「また、同じ夢を見ていた」住野よる

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
小学生の小柳奈ノ花(こやなぎなのか)は、年齢の割に賢く読書が好きだったためか、学校にはあまり仲の良い友達がいなかった。その代わり、放課後は近所に住む高校生の南(みなみ)さん、社会人のアバズレさん、そして、年配のおばあちゃんとの時間を楽しんでいた。そんな奈ノ花(なのか)の日々を描く。
小学生の女の子を扱ったほのぼのとした雰囲気で物語が始まるが、少しずつ小学校の教室での彼女の立ち位置が見えてくる。決してイジメられっ子というわけでも、弱虫というわけでもないが、奈ノ花(なのか)の毎日の行動から、その苦悩が伝わってくるのではないだろうか。
それでも、少しずつ、奈ノ花(なのか)の周囲の大人たちによって、奈ノ花(なのか)の世界は開けていく。もう何年も前に当たり前だった教室という逃げ場のない小さな世界と、そんなわずか40人程度の集団が、世界のすべてだった頃を思い出させてくれる、ほっこりさせてくれる作品。
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