「号泣する準備はできていた」江國香織

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
第130回直木賞受賞作品。
本書は12の小さな物語からなる。いずれもすでに人生を謳歌する若い時代を終えて、どう生きていくか、と考える世代の男女の目線をとらえているように見える。一つ一つの物語がとても唐突に始まり、短いがゆえに唐突に終わる。それでもそんな12の物語全体が漂うなにか共通した空気があるようにも感じる。恋愛感が多く描かれているのはやはり女性作家ならではだろうか。
直木賞を受賞したという事はすくなくとも複数名の人にこの作品は強い印象を与えたという事なのだが、正直、なかなかしっかり伝わってきたとは言えない。いつかこのよさが理解できる日が来るのだろうか。本著者の作品は初めて触れたのだがもう何冊か試してみたいところだ。
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