「世界を変えた100日 写真がとらえた歴史の瞬間」日経ナショナルジオグラフィク社

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
歴史を変えた瞬間の写真をその背景の説明とあわせて紹介している。「歴史を変えた100日」というからには著者が思う、写真が発明されてからの歴史の変わった瞬間ベスト100といってもいいようなものなのだが、僕の知らなかった出来事が多く含まれていたことが驚きだった。
初期の写真は、出来事をそのまま撮ったのではなく、人々に意図した印象を与えるために、遺体を並べ直したりするなど当然のようにされていたというのが印象に残った。今それをやれば教団されそうだが、考えてみればそれほど不思議ではないことなのかもしれない。
本書で取り上げられていた事件、例えば「インディアン大虐殺」や「キューバ危機」、「アルメニアの大虐殺」などは、機会があればもっと知識を深めていきたいと思った。また「真珠湾攻撃」は日本人として生きていると気付かないが、世界から見ても大きな出来事だったということは今回初めて知ることができた。確かに、日本の真珠湾攻撃が、アメリカがどちらの側につくかを決定付けたと考えれば大きな歴史の転換点だと言えるのだろう。
過去の出来事に対して新たな視点をもたらしてくるとともに、探究心を掻き立ててくれる一冊。

ウンデット・ニーの虐殺
1890年12月29日、サウスダコタ州ウーンデッド・ニーで、ミネコンジュー他のスー族インディアンのバンドに対して、米軍の第7騎兵隊が行った民族浄化。(Wikipedia「ウンデット・ニーの虐殺」

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「チェ・ゲバラ伝」三好徹

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
アルゼンチン人の革命家チェ・ゲバラの生涯を描く。
医者を目指した旅行が好きな青年が、キューバ革命に関わっていき、その革命が成し遂げられたあとも革命を求めて生きていく様子が詳細に描かれている。著者の調べた事実が書かれているだけなので残念ながらチェ・ゲバラの心の内などはわからないが、すでに名前だけ一人歩きしている感のあるチェ・ゲバラのことを知るのには申し分のない一冊である。
見えてくるのは、陽気で時間や約束を守らないのが当然のように文化に染み付いているラテンアメリカにおいて、チェ・ゲバラがどれほど異質な存在だったかという事だ。引き続き彼に関する書籍を読んでいきたい。
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