をしたミセス・ヌードの生き方である。サルーを養子に迎えた、ミセス・ブライアリーは12歳のときに、茶色い肌の子供が立っているビジョンを見たのだという。それ以来、いつかそれを実現しようと生きてきたのだという。

必ずしも血の繋がった子供を育てることだけが幸せではないと、改めて感じるのではないだろうか。

【楽天ブックス】「25年目の「ただいま」5歳で迷子になった僕と家族の物語」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
グーグルやゲイツ財団がOKRを利用してどのように現在あるような偉業を成し遂げたのかを語る。

OKRの仕組みを理解するのは簡単だが、導入の過程では組織に合わせた多くの微調整が必要である。本書はGoogle, YouTube、Adobe,ピザチェーンなどいくつかの組織がOKRsの導入を試みてから、OKRsが組織のなかで機能するまでを描く。OKRの仕組みを理解しただけでは不十分な知識を補ってくれるだろう。

本書で新しいのはOKRsとは別にCFRsという考えを取り入れていることである。CFRsとはConversations, Feedback, Recognitionのことで、マネージャーとの会話、チームメイトの間における進捗の評価と発展の案内、および達成した成果に対する賞賛の重要性を示している。OKRsに関わる人々の間でのコミュニケーションを活性化し、そのメリットを最大限に活用するためにCFRsは役立つという。

今後OKRsの導入に実際に関わっていくなかで繰り返し読む必要があると感じた。

関連書籍
High Output Management by Dov Seidman
Lean In Sheryl by Sandberg

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
ブロックチェーンについて語る。

ブロックチェーン関連の本を読むのは本書で5冊目になるが、これまでのなかで本書第1章がもっとも面白かった。ブロックチェーンや仮想通貨が世の中にもたらす変化についての考察は特に珍しくはないが、現在のビットコイン関連の状況を、グラフや表を交えて非常にわかりやすく説明している。

本書を読むまでフィジカルビットコインの存在を知らなかったし、ビットコインのATMが存在することも知らなかった。また、ビットコインのマイナーでは大部分を中国の企業が占めていることに加え、取引通貨でも人民元が94.5%を占めているというビットコインの世界的な偏りも本書によって初めて知ることができた。

残念ながら中盤以降は、法律や技術的な内容に偏っており難しかった。ブロックチェーンの概要を知るためというより、まさにこれからブロックチェーン関連の仕事を始めよとしている人向けの内容である。

【楽天ブックス】「ブロックチェーンの衝撃」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5

昨今よく耳にする「フィンテック」という言葉に対して、金融とIT技術を結びつけた革新的なサービス、という漠然としたイメージを持っていながらも、そこにどのような可能性があるのかをもっと具体的に知りたいと思い本書を手に取った。

序盤ではアメリカでフィンテックが普及した経緯について説明している。その理由の一つとしてリーマンショックが挙げられている。リーマンショックによって、それまでの金融機関に対する不信感が増大したことと、職を失った優れた金融関係者たちがフィンテックという分野で知見を生かすことを選択した結果なのだという。一方で日本においてフィンテックがどのように進化していくかも持論を述べている。日本では貯蓄の多くはITリテラシーの低い年配者に偏っており、ITに抵抗の低い若者の貯蓄額が少ないいので、海外のようにスムーズにフィンテックの文化が浸透する可能性は少ないとしている。

本書ではさまざまなフィンテックを分類して紹介しているが、気になったのはソーシャルレンディングである。すでに世界ではレンディングクラブというソーシャルレンディングが拡大しているにもかかわらず、日本で普及しない理由として法律の問題があるのだそうだ。今ある世界を保護することは確かに重要だが、少しずつ人も法律も変化に適用していかなければならない。そういう意味で今後、ソーシャルレンディング関連の動きに注目したいと思った。

中盤では「イノベーションのジレンマ」について触れている。なぜ優秀な巨大企業が、破壊的なイノベーションに
対応できないのか。そして「イノベーションの解」にあるように、どのように対応するべきなのか。どちらの本も読んだはずなのだが、本書の説明が一番簡潔でわかりやすかった。

全体的にフィンテックの内容が盛りだくさんの一冊。理解できるかは別にして内容としては十分だと感じた。

【楽天ブックス】「フィンテック」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
日本とアメリカで医師として働いた経歴を持つ著者が、日本とアメリカの医療の現場を語る。

序盤ではまず、アメリカの医療現場について語っている。アメリカでは病院に対して、各々の診療科がテナントのような形で入っているのだそうだ、そのため診療科ごとに採算が求められると同時に、診療科で医師の採用を行うのだとか。また、アメリカの医師が直面している訴訟リスクの大きさと保険に入らない故に、病気になったら自己破産するしかないのだそうだ。そんな低所得者層を中心としたアメリカの社会問題などについても触れている。

