「六百万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス」上阪徹

オススメ度 ★★★☆☆ 3/5
今や料理をするとなったら欠かせないクックパッド。そのビジネスの根底にある理念を語る。
出版はすでに7年以上前なので新しい本とは言えないが、クックパッドの理念が伝わってくる内容である。Webサービスに関わっている人間であればいろいろ学べる部分があるだろう。まず、そのユーザーインターフェースについてはつぎのように語っている。

説明が必要なサービスは、レベルが低い

UIデザイナー等は常に意識していることであるが、なかなか企業という組織のなかで実現できないというのが実情である。ところがクックパッドは社員全員にその意識が徹底されているというのだから驚きである。また、検索結果でユーザーが求めている物を表示するためのシビアな取り組みも面白い。ただ単に検索キーワードに含まれているレシピを出すだけで満足していてはユーザーはすぐに離れて行ってしまうのだろう。
さらに印象的だったのは、いいレシピを選別する基準として「印刷された回数」という指標を用いている点である。「いいね」や「閲覧数」が簡単に測定できるとどうしても、その数でいいレシピを判断してしまうが、印刷というアナログな手法の回数こそがいいレシピである指標だと言う視点は見習いたい。また、ユーザーの利益になる広告しか掲載しないという強い意思にも感心してしまう。
理想を語ることは誰でもできるがなかなか実現できる企業は少ない中で、それを貫き続けた結果今のクックパッドがあるのだと感じた。自分でサービスと1から作りたいと思わせてくれる
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