「アクセス」誉田哲也

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
親友の死を境に高校生の可南子(かなこ)の元に奇妙な電話がかかってくるようになる。可南子(かなこ)の従姉妹の雪乃(ゆきの)も不思議な出来事に悩んでいた。共通点は2人が契約したプロバイダだった。
最初は、友人と共通して思いを寄せる男子生徒との間に起こるありがちな女子高生の恋愛模様を描く物語のような印象を受けたのだが、中盤から一変。一気にホラーの様相を呈してくる。
冒頭の美男、美女でありながらも何か空虚さを感じている雪乃(ゆきの)と翔矢(しょうや)の描写によって、物語中に彼らの過去やその性格の生成過程が描かれることを期待したのだが、残念ながら深く掘り下げられることはなかった。
全体的に筋や著者の訴えたいテーマというのが感じられない物語ではあったが、あえてそのテーマを見出そうとするなら、匿名性の守られたネットの世界に吐き出される人々の悪意や残虐性と、現実との間のギャップを表現しているようにも感じられる。
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