アメリカの医療が取り上げられるときは、日本の医療との比較でいい部分ばかりが強調される傾向があるが、医療業界全体として見たときにはそれぞれに長所短所があることがわかる。どれも日本に住んでいるとなかなか知ることのできない医療事情なので興味を持って読み進めることができた。

そんなアメリカと日本の医療だけでなく、アメリカと日本で医師として働いた著者のキャリアも非常に興味深い。著者がキャリアの選択する際に拠り所としている言葉で、本書のなかでも繰り返す言葉。

衣食足りたらトキメキを求めよ

には非常に共感できる。言い換えるなら、必要最低限の生活費が稼げるようになったら、その先はお金ではなくて自分がやりたいことを選んで人生を洗濯していけ、ということだろう。著者はそんな視点でキャリアを選択しながらアメリカでは1億に届くほどの収入を得ていたというのだから驚きである。

全体的には非常に読みやすく、アメリカの医療をさらっとなめるにはちょうどいい内容だった。

【楽天ブックス】「医療再生 日本とアメリカの現場から」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
教育評論家の著者が、現在の日本の教育の問題点を語る。

どの話も面白かったが、印象的だったものをいくつか挙げると次のような内容である。

競争が生むのは格差だけ

こちらはフィンランドの教育を例に挙げて説明している。フィンランドでは通知表を生徒にわたすことはなく、評価も、他社と比較した相対評価ではなく、絶対評価なのだという。また、驚いたのは、大学進学にかかる費用を家計がメインで担っている国が実は多くないということ。日本、韓国、イギリスが大学進学の費用の50%以上を家計が担っているのに対して、ヨーロッパの大部分では30%以下の国が多いのだという。家計の負担率が高ければ高いほど、家庭の収入がそのまま進学に反映することとなり、教育格差が世代を超えて引き継がれることにつながるだろう。

「ゆとり」は間違いではなかった

こちらも非常に興味深く、著者は、大谷翔平や羽生結弦などのゆとり教育の世代の著名人をを例に出して、ゆとり教育が必ずしも失敗ではなかった、と主張する。確かに振り返ってみると判断が早すぎた可能性はあり、メディアがゆとり教育を早々に失敗扱いした結果、そのような考え方が定着してしまったようにも思える。教育というものを本気になって変えて行くためには、正しい政策をするたけでなく、テレビや新聞などのメディアとの協力も必要なのだと感じた。

後半では、子供の教育だけでなく、大人の教育にまでその範囲を広げて考えを書いている。そのなかで「30歳以上の成人の通学率」のグラフが示されている。日本はわずか1.6%と非常に低いのが驚きであった。日本は成人してから学習することに対して、社会のサポートが少ないんだと感じた。100年時代が語られる今、大学を一度卒業したのちの学ぶ機会の少なさは、日本の競争力を維持する上で大きな課題なのだろう。

【楽天ブックス】「取り残される日本の教育 わが子のために親が知っておくべきこと」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
世間で騒がれているブロックチェーンについて、その仕組みと期待される実用例を説明している。

これまでブロックチェーンというと、ビットコインなどの仮想通貨とあわせて語られることが多かった。しかしその応用範囲は通貨だけでなく多岐にわたり、ブロックチェーンが広まるにつれて起こるであろう世の中の変化を把握したくて本書を手に取った。

序盤はブロックチェーンの仕組みについて説明しており、多くのブロックチェーン関連の書籍と重なる点が多かったが、中盤以降は、期待される実用例や、そこに至るまでの障害について触れている。

本書を読んで気づいたのは、金融業界へもたらす影響は、金融業界が長年古い体質であるからこそ、想像以上に大きいであろうということ。また、障害は技術的な部分よりも、法律、運用、人の先入観による部分が大きいだろうということである。それでも、本書で示されている、選挙制度へのブロックチェーンの利用や、シェアリングエコノミーへの利用は、さらなる便利で公平な社会へ希望が持てるものである。

全体的にブロックチェーンの仕組み、現状、問題点をわかりやすく解説していて非常によみやすく興味を持って読むことができた。今後もブロックチェーンの動向に注意を向けていたい。

【楽天ブックス】「ブロックチェーン革命 分散自律型社会の出現」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
先日読了した、アメリカ合衆国大統領トランプの政権を扱った「炎と怒り トランプ政権の内幕」のなかで「オバマケア」という言葉が頻繁に出てきたため、その内容を知りたくて本書にたどり着いた。

