「Birds of a Feather」Jacqueline Winspear

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
Maisie Dobbsは食料品店のチェーンのオーナーから、家出をした娘を捜して欲しいという依頼を受ける。しかし、その消息をたどるうちに、その娘の友人の何人かが死亡していることに気づく。
Maisie Dobbsのシリーズの第2弾である。このシリーズは舞台を終戦直後に設定しており、内容も戦争体験に関わる部分が多い事は第1作「Maisie Dobbs」の感想で触れた。本作品でもその内容は単純な家出人の捜査ではなく、やがて戦時中の人々の行いにつながっていく。
また捜査とは別に、Maisieの人間関係にも問題が生じる。特に唯一の肉親である父親の素っ気ない態度に悩むのである。その感覚は父親が入院した事によってその想いはさらに加速する。そしてMaisieの元で一緒に働くBillyの振る舞いにも変化が現れるのである。
MaisieのメンターであるMauriceの存在は本作品でも大きいが、医師でありMauriceの友人のDeneの言葉もまた興味深い。

聞いた感じでは、あなたの父親はきっとすぐに回復することだろう。彼はすでに事実を受け入れて、回復した先にある未来を想像しているのだから。すでに自分が進むべきステップを意識しているのだから。

ただの探偵物語では終わらない深さがある。引き続き続編を楽しみたい。

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