2015年4月アーカイブ

「小さなチーム、大きな仕事完全版 37シグナルズ成功の法則」ジェイソン・フリード/デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン
オススメ度 ★★★★☆ 4/5
小さなチームで大きな成果を上げる方法や利点について解説する。

インターネットが普及し、便利なインターネットツールが広まった今、それを利用すればもっと効率よく働けるはずなのに、多くの企業は同じ場所に集まって朝から晩まで仕事をすることを続けている。会社にいる時間が長いことが、会社に貢献している、とみなされる。そんな考え方に違和感を感じている人にとっては本書はぴったりだろう。

いくつか今の職場の人に聞かせたい内容もあったので印象的な言葉をあげると、

仕事依存症はバカげている
無用な人は雇わない
履歴書はばかばかしい
従業員はガキではない

などである。

僕自身も先日面接に行った企業には履歴書を持っていってしまったので、意味のない習慣にとらわれてしまっているのかもしれない。また、人数が多いほど優良企業という考えに縛られて、むやみに人を増やし、人がいるからしなくてもいい仕事を増やす、という悪循環も非常に思い当たることが多い。人を増やすより減らす方が大変だから、ベストな人数を常に意識すべき、と本書は語る。

いつかそんな会社を作ってみたい、と思わせてくれる。

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オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
ロマとして生きるミショ・ニコリッチがその人生を語る。

人生のあり方について考えるうちに、イタリア旅行に行った際のジプリーの姿が蘇った。通常の文明社会からは距離をとりながら、移動を繰り返し生活するジプシーの生き方とはどんなものなのだろうか。何に価値を見いだしてそのような生き方をするのだろうか、と。

本書はそんなジプシーとして生きる一人の男性によって書かれたものである。父親と母親との出会いから、著者自身が大人になって多くの人間と関係を築き、また戦争という大きな動きのなかで生き抜いていく様子が描かれている。ジプシーに限らずこの時代は誰にとっても困難なものだっただろうから、ジプシーとそれ以外の人の生活の違い、というのは見えにくい。むしろ、家に住んだり、車に乗ったりと、予想以上に通常の生活をしていることに驚かされた。

本書で描かれる程通常の生活を彼らがするのであれば、疑問はむしろ、なぜ彼らは差別を受けるのだろうか、ということであるが、本書ではそのようなことには触れられていない。それでも動乱の時代を生きた一人の人間の物語としては楽しめるだろう。

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オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
東日本大震災によって傷ついた日本人に向けて、ダライ・ラマが語る。

ダライ・ラマの考え方はほかのダライ・ラマ書籍と同じように、心の持ち方が人を幸せにする、ということを語っているのだと思うが、難しい言葉が多く、ややとっつきにくい印象を受けた。「般若心境」や「因果応報」、「ビッグバン」などにも話がおよび、残念ながらストレートなメッセージが伝わってこなかった。先日読んだ「心の育て方」のほうがはるかに分かりやすかった。

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オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
それまでFCバルセロナやレアル・マドリートの影に甘んじていたアトレティコマドリートを強豪チームに作り替えたシメオネ。その考え方を語る。

最近サッカーから離れていために、あまり意識していなかったのだが、確かに最近のアトレティコ・マドリートの飛躍は驚くほどである。以前は数あるチームのなかの一つに過ぎなかったのが、昨年にはヨーロッパチャンピオンズリーグの決勝まで進んでいたのである。残念ながら選手としてのシメオネは、アルゼンチンの代表ではありながらも、特に僕にとって目立った印象を残すほどではなかったが、このような現在の成功を考えると、見えない部分でチームの重要な役割を担っていたのだろう。

本書ではシメオネがチームを導く際に、常に意識している信念などについて語る。その内容の多くは、ほかの成功物語やリーダーシップについて語られた本と共通する部分もあるが、ところどころでシメオネという人間の個性が見えてくる。

