デザイナーに英語は必要か?

デザイナーに英語はあまり必要ないという印象を持つ人が多いかもしれません。英語の有用性は多くの人が理解していたとしても、デザイナーは主に視覚的な制作物を扱う職業なので、英語はあまり使わない、と思うのではないでしょうか。

しかし、視覚的だからこそ、国や文化に関係なく通用し、だからこそ日本の情報からしか学ばないのはもったいない。デザインを英語で学んでいる人と、日本語だけで学んでいる人では圧倒的な差ができてしまうのです。

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もちろん日本のフォントは日本語でしか学ぶことはできないでしょう。そのほかにも、日本の習字や水墨画など、日本でしか学べないものも確かにあります。

また、どちらかというと日本はデザイン後進国だということも、英語を使えた方がいい理由の一つです。つまり、あなたがデザイナーとして悩んでいることは、すでにデザイン先進国でたくさんの人が悩み、そしてそのうちの何人かは解決策を知っているのです。英語を知っていればその解決策はインターネット上や洋書で見つけることができるかもしれません。

ちなみに、日本でヒットしたテレビ番組や、インターネットサービスや、YouTubeのチャンネルの多くは、もともとは海外でヒットしたものを、日本で広めただけだって知っていましたか?

僕は、ロゴデザインを教えたりしていますが、海外のデザイン講座で学んだものを自分なりに練習して、日本語で言語化して伝えているだけなのです。つまり、英語で世界の情報に触れている人は日本語の情報にしか触れていない人に価値あるコンテンツを提供することができるのです。

もちろん、言語をマスターするにはそれなりの時間が必要なので、人それぞれの価値観次第ですが、昔と違ってインターネットを利用するとかなり安い費用で身に付けることができます。28歳のときに英語を勉強し始めて、英検1級、TOEIC970の僕の感覚からコツを伝えるとするな、何時間勉強するかよりも、毎日少しの勉強を何年続けるかなので、始めるなら早ければ早い方がいいです。

ちなみに僕は、8年ほど前からLynda.com(今はLinkedIn Learning)、そして今でもSkillshare.comで毎朝1時間ほど勉強しています。日本のデザインのなかでは聞いたことなかったテンション視線移動配色はこちらで学びました。最初は聞き取るの大変で速度を遅くして、途中は止めて、スクリプトをみたりして理解していましたが、最近はプレゼンターの英語のくせにもよりますが1.5倍速で聞いたりしています。結局慣れだということですね。

はじめに

気がつけば18年ほどデザイナーとして都内で働いてきました。理系出身でかつ英語もスペイン語を話せるというデザイナーとしてはやや特殊なバックグラウンドも手伝って、多くの企業から声をかけてもらえるようになりました。

そんな中、いろんな企業の採用担当者と会話する中で、日本において「デザイナー」という職業がまだまだしっかりと認知されていないと同時に、多くのデザイナーもまたどのような能力をつければそんな企業側のニーズに答えらるかを理解していないと気づきました。

その一方で、海外のデザインの情報に見れば、日本よりもずっとデザイナーの評価が高く、またそれを裏付けるようにデザイナーの活躍する範囲も単に美しいビジュアルを作る以上のものであることも気付かされます。

未だに明確なプランはないのですが、ここでは日本における「デザイナー」が、海外のような活躍をするために、なにかしら情報発信できればいいと思っています。