「チェーンレター」折原一

オススメ度 ★☆☆☆☆ 1/5
ホラーの夏も近付いてきた。鈴木光司の「リング」を初めて読んだときのような感覚を得たいと考えて手にとったこの本。残念ながら期待は裏切られた。
内容は「不幸の手紙」の発展版である「棒の手紙」が送られて来る話。同じ文面の手紙を5人に送らないと棒がやってくるというものだ。残念なのはこの話の中で非現実が存在しないかのように書かれていながら最終的にはそれが許されているという、はっきりしない世界で展開しているからである。
最初から、超能力などの非現実な力が認められているストーリーであればそのまま受け入れられるのだが、一生懸命犯人を探した挙げ句、最期はそう来るのか・・・と、残念である。言ってみれば金田一少年が密室殺人事件の謎が解けなくて悩んでいたら、実は犯人は山村貞子(リング)で、殺人の方法は「呪い」だった・・というぐらい違和感の残る作品であった。