オバマケアとはオバマ大統領が目指した国民皆保険制度を指す。医療費の高騰によって医療費によって破産する人があとをたたないなか、日本のように国民全員が医療保険に加入する世の中を目指した政策である。しかし、実際には意図したようには機能せず、むしろアメリカの医療崩壊を加速させることとなった。本書はそんなオバマケアの詳細と、それによって実際どのようなことが起こった、もしくはおきているかをわかりやすく説明している。

例えば、オバマケアには次のような項目がある。

フルタイム従業員50人以上の企業はオバマケアの条件を満たす保険提供義務。

しかし、大部分の企業が行ったのは、フルタイムの従業員をパートタイムに格下げして保険提供の義務を生じさせないことだったという。それによってフルタイム従業員として生活していた低所得者層は労働時間を減らされた結果、別の仕事を探さなければならなくなったという。

同様に保険会社に向けた次のような項目に対しては

保険会社が既往歴での加入拒否や、病気になってからの途中解約は違法。

保険会社は保険の損失リスクをカバーするために、薬代を大幅に引き上げたのだという。

本書が描くアメリカの医療とオバマケアの意図と結果からは学ぶ部分が多く含まれている気がする。どれほど理想を描いた政策であっても、先の予測を誤れば悲劇に発展するのである。そのほかにもアメリカの医療のさまざまな問題点を指摘しており、非常に興味深く読むことができた。また、同時に、僕らが当然のこととして受け入れている、国民保険制度も非常の貴重なものだと改めて感じた。

【楽天ブックス】「沈みゆく大国アメリカ」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
マッキンゼー・アンド・カンパニー、Google、楽天など合計12の会社で働いた経歴を持つ著者が、タイトルにあるようにどこでも、誰とでも働けるために心がけるべきことをまとめている。

全体的にどれも同意できることばかり、特に転職について語っているうちの次の二点。「異動・転職では「業界」「業種」を交互にスライドさせてみる」と「大きい会社と小さい会社を交互に経験する方法もある」は、転職をこれまで7回している僕も実感として持っている部分である。業種や職種を変えると知識や経験の幅が広がるが、あまり変えすぎると減給は避けられない、だからこそ業種を変えるけど職種は変えない、とか業種は変えないけど職種は変えない、というのを繰り返していくのが程よい方法なのである。

新鮮だったのは「「始まりの場所」にいる大切さ」である。著者自身ドコモのiモードという、携帯端末のインターネット接続のはじまりの場所にいた経験からその貴重さを語っているのだろう。今だったらフィンテックやブロックチェーンなどだろうか。「始まりの場所」、そんな視点を今後のキャリアを考える上で意識していきたいと思った。

途中で気づいたのだが、この著者は「モチベーション革命」の著者なのだそうだ。残念ながら「モチベーション革命」はあまりいいと萌えなかったが、本書は興味深く読むことができた。

【楽天ブックス】「どこでも誰とでも働ける 12の会社で学んだ"これから"の仕事と転職のルール」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
デザインの本としては非常に有名ではあるが「ノンデザイナーズ」とついているため、デザイナーの僕は今まで大して気にも留めな方。しかし、先日、この本が1998年に日本語版初版発行20周年ということで話題になっていたためようやく読む気になった。

全体的には「近接」「整列」「反復」「コントラスト」というデザインにおいては本当に基本的なことで占められている。「基本的なこと」とはいえ、どれも、どんなデザインにも応用できる大事なこと。デザイナーとは言え自分の知識を確認する意味で読んで見るといいのではないだろうか。

個人的には大部分が普段から意識していることではあったが、「反復」の最初に書かれていた。「人間の目は同じものを探す」という特徴を活かして名刺の最後の電話番号を見終えた視線を再度上部の名前へと導く技術は今まで意識したことのないもので、新鮮だった。非常に言葉では説明しにくいので是非読んで確かめてもらいたい。

【楽天ブックス】「ノンデザイナーズ・デザインブック」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
2018年本屋大賞翻訳小説部門。

ScarlettとDonatellaという姉妹の元に魔法の島、Caravalで行われるゲームへの招待状が届いた。結婚を目前に控えたScarlettとDoantellaは、迷いながらもCarabalへ向かうこととなる。

地元の権力者で2人の娘に厳しい父の教えを守って生きるScarlettと、外の世界に飛び出したい妹のDonatella、そんな対象的な2人を中心に物語は展開していく。

島にたどりついたScarlettを含む、ゲームの参加者すべてに課せられたのはScarlettの妹Donatellaを探すこと。そのためにScarlettは島まで案内してくれた船乗りの男性Julianと協力して行動することとなる。不思議な魔法を体験しながらScarlettはゲームに勝ち、妹のDonatellaを取り戻そうとする。

その過程で出会う多くの人々。Julianの本当の狙いは何なのか。2人に招待状を送ったCarabalの主Legendは善人なのか悪人なのか。Scarlettが少しずつ成長していく様子が面白い。

