「残光」東直己

オススメ度 ★★☆☆☆ 2/5
札幌で起こった立てこもり事件をニュースで知って、榊原健三(さかきばら)は再び札幌に行くことを決意する。
読み進めて感じたのは、どうやらこの作品は、なにか別の作品の続編であって、十分にこの作品の良さを堪能するためには、その作品から読むべきではなかったか、というもの。物語の過程で、過去の出来事についていろいろ補足的に記述はあるのだが、どうも話に着いて行っていないような感覚は最後まで感じていたように感じる。
全体的には、榊原健三(さかきばらけんぞう)が警察内部に存在する犯罪組織から子供を守るために奮闘する、という物語。典型的なハードボイルドという印象を受けたが、ラストシーンだけは、その経過と比較すると現代の若者の姿を特異な状況を通じて描いており、かなり斬新な印象を受けたが、話の流れからは、少々受け入れ難い感じも受けた。ぜひ他の読者の意見も聞いてみたいところだ。
僕にとって東直己作品の初挑戦ということで、日本推理作家協会賞受賞作品を手にとったのだが、引きつづきこの著者の作品を読みたい、と思わせるほどではなかった。
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