発言と行動が違ったら決して許してもらえない
強制されたことは必ず悪い結果に繋がる
名選手とは、長所を伸ばし短所を隠せる者
ボールではなくサッカーをプレーする選手を支持する

本書だけでなく、多国籍のチームを一つにまとめあげる監督の物語は、人を率いる立場の多くの人に読んで欲しい。

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オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
第29回太宰治賞受賞作品。

アフリカから日本に移り住んだサリマとその同じような境遇の外国人が、学び、働き、子供を育てながら新しい文化に溶け込もうとする様子を描く。

後半まで、物語の舞台がどこだかわからなかったが、最終的には日本なのだろうという結論に至った。というのも本書では何度もサリマや、その友人のハリネズミが英語を学んでいる様子が描かれるのである。英語を学んでいるのだからそこはアメリカなどの英語圏なのだろう、と思ってしまったのだ。本書はこの点について、つまりなぜ日本語ではなく英語を学んでいるのかという点には触れていないが、僕自身がこのような境遇の人々の生活の苦しさを普段意識していない事に気付かせてくれた。

言語の問題だけでなく、サリマたちは子供を育てるために劣悪な環境で働くことになる。それでも少しずつそんな生活に適応していくのだ。最初は自分を受け入れてくれない周囲の人々に不満を抱いていたサリマが、少しずつ勉強や仕事に生き甲斐を見いだして、周囲の人々の親切や温かさにも触れていく。そんな様子は心を和ませてくれるだろう。

今まで以上に異文化に目を向けようと思わせる温かい一冊。

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オススメ度 ★★★★☆ 4/5
精神科医であるカトラー博士が、ダライラマと対談を繰り返すなかで「人間の幸せ」について語り合う。

「あなたは幸福ですか?」という質問に迷う事なく「ええ、間違いなく」と答えるダライ・ラマに、カトラー博士は人間が幸福を求めて生きていくなかで遭遇するさまざまな障害について質問をぶつけていき、それぞれの質問に真剣にわかりやすくこたえようと努めるダライ・ラマの言葉から、読者自身も幸福になるための多くを学ぶ事ができるだろう。

例えば、誰かに対して怒りを感じた時、その人は100パーセント否定的な性質の人物だと考えがちです。それは、誰かに強くひかれた時、その人を100パーセント肯定的な性質をもつ人物だと考えたがるのと同じです。しかし、こういう認識のしかたは現実に即したものではないのです。
敵は忍耐を実践するために必要な条件です。敵の行動がなければ、忍耐や寛容が育まれる可能性もないことになります。

また、本書のなかでダライ・ラマとカトラー博士の話し合いの様子を知るなかでダライ・ラマ自身の人間性も見えてくる。その場にいるだけで人を引き寄せ、言葉をかわした人間に涙させるようなダライ・ラマという人間やその成長の過程にも興味を持った。

あまり読みやすい本ではなかったが、本書を読んだ後、きっと読者は少し幸福に近づくことだろう。

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オススメ度 ★★★★☆ 4/5
タイガーウッズもモーツァルトのように、世の中に「天才」として語られる人たちは決して生まれながらにして天才だった訳ではなく、それに見合う努力をしてきた。それではそんな「天才」を作りあげる方法、つまり「究極の鍛錬」はどのようにして成し遂げられるのだろうか。

生まれつきの才能というのが過大評価されるなかで、本書では「天才」と呼ばれるまでに一つの分野でたぐいまれなる能力を伸ばす方法についていくつかの例を交えながら説明する。その方法「究極の鍛錬」に必要な要素として以下の要素を挙げている。

(1)しばしば教師の手を借り、実績向上のため特別に考案されている。
(2)何度も繰り返すことができる。
(3)結果に関し継続的にフィードバックを受けることができる。
(4)精神的にはとてもつらい。
(5)あまりおもしろくもない。