カテゴリとしてはファンタジーになるのだろうが、なかなか触れることない類の作品。好みの好き嫌いはあるだろうが、一読の価値ありである。

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5

黒人初のアメリカ大統領の後を引き継いだトランプではあるが、正直あまり賢そうには見えない彼がどうしてヒラリー・クリントンに勝って大統領に選ばれるに至ったかが知りたくて本書を手に取った。

過去にもジョージ・W・ブッシュの在任期間を描いた「決断のとき」など、大序棟梁を扱った書籍をいくつか読んでいたので、今回もそのようにトランプの悩みや決断の過程に触れられることを期待していた。しかし、残念ながら本書では、トランプの周囲の人々の権力争いに焦点をあてており、トランプ大統領は知性の低い人という扱いを崩さず、トランプ自身の考えなどはほとんど触れられていなかった。

国家の重要事項に対して、ホワイトハウスの人々がトランプの注意をひいたり、思い通りにトランプをあやつるために右往左往する様子は滑稽で、アメリカ合衆国という大国がこのような状態で正常に機能していることに脅かされた。また、一方で、自らの地位を向上させるために、恥も外面も関係なく行動する政治家たちの執念には少し刺激を受けた。

正直、読みやすくも、面白くもないが、少なからず本書から学ぶ点はあった気がする。本書のなかで触れられているオバマケア等、アメリカの医療制度はもっと詳しく知りたいと思った。

【楽天ブックス】「炎と怒り トランプ政権の内幕」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
ICTにより進歩しつつある医療の現状を慈恵医科大学の准教授である著者が説明する。

教育と同じように医療も、政治的な問題のせいか変化の遅い分野。逆にいえばまだまだ伸び代のある分野と言えるだろう。そんな医療現場の現状を知りたくて本書を手に取った。

個人の医療記録を病院が保持するのではなく、共有すればいいというのは、誰でも思いつく医療の未来ではないだろうか。本書によると、その考え方はPHR(パーソナルヘルスレコード)と呼ばれ、考え方としてはすでに一般的ではあるものの、その普及のためにはまだまだ課題が多いのだという。それでもアルムという会社の提供するMySOSおよびJOINというスマホアプリがそれを実現する方向に動いているのだろうだ。

PHRの話以外はそれほど印象的な話はなかったが、大雑把にではあるが現状の医療の状況を把握することができた。今後もしっかり医療業界へのICTの浸透具合にはアンテナをはっておきたい。

【楽天ブックス】「鉄腕アトムのような医師 AIとスマホが変える日本の医療」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
目標を達成する方法として最近よく聞くようになったOKRという手法が、どんなものでどのように取り入れるかを語る。

序盤は、上質なお茶を届けることをミッションとした架空のスタートアップを題材として、スタートアップ企業が陥りやすい状況を説明し、中盤以降ではOKRをその解決策として物語と絡めながら紹介している。

OKRの個人的な印象としては、もっと複雑なシステムなのかと思っていたが、むしろ拍子抜けするほど単純なものだということだ。特に「目標を50%の確率で達成できそうなものにする」というところは、なぜこの考えが今まで広まっていなかったのだろう、というぐらい単純で誰でも思いつきそうな内容である。とはいえOKRの手法自体を軽んじているわけではない。単純なものほど機能するというのはよくあることだ。また、単純な手法であるからこそ、組織や状況に応じてカスタマイズする必要があり、多くの試行錯誤が必要なんだと感じた。

OKRのもっとも注目すべき点は、本書でも書いているように

ゴールを、「パフォーマンスを評価するしくみ」から、「人を鼓舞し、能力を高めるしくみ」に切り替えよう。

という点だろう。今まで世の中にあった多くの評価システムが、結果的に会社の目的と結びつかなかったのは、その社員の評価につながっていたからである。評価と目標を分離することではじめて目標らしい目標を立てることが現実的になるのである。

一方で本書は一切評価方法については触れていない。OKRを採用するにあたって、企業は社員の評価方法は別に考え出さなければならないのである。


【楽天ブックス】「OKR シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
日本の航空会社に務める恩地元(おんちはじめ)は入社後、労働組合の委員長として賃上げ交渉やストライキを指導したことから、パキスタン、エジプト、ケニアへと左遷されていく。

日本航空をモデルにして描かれた作品。10年にも及び海外に左遷された主人公恩地元(おんちはじめ)も実在の人物をモデルにしており、企業名、人物名こそフィクションであるが、1970年代、80年代の日本航空を描いている。

