「ブロックチェーン革命 分散自律型社会の出現」野口悠紀雄

オススメ度 ★★★★☆ 4/5
世間で騒がれているブロックチェーンについて、その仕組みと期待される実用例を説明している。
これまでブロックチェーンというと、ビットコインなどの仮想通貨とあわせて語られることが多かった。しかしその応用範囲は通貨だけでなく多岐にわたり、ブロックチェーンが広まるにつれて起こるであろう世の中の変化を把握したくて本書を手に取った。
序盤はブロックチェーンの仕組みについて説明しており、多くのブロックチェーン関連の書籍と重なる点が多かったが、中盤以降は、期待される実用例や、そこに至るまでの障害について触れている。
本書を読んで気づいたのは、金融業界へもたらす影響は、金融業界が長年古い体質であるからこそ、想像以上に大きいであろうということ。また、障害は技術的な部分よりも、法律、運用、人の先入観による部分が大きいだろうということである。それでも、本書で示されている、選挙制度へのブロックチェーンの利用や、シェアリングエコノミーへの利用は、さらなる便利で公平な社会へ希望が持てるものである。
全体的にブロックチェーンの仕組み、現状、問題点をわかりやすく解説していて非常によみやすく興味を持って読むことができた。今後もブロックチェーンの動向に注意を向けていたい。
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