基本的には「天才」は努力によって作られるという内容なので、「自分には才能がない」と諦めていた人にとっても希望を持てる内容と言えるだろう。また、身体能力に依存するスポーツや音楽の分野ではかなり若い時期に始める必要があるとはいえ、ビジネスなどの分野では年齢に関わらず一生能力を伸ばすことができるという点も僕らの将来を明るくしてくれる。

しかし、本書は興味深いことにこんな警告も与えている。「究極の鍛錬」によって「天才」と言われるほどの技術を身につけるためには、人間関係などの人生における多くのものを犠牲にし、しばしば周囲の怒りを買う事も多いのだという。そこまでしてそれほどの能力を身につける事が果たして幸せな人生と呼べるのだろうか。

また、忘れてはならないのが、本書は決して「生まれつきの才能」の存在を完全否定しているわけではないのだということ。例えば体格のように「究極の鍛錬」においてもどうしようもない要素が技術を左右することは往々にしてあるのだという。「究極の鍛錬」によってある分野における能力を伸ばすために多くの時間を費やそうとしても、その分野で「天才」になるために必要な「生まれつきの才能」が欠けているかもしれないという可能性は考慮する必要があり、もしかしたら、成し遂げる事のできないことのための「究極の鍛錬」によって人生を無駄に費やす事になるかもしれないのだ。そのリスクを冒してでも自分をひたすら信じて「究極の鍛錬」をすることができるのだろうか。

自分自身の仕事の時間や趣味の時間の過ごし方を改めて考えさせてくれる1冊。僕は常に「究極の鍛錬」ができる環境に身を置いているだろうか。

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オススメ度 ★★★★☆ 4/5
日本に滞在する36人の外国人に日本が日本について語る。

日本が賞賛されるようになったのはいつからだろう。本書では日本の文化や人や教育について日本に長く済む外国人が語る。日本の個性として僕らが簡単に思いつくものもあれば、考えもしなかったものまで外国人目線ゆえの驚きを与えてくれる。世界の常識を知るのにも、日本の文化を知るのにも役立つことだろう。

本書を通じて多くの外国人が語っているのが東日本大震災の後の日本人の様子である。混乱のなか暴動や略奪を起こす事もなく列を作って秩序を持って行動するところが外国の人にとっては驚きなのだという。また、日本人のおもてなしの心や物事に対するこだわりを賞賛する人も多い。

一方で、働き過ぎや、家族で過ごす時間の少なさ、妻が財布のひもを握っている点についての違和感についても語っており、生き方や家族との触れ合いかたを考え直すきっかけになるのではないだろうか。

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オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
IMFについて語る。

誰もが一度は耳にしたことがあるであろうIMFという組織。ところが実際その目的は何でどのような活動をしているかというとほとんどの人は知らないのではないだろうか。本書ではその発足の経緯と役割や実例について示している。簡単に書かれているとはされているが、僕も含めて外交や経済のある程度の知識がないとすべてを理解するのは難しいだろう。

個人的にはIMFや国際機関の役割の重要性を漠然と理解させてくれるとともに、経済的分野においてもっと知識を深めたいという良い刺激を与えてくれた。

外貨準備
中央銀行あるいは中央政府等の金融当局が外貨を保持すること。保持している外貨の量を外貨準備高(がいかじゅんびだか)という。(Wikipedia「外貨準備」

金融自由化
金融業において、金利、業務分野、金融商品、店舗などの、それまで政府によって制限されていた事柄の制限が廃止されて自由になることをいう。(Wikipedia「金融自由化」

資本自由化
国際資本取引に対する制限を緩和,撤廃することで,広義には資本の流入,流出の両面についての自由化をいうが,狭義には外国資本の流入,特に外国企業の進出を自由に認めることをいう。(コトバンク「資本自由化」

世界銀行
各国の中央政府または同政府から債務保証を受けた機関に対し融資を行う国際機関。当初は国際復興開発銀行を指したが、1960年に設立された国際開発協会とあわせて世界銀行と呼ぶ。(Wikipedia「世界銀行」

【楽天ブックス】「IMF(国際通貨基金)使命と誤算」

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