物語のクライマックスはやはり、日航機墜落事故を扱った「御巣鷹山編」だろう。経費削減、利益優先の追求や、社内政治の横行によって、安全管理を怠った結果がついに、500人以上の犠牲者へとつながるのである。日航機墜落事故を扱った物語としては横山秀夫の「クライマーズハイ」も名作ではあるが、本作品では物語全体5章のうちの1章を墜落事故と犠牲者の遺体回収等に割いており、当時の報道からは知ることのできなかった事実を知ることができる。

そして、後半は新たに会長として送り込まれた人物によって、少しずつ会社が改善していく様子が描かれている。汚職や脱税、社内政治の様子はなかなか複雑で理解するのも難しいが、余裕がある人は勉強して知識とするのもいいのではないだろうか。

30年という月日が経っているために現代とのギャップも楽しめるかもしれない。全体的に非常に読み応えがあり、今まで読んでいなかったのが不思議なほどである。著者の魂が感じられる貴重な物語と言えよう。

【楽天ブックス】「沈まぬ太陽(1)」「沈まぬ太陽(2)」「沈まぬ太陽(3)」「沈まぬ太陽(4)」「沈まぬ太陽(5)」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
アジャイルにおける開発の速度は、ユーザーストーリーをどのように作り出すかによって大きく変わってくる。本書はそんなユーザーストーリーを効果的に作り出す50の方法を解説している。

それぞれの手法に対して「採用することによる主なメリット」と「どのように採用するか」を箇条書きにわかりやすくまとめていて非常に読みやすい。それぞれの手法は、組織の大きさや形態によって、適応できそうなものや難しそうなものもあるが、開発を効果的かつ効率的に発展させるための重要な考え方で溢れており、プロダクトオーナーやスクラムマスターだけでなく、開発にかかわる全ての人に役立つだろう。

個人的に印象的だったのがユーザーの行動を変えるフェーズとして頭文字をとったCREATEである。

Cue
Reaction
Evaluation
Ability
Timing

僕らがユーザーの行動を変えようとした時、上記のどの行動に変化をもたらそうとしてのかを明確にすると、より具体的な施策へとつながるだろう。

また、Storyの優先順位を決める上で指標となる考え方で、書籍「Stand Back And Deliver」のなかでNiel Nickolaisenが語っている考え方である。その考え方で重要なのは目の前のStoryに対して次の2つの問いかけをすることである。

それはミッションにとって不可欠か
(ビジネスはそれなしに進められるか?)

それはマーケットで差別化するものか

(ユーザーに大きな利益をもたらすか?)

そのあとの決断の仕方等は詳しくはぜひ本書を読んでいただきたい。

なかなか一度読んだだけで、実際の開発に適用することは難しいだろう。繰り返し読んで実践することで組織に浸透していく内容だと感じた。

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
月収1400万を稼ぐ実業家の著者がお金を呼び込むための考え方を語る。

呼び込むための方法というよりも、考え方である。したがって実用的な話を求めている人には本書はあまり役に立たないだろう。ネガティブにものを考えがちで、お金が欲しいという希望を口にしながらも特に行動をしない、そんな人をターゲットにしている。

もともとポジティブなものの考え方をしている人にとってはあまり得るものはないだろう。

【楽天ブックス】「お金の神様に可愛がられる方法」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
絵本「えんとつ町のプペル」を絵本としては珍しい分業制で作成し、絵本としては記録的な発行部数を実現した、キングコングの西野亮廣が、その成功までの過程で行ったことやその考え方を書く。

具体的に言うと、クラウドファンディングでお金を集める方法や、自分に対するアンチの存在を利用する方法などであるが、どれも非常に的を得ていると感じた。

そんななかでも発売前の絵本をネット上で公開したことについては、多くのページを割いて説明している。著者は言う、「無料にすることは実力を可視化すること」と。インターネットでさまざまな人が発信できるようになた今、個人や企業の実力は可視化され、それを秘密にしていたり、「お金を払わないと何も使えません」では誰も利用してくれないでただただ機会を失っていくんだと感じた。

そのほかにも

お客さんはお金がないわけではなく、お金を払うきっかけがない。
本は本屋さんで売るよりも、スナックで売った方が売れる

などの話が面白かった。

言っていることはどれも非常に共感できる部分があるが、表現の仕方が、若干反感を買いそうな点も感じた。その一方で、その反感を買うような言い方も狙ってやっているのだろうとも思わせる。せっかくなのでこのスタイルを突き進んで欲しいと思った。

【楽天ブックス】「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
黒人に対する差別が根強く残っていた頃にNASAのために計算手として尽くした黒人女性たちについて語っている。

戦時中にNASAの前身となる組織で戦闘機の開発に貢献した黒人女性たちは、戦争の終了とともに宇宙開発に従事することなり、その貢献はやがてアポロ計画へとつながっていく。

