「品のある人、品のない人 紙一重だけと決定的に違う些細なこと」中谷彰宏

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
人と会ったり共に行動したりするときにふと「この人は上品だな」と感じる事がある。それは一体どこから来るのか。著者が考える「品のある」「品のない」の行動やふるまいについて語る。
本書があまり好意的に受け取られていないのは想像に難くないが、個人的には比較的好意的に受け取った。少なくとも本書に書かれている内容はそれなりに僕自身の行動を見直させるものである。
さて「上品さ」と言うと、なんだか曖昧な感じがするが、結局それは、周囲の人間にどれだけ不愉快な思いをさせないように、さらにいえばどれほど周囲の人を快適な思いをさせるように、普段から行動できるか、ということなのだろう。例えば、雨の日に傘の先端を人に向けて持っている人の近くにいれば不快だし、カフェのカウンター席で、大きな音を立てて物を置く人がいればやはり不快である。ドアの閉じ方や歩く音など、誰もがそんな人の不快な行動がすぐいくつか思い浮かぶのではないだろうか。
では果たして自分自身はどうなのか、大人になるとなかなか人は自分の悪い振る舞いをただしてはくれない、だからこそ自分自身が常に自分の行動を意識することが大切なのだ。
みんな「自分は周囲の人間より上品」と思っているようで、僕自身も同様に、比較的上品な部類の人間だと思っているが、それでも本書には普段の行動を改めてたいと思う内容がいくつか含まれていた。例えば次のようなこと。

勝負服以外、持たない

ぼろぼろになっても服や靴、ハンカチがあることに気付いた。もちろんこれは「もったいない」という考えとのバランスを取らなければならないことではあるが、「まだ使えるけど捨てる」という意識をもっと持とうと思った。
書かれている順番やその粒度がばらばらであるため、著者がただ周囲の人に文句を言っているように見えなくもない点が、不評を買っているのかもしれないが、書かれている内容から何かを学ぼうという姿勢で読めば得るものはあるだろう。人の意見に耳を傾けようとするか、それとも悪い部分をあげつらって頭ごなしに否定するか、それも「品のある、なし」なのかもしれない。
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「3分でダンスが踊れた」中谷彰宏

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
ダンスを趣味として楽しむ著者がダンスに対する考え方を語る。
冒頭で著者が書いているように、著者自身は別にダンスの先生の資格を持っているわけではなく生徒の一人だと言う。そんな著者が自身のダンスを通じた経験や考え方を語ってくれるのだが、競技ダンスよりも、パーティでのマナーや技術の向上の仕方に多く触れている点が面白い。姿勢やパートナーとの調和、そしてマナーを語ってくれるので、競技ダンスとしてどうしても技術や体力やスピードに偏ってしまいがちにとってはいろいろ考えさせられる内容が多い。
ダンス経験者には新しい視点を与えくれるだろう。また、ダンス未経験者もひょっとしたら興味をかき立てられてダンスを始めようと思ってくれるかもしれない。
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