ドキュメンタリー形式で描かれているため、登場人物が多く、なかなか一人一人をしっかり把握はできないが、数学を得意としていた女性たちの活躍は感じられる。また、その一方で、彼女たちの有能さだけでなく当時の黒人に対する差別の大きさも見えてくる。そしてそんな逆境のなか、黒人の評価をあげようと尽くした彼女たちがなんともかっこいいのだ。

女性は数学が苦手などという固定概念は一体誰が生み出したものなのだろう。本書を読めばそんな考えはなんの根拠もないことがわかるだろう。

映画化もされているのでぜひそれも見てみたいと思った。

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
プリンストン大学の図書館から盗まれた5つの有名作家のオリジナル原稿は、Camino islandにある本屋のオーナーが所持しているとの疑いを持った保険会社は、Camino島で生まれ育った女性作家Mercerに本屋のオーナーBruce Cableに近づいて調査をすることを依頼するのである。

Mercerが執筆作業という名目でCamino等に滞在し、本屋のオーナーであるBruceや、Camino島にいるたくさんの作家と知り合いになるなかで、本屋や多くの作家事情が描かれている点が面白い。また、有名作家の初版本やサイン本、オリジナル原稿などが取引される闇マーケットについても描かれており、作家である著者の専門分野だけに真実に近い部分も多く含まれていることだろう。

普段あまり関わりのない世界に触れさせてもらえたという意味では新しいが、物語の内容としては特に驚くような展開もなく特別進めるような部分はない。

本書が初めて読んだJohn Grisham作品だが、他にも映画化された名作がたくさんなるので、少しずつ読んでいきたい。

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
田舎町に赴任した警察官のKaneはその街の保安官代理
Jennaとともに、街で行方不明になった人々の捜索を続ける。真実に少しずつその町の大きな犯罪が明らかになっていく

よくあるアメリカ警察物語という印象。シリーズのなかでこれから面白くなるのかもしれないが、本作品に関しては特に驚くようなことはなかった。暗い過去を持っているらしいKaneとJennaの関係が今後どのように発展していくのかが唯一気になる部分である。

DeputyやSherifなど、アメリカにおける保安官と警察官の役割の違いなどを自分がよくわかってないことを知った。

シリーズの続編を読むことはしばらくないと感じた。

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
フィリピン人の日本の介護事情について語る。

知り合いにフィリピン人の介護師がいるので、その仕事の状況や日本におけるフィリピン人介護師の立場を知りたくて本書にたどり着いた。

序盤は、フィリピン人を介護してとして受け入れるまでの、日本とフィリピン外交的経緯から日本で介護士として働くまでのフィリピン人が受けなければいけない教育過程など、現在の介護の状況を説明している。フィリピン人というと風俗などのイメージが付きまとってしまうが、本書を読んでフィリピン人が介護士としては非常に優秀であることがわかった。中盤からは現在日本で介護士として働くフィリピン女性たちの生活やそれぞれの持つ悩みについて書いている。彼女たちにとって介護士として働くために問題なのは、漢字の読み書きや職場の人間関係なのだという。

人材不足の日本の介護事情を解決するための手段として期待されるフィリピン人介護士ではあるが、僕らの持つ印象とは違って、問題となるのは彼女たちの教育よりもむしろ、受け入れる側の環境の問題なのだとわかった。日本人介護士に起こりがちな職場問題が、南の国で育った彼女たちには受け入れがたいのだろう。

後半はフィリピンで老後を過ごす日本人たちを紹介している。彼らの日本を出るという決断までの経緯と、現在の状況を読むと、フィリピンで過ごすのも悪くない気がしてきた。

本書は現在のフィリピン人による介護状況の概要を知りたいとう要求にはしっかり答えてくれた。

【楽天ブックス】「どこへ行く!?介護難民」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
スタイリストの著者が服のコーディネートについて語る。

まず重要なのは、

センスのいいコーディネートにとっていちばん必要なのは、本当はセンスではなく、まずアイテムです。

ということだ。そのコンセプトにのっとって、本書ではさまざまな「使いまわしのきくアイテム」を紹介している。基本的に女性向けのコーディネートを扱っているが、男性にも採用できるアイテムや考え方が含まれている。個人的に「さっそく買ってこよう」と思ったのがストライプシャツ、ジージャン、白のトートバッグである。

毎日私服で働いている人にとってはファッションは印象を大きく左右するもの。不必要に労力やお金をかけたくはないが、考え方ひとつで大きく改善できるならぜひしたい。早速本書の考え方を取り入れていきたいと思った。

【楽天ブックス】「毎朝、服に迷わない」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
効率の用意プログラミング業務の進め方を「Extreme Programming」として紹介する。

XPは次の4つのことを重視している


コミュニケーション
フィードバック
シンプルであること
勇敢さ

である。最初の3つに多くの人は異論ないだろう。しかし最後の「勇敢さ」は普段意識指定なのではないだろうか。Exreme Programmingが重視する「勇敢さ」とは「ミスを認める勇気」である。ミスを認めるのが遅ければ遅いほど、そこからフックするのに時間がかかるのである。

後半で書いてあった

機能するもっとも単純な実装をする

は、エンジニアではなくPOやCOに知ってほしいと思った。デザインやコードをシンプルに実装することでどれほど将来的な柔軟性があがるかを組織においてどれほどの人が理解しているかどうかが大きな鍵だと感じた。

将来的に必要かもしれない機能に時間をかけることは、今必要な機能にかける時間を削るリスクを伴う。

シンプルであるために、デザイナーやエンジニアはもっとPOや顧客に対して声を上げることが、組織を効率的に動かすための近道なのだと感じた。エンジニア向けの本ではあるが、組織を動かす立場の人には誰にでも役立つ内容と言えるだろう。

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
誰も買っているところを見たことないにもかかわらず、定期的に街をまわってくるさおだけ屋や、ベッドタウンにあるフランス料理店など、身近に存在する不思議な例で好奇心を刺激して、その流れで会計を説明する。

非常に有名な本ではあるが、今まで読んだことがなく、今回妻との会話のなかから「そういえばさおだけ屋ってなんで潰れないんだっけ?」という会話の流れで読むことになった。全体的には楽しく読むことができたし、雑談に使えそうなネタがいくつか増えたきがする。

もちろん会計について理解するには本書だけでは不十分で、そこは本書で著者も述べているように、他の専門書に譲っているということだ。そんな著者の狙い通り、会計学についてもっと詳細を勉強したいと思った。そういう意味では「難しくない会計学」という、本書が目指していた目的は達成できたのではないだろうか。

【楽天ブックス】「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問から始める会計学」

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
これからの時代の生き方について語る。

どちらかというと、これから社会に出て行く若い人向けに書かれた内容だが、僕のような社会人10年以上の人間が読んでも学ぶ部分はある。

物と同じように、人も同じ能力を持った人間がたくさんいれば、価格競争になってしまう。つまりコモディティ化が進んでしまうのだ。賃金を下げたくなければコモディティにならない生き方をすることが重要なのである。

著者はコモディティ化しないための生き方として4つの生き方をあげている。

マーケター
イノベーター
リーダー
インベスター

である。今後の生き方を改めて考えさせられた。

【楽天ブックス】「僕は君たちに武器を配りたいエッセンシャル版」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
多くの企業が様々な局面で非効率な業務フローを採用していたり、不必要なものを生産していたりする。その多くは視覚化することによって解決が容易になるのだ。本書はそんな視覚化の手法を「Alignment Diagram」として紹介している。

カスタマージャーニーマップやエクスペリエンスマップなどのUXデザインにおいて有名なものから、サービスブループリントやメンタルモデルダイアグラムとあまり知られていないものまでを、企業が陥りそうな状況を例としてその使い方を説明している。

本書ではたくさんの視覚化の手法をその名前とともに紹介しているが、実際には名前は重要ではない。状況に従って、紹介された手法を組み合わせることも必要である。大切なのは、状況に応じて的確な視覚化を行うことなのだ。

読むだけで身につくということはないので、必要なときに何度も読み直したいと思った。各章の末尾に掲載されているオススメの書籍、記事も少しずつ読んでいきたいと思った。

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
女性警察官Josieはなかなか進まない女性の行方不明者の捜査にいらだち、謹慎処分中にも拘らず自ら捜査に動き出す。

Josieは謹慎中という身にもかかわらず、被害者や生存者が口にする「Ramona」という謎の言葉の正体を追って、真実に迫っていく。そんななかJosieの人としての葛藤や人間関係も多く描かれている。離婚届に判を押さない前の夫のRayや、現在の恋人のLukeは、物語のなかでも重要な役割を果たす。また報道者として第一線に戻ろうとするあまりJosieとたびたび衝突するTrinity Payneの存在も面白い。

暇つぶしには悪くないが、よくある警察小説の範囲を出ていない。この本でなければ知ることのできない何かを教えてくれることはなかった。

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
マイクロコピーの重要性を、過去の著者の経験と実例をもとに語る。

マイクロコピーとは、トップページにあるような大きな文言ではなく、Webサイトやアプリケーションの各所に散らばるコピーのことである。本書はマイクロコピーの重要性を謳う理由は次のように語っている。

トップページの修正ではひどい時には2週間以上かかり、いったんサイトの稼働を止めなければならないほどだったのに、奥のページにいけばいくほど修正箇所は小さくなる。修正にかかる時間も短くなり・・・なのに売り上げは大きく上がる。

興味深いのは、たくさんの例を本書で示しているにもかかわらず、結局のところどんなサイトでも通用するような正解のコピーの書き方はないということである。あるサイトで成功したコピーが他のサイトでは逆効果になることもあり、そのサイトのユーザー層によって傾向は変わるのだという。結局、何度もABテスト等を繰り返して探っていくしかないのだという。

実際にコピーを見直す時にもう一度読み直したいと思った。

【楽天ブックス】「Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
「隠蔽捜査」に始まる竜崎伸也(りゅうざきしんや)のシリーズの第6弾である。

大森署署長を務める竜崎のもとに 大森署管内で連れ去り事件が発生する。このシリーズの面白い点は、毎回事件解決と同じぐらい警察組織内の政治が描かれている点である。今回もその点では同様で、組織内の立場や面子を気にして行動する人々の中で、ひたすら論理的に行動して正義を貫く竜崎の生き方が爽快である。

今回は、竜崎の娘の美紀(みき)の恋人との問題を仲介したり、署内の女性警察官、根岸紅美(ねぎしくみ)の業務改善をする過程でストーカー問題に焦点があたっている。

読み終えて気づいたのだが、このシリーズの面白さは竜崎伸也(りゅうざきしんや)の真っ直ぐさだけで、他に特に学ぶ部分はないのである。にもかかわらずこうやって第6弾まで読み続けている点が面白い。きっと同じように竜崎の生き方だけに魅力を感じてこのシリーズを読み続けている読者は多いのだろう。

【楽天ブックス】「去就 隠蔽捜査6」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5

インンターネットが発展した今、小さい会社でも大きな会社と対等に渡り合える。本書はそんなテーマでブランド戦略、マーケティング戦略について書いている。序盤では「小さいことは悪いことではない」ということを繰り返し強調した後、それの実現方法について次の順番で例と筆者自身の経験を交えながら語る。

自分のブランドを定義する
自分のブランドに合った人との関係を築く
自分のブランドに合って人との繋がりと会話を維持する
行動し、修正する

印象的だったのは最後の「行動して、修正する」で語られている次の4つのレイヤーである。

Direction 方向
Strategy 戦略
Messaging メッセージ
Delivery 伝え方

著者はこのように語っている「マーケットの問題に直面していると感じている多くの会社が、実は方向性の問題に直面していることが多い」。つまり、多くの会社が自分たちがどのような方向に進むべきかを考えもしないで、目の前の仕事に忙殺されているのだ。

あなたは何で、あなたは何がしたいのか?

何よりもまずこれを定義せずに、周囲の企業の真似ばかりしていてはいつまでたっても方向が定まらない。その結果、その先にあるはずの戦略も、メッセージも伝え方も決まらないまま時間ばかりが経ってしまうのだ。

本書は中小企業のための本であるが、人間関係においてもそのまま適応できると感じた。当面起業する予定はないがしっかり頭に刻んでおきたいと思った。

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
誰にでもわかりやすくデザインについて書いた本。

正直このようなデザインの「良い」「悪い」を語った本は多く、あまり内容が深いとは言えないので今まで敬遠してきた。しかし、本書は友人のデザイナーたちも持っているので、以前より気になっていたのである。デザインを仕事にしている僕に取ってもいくつか新しいことを知ることができた。

文字を加工して丸みをつける タイトルに「止め」を作る

なかなかデザイナーとして長く仕事をしていると、少しずつ別のデザイナーの視点に触れる機会が少なくなってくる。たとえ新しく知ることのできることが1割程度だったとしても、このような本にもっと触れるべきかもしれないと思った。

【楽天ブックス】「なるほどデザイン 目で見て楽しむデザインの本。」

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
12歳の黒人男性がバスケットの試合の帰り道に車にはねられて死亡した。犯人の車はすぐに特定され、海軍の運送担当の男性と判明するが、その男性は犯行を否認し続けるのである。

女性刑事Tracy Crosswhiteシリーズの第5弾である。シリーズの他の作品と同様に物語の中心はTracyだが、同じチームのDelの妹の娘がドラッグの過剰摂取で亡くなったばかりなため、Delの違法ドラッグ密売の捜査も多く描かれている。また、ひき逃げ事件の裁判の過程で、海軍の専門の弁護士としてLeah Battlesという女性弁護士が登場し、Leah Battlesの知り合いの検事との因縁や、趣味のクラブマガの様子など、本作品はTracy以外の描写が多かった。

Tracyの私生活の方は、結婚したばかりのDanとのあいだに子供を授かるために奮闘する様子が描かれる。仕事や家庭などさまざまな場所で悩みながら生きていくTracyの様子が非常にリアルである。Tracyがどのように家庭と向かっていくのかは今後もきになるところである。

カテゴリ